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それはまるで、物語のように  作者: 大和麻也
現実をバカにしよう
2/20

絆が弱まる時代

 朝目を覚ましたら、世界は劇的に変わっていた。それはまるで、物語のように。


 二度寝してしまいたい気持ちを我慢して、布団から出る。重たい瞼をこすり、むくんだ足を引きずって、わずかな頭痛を引っ提げながら、やっとのことでリビング辿りつく。コーヒーを淹れたいな、と思いつつも億劫で、ついついXXXを起動してしまう。これをしてしまうと、少なくとも三〇分はその場を離れられなくなるのが毎朝のオチだった。


『評論家の――氏の最新著作、「ツレションのススメ」がベストセラーとなり社会現象となっています。孤独に苛まれる現代の若者向けに、友人と簡単に実践できる相互の愛情表現「ツレション」を紹介する本です。

 この「ツレション」とは、ある程度親しいふたり、あるいは複数の個人が連れだってトイレに行くという簡単な行動で、これによって簡単かつ確実に絆が深まると紹介されています。「ツレション」は、生理的欲求である排泄行為を他者とともに行うことで関係性における「恥」を乗り越え、何でも曝け出せるほどの親近感を共有することにつながるとのこと。しかも、相互の距離が近く閉鎖的なトイレという空間は、心理的な距離を近づける効果を期待できるのです。

 著者の――氏は自身のブログで「たまたま友人と同じタイミングでトイレに席を立つことがあり、このときささやかながら、深い喜びを感じました。この経験は現代人に絶対的に不足していると確信し、この本を書きました。多くの人の心に届いてくれたようで、これまでの作家人生が報われたと思っています」と喜びを爆発させています』

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