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『少女世界攻略記録』  作者: けゆの民
異世界探検隊の起源と因縁の始まり
27/1338

26◇長く永い因縁の始まり

◇◆とある隊員目線◆◇

ようやくセルグヌの征討のために騎士団が動いた。

セルグヌは昔あれだけ王族から贔屓にしてもらって…つまり優遇して貰っていたのに、この頃は調子に乗っている。

流石に王族が狙われたんだ、トラウィス王も大層お怒りだったそうだ。

それで今回は国内の紛争だって言うのに第一王子が同伴して下さっている。

それだけ国が本気を挙げて潰しに行くのだろう。

セルグヌに同情などしないが、この騎士団の中でも精鋭の500人相手に第一王子が着いているんだ、一周回って可哀想になってくる。

…そういえばこの国には第一王子よりもトラウィス王よりも人気の王族が居る。

それは…第二王女様、アリス様だ。

基本誰もが第二王女様と呼んでいるが、これは御本人が親しい人以外に名前を軽々しく呼んでほしくないと言ったことからだ。

何故第二王女様が人気なのかと言うと今まで第二王女様が関わった全ての政策、戦争、交渉が大成功を修めているからだ。

あの第二王女様は国民から裏の支配者や救国主や大聖女、果てには大賢者とも呼ばれていらっしゃる。

第二王女様が人気過ぎるだけでテクシス様も文武両道で優秀で性格も良いのだがな…例えば今回の様に騎士の気持ちを知りたいとわざと野宿で来たり…。

テクシス様が今回の紛争に関しての演説をするらしい…


「諸君!この紛争は何も産まないどころか自国を荒らす不毛な物だと言うのによくぞ此処まで着いて来てくれた!だから…この私…」


そう言うと被っていたマントを投げ捨てて…え?


「……私!アリスが責任を持って被害者なしで終わらせて見せよう!」


「我が国に逆らった愚かな蛮族に鉄槌を降すとここにアリスの名で誓う!!」


「諸君と誰一人欠けることなく一緒に帰ろうじゃないか!異論はないか?」


「「「在りません!第二王女様!!」」」


第二王女様が…あの、第二王女様が直々に出てきたんだ。

普段交渉や戦争でも直接前には出ない第二王女様が出てきたんだ。

恐らくここにいる我々は奇跡の目撃者になるだろう。

第二王女様が誰一人欠かさず帰ると言ったんだ。

史上初の損害0の紛争になるだろう。


「…さて、諸君も王族が蛮族に襲われた事は記憶に新しいだろう…何を隠そう…その王族とは私の事だ!そういうわけで今回の紛争には私の虎の子を…今まで隠し続けて来た…虎の子を出そうと思う!それがハナ…カタセ=ハナだ!」


襲われた王族が第二王女様だと言う話は知らなかった…それは皆同じだったのかその事が告げられた瞬間騎士団全員に動揺が見られた。

…そして虎の子の事が発表された時に別の意味で誰もが動揺した。…あの第二王女様だ。あの国王すら『駒』と表現する第二王女様が態々『虎の子』と表現する位だ。その『カタセ=ハナ』というのはどんな者だろうと動揺した。


「私がお呼びに預かったカタセ=ハナです!アリス様の虎の子にして親友という大層な名誉を与えて貰っています。その名誉に答えるために頑張ります!」


見た目はかなり可愛い…第二王女様と同年代か?それ位の少女がこの大舞台に上がった。


「これがカタセ=ハナだ!今までハナは一人で『エネステラ』を止めたり『属性賢者』に勝ち越し、私を襲ってきたセルグヌを完膚なきまでに打ち負かしてくれた!今後は表舞台に宮廷魔術師第六席として出していこうと思う。そのハナの晴れ舞台だ!豪華に行こうじゃないか!いざ征け!蛮族を打ち倒そうじゃないか!」


◇◆ハナ視点◆◇

何この熱気…(困惑)

一応雨が降ってるのに。

アリスが表に出た瞬間に士気が思いっきり上がった様な感じがするしアリスが私の事を虎の子って言った時の全員の表情と注目がホントにヤバかった。やっぱアリスが主役じゃん。

多分アリスがギリギリまで正体を隠してたのは全力の一種なんだろう。

幾ら隠してるとはいえ、馬車や警備態勢から王族がいることはバレる。

だから敢えて別の人になりすまして……

ってここまで考えたけど、それが本当かわからないし。

それに直感は『それだけじゃない』って言ってる。

閑話休題(それはともかく)


…まあ、そこまで言われたし注目されたんだから仕事は…いや、誰かがやれって言った訳じゃなく自分の意思で、セルグヌを木っ端微塵に打ち負かしてくれるわ!



mpも素の10000ちょっととポーションをまた飲まされたせいでクレルモン改にも50000ちょっと貯まってる…合計65530か…

というかポーションの中に回復量が1000以上のやつが紛れてた。

どうせそのポーション普通より高いから、また王族(アリス)に借りが増える。

この金銭的借りを返せる機会は来るのだろうか。

せめて少しでも恩を…の前に。


魔術を使わないと。

じゃあ100倍で…120分間…待てよ。確かここにいる人は合計500人+2人(私とアリス)でしょ…流石に全員に…って言うのは辛いから隊長格と私達…22人に…100倍で25分間…合計消費mp55000の極大魔術!

これが本当の舞踏城だ!


「『舞踏城(タンゼンシュラウス)』!!」


こうして3つの半月が見守る夜に因縁を断ち切り…そして新たな波乱の幕開けとなる戦いが始まった。


それで…続けざまにこないだ習得したばかりの…えっと…6人で…50%でっと…


「神影より我が断章を紡いだ虚像を産み出せ!」

「『影姫の誕生(オルタナティブエゴ)』!!」


そう言った瞬間私が7人に分裂した。

本体以外の6人は私の最大速度の半分程で飛び出したので私も敢えてそれくらいの速度に合わせる。


「敵襲だ!少数だぞ!陣形Bだ!」


何か言ってるけど私は問答無用で人を殺す。

前の世界の何かの小説にも書いてたけど幾ら人を殺す建前を用意してたとしても実際に実行すると体が反応するって本当なんだなぁ。

現に私の周りには私もしくは私の分身の速度に付いてこれなかった人達の凄惨な死体が沢山転がっている。

思わず吐きそうになるのを何とか抑えながら敵を倒す。

私が殺されかけたというかなり大きな建前やそもそも異世界の人だから…っていう他人には絶対真似できない建前を用意してこれなんだから…普通の人は…どんな気持ちなんだろう…ダメージは一切…負ってないのに…精神的ダメージが大き過ぎる。

後ろから騎士団の人達の声が聞こえる。後少しの辛抱だ…。


「そこの小娘!私が相手しよう!」


誰?


「私はこの国を束ねるセルグヌだ!」


あんたが主犯か…なにやら色々と魔術を重ね掛けしてるみたいだけど…


「いざ!尋常に勝負!」


大声を出す事で気を紛らわせながら、殺人忌避についてを頭から追い出していく。


…予想以上に相手のaglが速い。

私も実質14500あるのに…恐らく相手は実質10000はあるんじゃないか?

そしてアリスから呪域とかの使用を禁じられてるのと私の技量がほぼ0なのが影響してとても拮抗している様に見える。


「あんた、もしかして初陣か?生死を彷徨う覚悟をした顔じゃねえな!」


そりゃそうですよ。こっちの世界で生死を賭けて戦うような事態に陥ったら本来終わり…あれ?

エネステラの時もイリーガルゴブリンの時も何ならこないだ襲われた時も死にかけてた様な…


「余所見してる場合じゃねえぞ!っと」


「喰らえ奥義!『崩地』!」


突然足元が割れて…あ、動けない!絡めとられてる!

勿論その隙を逃す筈もなく、セルグヌが思いっきり斬ってくる。


「これで終わりだ!『魔銅剣』!」


私の首が飛ぶ。何でも無いように言ってるけど…

死ぬほど痛い、という死んでる。

今度から痛いのがいやだから防御…つまりvitに極振りしようかな。…何か別世界からの圧力を感じるからやめておこう。


「流石セルグヌ様!この調子で愚かな者を返り討ちにしましょう!」


「何やら今回はあの第二王女がいるらしいですよ。あの王女は殺さずに奴隷として…慰め者にしま…」


《呪域『死帯享楽ファイナル・リゾート』が発動…最大hpの5%まで回復…呪詛親和力が一定値を越えたため1日間魔術等の使用不可能…》


流石にその発言は看過できないかなぁ…二重の意味で。一つはその発言だと私が魅力なかったから殺されたみたいに聞こえること。これは単純な私怨。

そしてもう一つは…私の親友を無下に扱ったことだ!死を以て償え!…いや、死なないで拷問とか尋問とかされた方が苦しむか。アリスには呪域使うなって言われてたけど…この状況魔術使えないから呪法使わないと詰みだし。


さて、先ずは自動的に戻ってくる首を掴んで…言葉にすると地獄絵図みがする。


「首が…」


「な、何故生きてる!」 


「む、…退避だ!」


「呪域『非科学体系の崩壊アンチマジック・エリア』!」


よし、セルグヌ本人以外は体の至る所が爛れて痛がってる。今思えばこの一族に二回殺されてるんだなぁ…。はい、祓って解除。


「お前、本気を出していなかったのか?」


本気はだしてたんだけどなぁ。

(主にアリスからの)制限でね。


「わかった!お望み通り一瞬だけ本気を見せてあげる!」


私は一度神すらも屠ったその技を使う。


「神域『科学支配世界(オーバーロジック)』!!」


その瞬間、相手の全ての魔術が強制的に剥がされ…それどころか持っていたステータスすらも剥がされた様な虚脱感が襲っている様に見える。本当にどういう効果何だろう…これ。


「何を……」


敢えて何も答えずに『純白の十字教会イノセンス・クレルモン』を使い、一撃で切り伏せる。

神域『科学支配世界(オーバーロジック)』や呪域『非科学体系の崩壊アンチマジック・エリア』の影響で弱っていたのか、私のクソ雑魚strでも切ることが出来た。


「解除…セルグヌの首は討ち取った!大人しく投降しろ!」


あれ?殺して良かった?

それと同時に分身がセルグヌの子供とかを捕まえている。分身全然平気そうだし…。私は精神がズタボロなのに。気持ち悪くなってきた。

あ、騎士団の人だ。後は宜しくお願いします。私?私はアリス様の所に帰らないといけないので。

あ、そうです。呼ばれてるんです。


10/20追記:あとがき

戦闘シーンが短いのは作者の描写力不足です。

次の戦闘シーンになれば、多少は改善する…と思います。


Q1:『影姫の誕生(オルタナティブエゴ)』の効果は?

A1:その内出します。まあ大雑把に言えば分身です。


Q2:その内出ましたか?

A2:……。出たの、当分後でした。正確な描写がされたのは20話ぐらい後だった気がします。


Q3:第一王子様と第二王女様どっちが人気なの?

A3:……悲しいことに圧倒的!に第二王女様です。


【裏話】

今回出てきた隊員の名前はガルディといいます。今決めました。

ついでに言いますと、ガスロという兄弟がいます。

本当にどうでもいい設定でした。

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― 新着の感想 ―
ハナさんに名前呼び許してるの、相当心許してるって捉えていいのだろうか!!ハナ×アリはあるのだろうか!!!!???!!!
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