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それはまるで、物語のように  作者: 大和麻也
現実をバカにしよう
19/20

知らぬが仏、言わぬが花

 朝目を覚ましたら、世界は劇的に変わっていた。それはまるで、物語のように。


 二度寝してしまいたい気持ちを我慢して、布団から出る。重たい瞼をこすり、むくんだ足を引きずって、わずかな頭痛を引っ提げながら、やっとのことでリビング辿りつく。コーヒーを淹れたいな、と思いつつも億劫で、ついついXXXを起動してしまう。これをしてしまうと、少なくとも三〇分はその場を離れられなくなるのが毎朝のオチだった。


『先週、――大学の研究室で同大学の教授である――さんの遺体が発見されました。――さんの死因について検死では明らかにならず、司法解剖が行われましたが、きょうその結果が公表され、死因は「超越死」と判明しました。超越死の事例は国内では二例目、全世界で三七例目となっています。

 すべての死因の一パーセントにも満たない、非常に珍しい超越死は、優れた科学者のみに起こるとされています。未だ解明されていない点も多くありますが、現在のところ、宇宙の真理を見抜いたことにより脳のはたらきが人体の限界を超えてしまい、死に至るというのが定説です。

 この超越死について、一部の科学者たちが「科学の最終地点に到達した者のみに与えられる勲章」との見解を示しており、肯定的に受け止めらるケースがみられます。今回亡くなった――さんも超越死の危険性を知りつつ研究に励んでいたと周囲の学生や大学職員が証言しています。これを受けて学会が「たとえ真理に至っても命を落としてしまっては科学の進歩につながらない」と警告する異常事態です。

 警告にも拘わらず研究に励む科学者も少なくありません。研究者の――さんは「我々が明らかにしたい真理には、生命の真理も含まれている。生死を超えたところに至れなければ、それを明らかにできていないのと同じ」と学会の姿勢を批判しています』

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