表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それはまるで、物語のように  作者: 大和麻也
現実をバカにしよう
1/20

いまはむかし

 朝目を覚ましたら、世界は劇的に変わっていた。それはまるで、物語のように。


 二度寝してしまいたい気持ちを我慢して、布団から出る。重たい瞼をこすり、むくんだ足を引きずって、わずかな頭痛を引っ提げながら、やっとのことでリビング辿りつく。コーヒーを淹れたいな、と思いつつも億劫で、ついついXXXを起動してしまう。これをしてしまうと、少なくとも三〇分はその場を離れられなくなるのが毎朝のオチだった。


『学問に関するニュースです。一六年前に発見され、謎多き遺跡として調査が続けられていた古代遺跡について、研究グループが新たな発見をしたと発表しました。

 グループによれば、遺跡から多数発掘されている、金属やプラスチック、ガラスなどで作られた古代の道具について、宗教的な意味を持つものと考えられるとのことです。この道具の使用方法について具体的には明らかになっていないものの、使用していた人々が「インターネット」と呼ばれる宗教的な概念を共有していたと、遺跡の碑文や古文書から推定しています。

 グループのリーダーは番組のインタビューに対して「インターネットは地球をひとつに覆い、かつすべての人類を相互に接続するという精神的紐帯であったとみられます。そんな壮大で非現実的な概念を、碑文は活き活きと描いていることが驚きです。いつ、どこにいても、誰とでも意思疎通をできると信じることで、孤独や退屈といったマイナスの感情を慰めていたとみられます。今後も古代人の思想の全貌を明らかにすべく、調査に全力を注ぎたいと思います」と答えました』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ