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それはまるで、物語のように  作者: 大和麻也
現実をバカにしよう
16/20

伝統になってしまう前、いまが買い時ですっ!

 朝目を覚ましたら、世界は劇的に変わっていた。それはまるで、物語のように。


 二度寝してしまいたい気持ちを我慢して、布団から出る。重たい瞼をこすり、むくんだ足を引きずって、わずかな頭痛を引っ提げながら、やっとのことでリビング辿りつく。コーヒーを淹れたいな、と思いつつも億劫で、ついついXXXを起動してしまう。これをしてしまうと、少なくとも三〇分はその場を離れられなくなるのが毎朝のオチだった。


『悲しいニュースです。動物の皮などで作る伝統工芸の「財布」を世界で唯一製造していた工房が今年いっぱいで閉業することを発表しました。四〇〇年以上の歴史に幕を下ろすことになります。

 財布とは、かつて使用されていたコインや札という貨幣を保管し持ち運ぶために利用されていた容器です。時代とともにその必要は薄れていき、需要は落ち込んでいきましたが、この工房では、多くの人が財布を用いていたという歴史と伝統を継承していくために製造を続けていました。

 財布はその独特のデザインから、日用品としての役割から芸術品としての役割へと転換、一部マニアから注目されていました。収集家からは「まだまだ新しい芸術を見せてくれると思っていただけに悲しい」との声が上がっています。

 工房のマイスターである――さんは、「自分が伝統を途切れされてしまうと思うと、胸が張り裂けそうになる。もちろん財布への愛が冷めてしまうことはないから、生産とは別の形で歴史を語り継ぐお手伝いをしたい」と涙ぐんで話しました』

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