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モシモ

作者: 凛之助

もしもの話が大好きだった。

だって、何にでもなれたから。

可愛いお姫様にもカッコいいヒーローにも。たまには、怖い怪獣にだってなれた。


でも、みんなはもしもの話が嫌いみたいだった。だって、鬱陶しいというような目で私を見てくるから。ぐるぐる暗い渦を巻く目、木製ボタンの方がきっと光を受け入れてくれる。閉じた口は固結びより固くて嫌い。ぼんやり薄明かりは下からピカピカしてるし、球体ガラスから見える星の話は嫌がるし。

たまにくる、黒目のあの人たちやぐにゃぐにゃのこの人たちには緑青の生えた銅像みたいなの。


私にはわからないこともたくさんある。

道端の灰の山も、みんなの首元の札も、居たはずのお兄ちゃんの居場所も。わからないから、私はもしもの話をする。


あの灰の山はきっとお花が枯れていっちゃったからなの。もしかしたら、くるくる回るお星様のかけらかもしれない。だって、みんな泣いて喜んでその灰を集めてるから。


みんなの首元の札は得意なことを書くものなんだ。でも、すぐに見えたら良くないから首にある。得意なことは自分で見つけなさいっていうカミサマの掲示。


お兄ちゃんはこのガラス球からピカピカ光るお外に出て、旅をしてるんだ。たくさんの星を見て、いろんなものに触って、楽しい話を聞いている。そしたら、お兄ちゃんは私にその話をして、私とお兄ちゃんどっちがそれを体験したかわからなくなるの。


もしも、お兄ちゃんが帰ってきたら、一番最初に私がその話を聞いてあげる。それか、私もお外に出てお兄ちゃんを見つけるの。きっとお兄ちゃんはびっくりするよ。なんでいるのって言って、そういえばって言って、たくさん話してくれる。


だからね、お母さん。もしもって言わないでって言わないで。だからね、お父さん。私の頬を泣きながら撫でないで。だからね、お兄ちゃん。俺さえなんてって言っちゃダメなんだよ。


もしも、私がここに居れたらの話。

読んでくだりありがとうございます。

想像力をフルに使って読んでいただけたらと日々思い書いています。読みやすいとは言えない文章ですが、今後もたまにでいいので読みにきてください。

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