プロローグ
21世紀も終わりが近づこうとしている2084年。
2050年に現れた宇宙人により世界は大きく変革する途上にある。
宇宙人の姿は人類のよく知る、エルフ・オーク・ドワーフそのものだった。
彼等3種族は人類との友好・共存を望み、新たに現れた3つの月にそれぞれ滞在する。
人類を超越するテクノロジーの恩恵を受け、人々の生活は向上し、発展する。
その一つが「レイン」と呼ばれる流体金属を操る技術だった。
使い手の『意思の力』により、形を変え、動かし、硬度を変化させる事が出来る。
既存の兵器を遥かに超えるレインは、全世界で普及し、義務教育の中に組み込まれる。
今や各国家間のパワーバランスは、レイン技術の高さで測られるようになった。
科学の進歩により、貧困は無くなった。
これにより社会の風紀も変化する。
多くの子供は孤児院に預けられ、何不自由なく成長する。
「あさひ園」出身の絶斗・供花・祐・隼人・雪・可憐の6人は兄弟同然に育つ。
彼等には強い絆があった。互いを尊重し、認め合う。
しかし、そんな彼等を引き裂く事件が起こる。
離れ離れになった彼等6人の行く末はどうなるのであろうか?
再会を果たし、平穏な日常を取り戻せるのだろうか……。
これはそんな物語。
<主人公紹介>
あさひ 絶斗
17歳、男性、レインランク:D-
エルのレインにより腹を貫かれ、現在行方不明。
現場には致死量に相当する血痕が残されていた。
あさひ 供花
17歳、女性、レインランク:D
失踪前の絶斗を目撃した事からエルに狙われ、
宇宙人に敵対する反政府テロ組織フォースウルフに身を寄せる。
2つのレインを扱う事から特異体能力者デュアルマインド
と呼ばれている。
あさひ 祐
17歳、男性、レインランク:C-
エルに精神支配されていたが、エルが死亡した事により
自我を取り戻す。
エルの妹アルと共に現在エルフの月にいる。
あさひ 隼人
17歳、男性、レインランク:E+
カザドの勧誘により、人工島アトランティスに留学中。
あさひ雪・マイク・キャシーとチームを組み、
アトランティスにてレインの訓練を受けている。
特異体の兆候が見られる。
あさひ 雪
17歳、女性、レインランク:E
カザドの勧誘により、人工島アトランティスに留学中。
あさひ隼人・マイク・キャシーとチームを組み、
アトランティスにてレインの訓練を受けている。
カザドから特別な力を授けられるが、
それは自己を破滅させる恐れのある副作用を伴う物だった。
あさひ 可憐
17歳、女性、レインランク:D-
絶斗・供花の失踪により、警察官になる事を目指す。
高校に一人残され、日々レインの訓練に励む。
持たざる者。