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それはまるで、物語のように  作者: 大和麻也
現実をバカにしよう
9/20

しょうがないね、ヤバい人だから

 朝目を覚ましたら、世界は劇的に変わっていた。それはまるで、物語のように。


 二度寝してしまいたい気持ちを我慢して、布団から出る。重たい瞼をこすり、むくんだ足を引きずって、わずかな頭痛を引っ提げながら、やっとのことでリビング辿りつく。コーヒーを淹れたいな、と思いつつも億劫で、ついついXXXを起動してしまう。これをしてしまうと、少なくとも三〇分はその場を離れられなくなるのが毎朝のオチだった。


『二か月のあいだに九人もの人を殺害した罪に問われている――容疑者の家宅捜索がきのう行われました。容疑者の知人や周辺住民が凶悪な為人を証言する報道が相次ぎ、注目された容疑者の自宅からは、一〇〇枚を超える大量の「名刺」が発見されました。警察は容疑者の人格を示すものとして、慎重に調べています。

 この件について、専門家の――さんに話を聞きました。

「名刺の所持は攻撃的な人格を示す傾向のひとつです。名刺の材料は樹木であり、それを大量に持っているということは、樹木の大切な生命を奪うことに躊躇いがないということです。それが一〇〇枚となると、命の重みを理解できない人格と分析するに足るといえるでしょう」

 家宅捜索を受けて取材に応じた被害者遺族のひとりは、「またひとつ容疑者の異常性が明らかになった。容疑者にしてみれば、娘の命も価値のないものに見えたのではないか。当然死刑になると信じている」と強い言葉で話しました』

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