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魔王と少女のヒロイック  作者: 瀬戸湊
第一部
79/227

78 狼の真相

「この感じなら、私は賭けに勝ったみたいですね。隠れることに徹している内はたぶん見つかりませんよ」

「どういうことなんだ。説明してくれるか?」


 メリッサは頷きを返し、声を潜めながら話し始める。


「アステリオスが言った、あいつの発言の食い違いですけど、それを基に考えてみました。そうなると、あいつにはわたしたちの姿が見えていなかったし、わたしたちの会話も聞こえていなかったということになります。クリームヒルデちゃんの術は正常に機能し、あいつに破られたりはしてなかったってことですね」

「確かに、そうなるな。それで?」

「でも、あいつは実際に私たちの居場所を認識していました。クリームヒルデちゃんの術で阻害されてしまう視覚と聴覚、魔力感知以外の何かを使って」


 そしてメリッサが指を二本立てた。メリッサが考えついた可能性は二つだった。


「一つは、嗅覚です。あいつ、みるからに獣っぽいですし割とあるんじゃないかと思いましたが、除外しました」


 アステリオスが除外された理由を考えてみると、一つ思い浮かんだ。


「それは、あいつが喧嘩のことを言い当てたからか。嗅覚だけでそれを察知することはできないからな」

「そうです。だから自然と二つ目に搾られました。そして、その二つ目は触覚ですよ」


 触覚。触れる。メリッサの話を理解しながら聞いていたアステリオスも、ここで首を捻る。触覚で自分たちの居場所を知ったというなら、それはルプスに常に触れられ続けていたということだ。アステリオスにはその理屈がさっぱり分からなかった。その反応にメリッサは少し得意げな顔になりながら解説していく。


「いいですか?人間は誰しも地面を歩くものです。余程特殊な人じゃ無い限り、常に地面と接し続けるんですよ。で、もし地面に自分の触覚を張り巡らせることができれば……どこに何がいるか、ある程度知ることができます」


 メリッサの推理ははっきり言って暴論だった。アステリオスは更に首を捻るしかない。しかし現状見つかっていないのだからこの考えは間違っていないのだろうと思い、黙って先を聞くことにする。


「で、触覚が効いているなら喧嘩の件も説明できます。あのとき、アステリオスは喧嘩している私とあいつを大人しくさせるため、地面に叩きつけましたよね。そのとき得た感覚を基に、あいつは私たちが喧嘩していたエピソードを推測して話したんですよ。それに、この街の地理を知っているダレイオスちゃんが皆を先導していたっていう容易に想像できる話を付け足せば、私たちは術が破られたと思い自ら術を解いてしまう。そんな感じです」


 アステリオスには、その話は筋が通っているようにもそうでないようにも感じられた。その訝しげな顔を見たメリッサは更に自分の推理を裏付ける根拠を付け加える。


「私がそう思った大きな要因はルプス、あいつの存在そのものですよ。どこを射貫いても傷は残れど消耗すらしない。はっきり言って、生物としての枠組みを外れています。だったら、あいつ生きてないんじゃない?って思ったんです。魔術で作られた人形、と言えばいいんですかね」

「人形……?いや、あいつにも一応人間らしい感覚はあるはずだぞ。視覚も聴覚も触覚も」

「それが全部宿った人形ですよ。それで、それに人の形をしなければならない制約が無いとしたらどうですか?」


 そこでアステリオスはメリッサの言わんとすることが理解できた。彼女は、ペルセポリスの街の地面に、その“人形”が敷き詰められていたと言いたいのだ。言わば平べったいルプスが床一面に寝ている状況だ。視覚、聴覚、触覚を持つ床。クリームヒルデの術でその二つが封じられれば触覚だけが残り、先ほどの触覚で居場所を知ったという推理が成り立つのだ。


「なるほど。この部屋の床や壁にもそれが敷き詰められていたということか。それら全てに分厚い氷で蓋をしてしまえば、機能しなくなると考えたわけだな。……いや、それでも中々な暴論だと思うんだが」

「だから言ったじゃないですか。確信はないし、賭けだって」


 アステリオスはため息をつく。彼自身がメリッサを信じると決めたわけだが、よく上手くいったものだと感心してしまっていた。

 そう二人で話す間も、ルプスは二人を捜し回っているようだったが、話の途中でこまめに隠れ場所を変えていた二人は未だルプスに発見されていなかった。

 時折氷が砕かれる音が聞こえるが、それと同時にひどく苛ついた声も聞こえていた。メリッサが放った魔術『凍界(フローズン・フィールド)』は、その場に冷気が充満し続ける限り継続的に氷を張り続ける。大規模な火炎魔術でも使わない限り、この氷を全て剥がすのは不可能に近かった。そしてルプスは一向に魔術を使おうとしない。どうやら、そういった攻撃魔術の類いは持ち合わせていないようだった。メリッサは安堵しホッと息をつく。もしそんな術をもたれていたら、この策は一瞬で瓦解するからだ。これも、彼女が賭けという表現を使った理由であった。


「さて、これで一点においては立場が逆転したわけだが、こちらが攻めあぐねいているという状況は変わらない。それに、わたしたち二人は既にボロボロ。やつは消耗すらしていない。ここからどう出る?」


 アステリオスが尋ねると、メリッサは当然のように答える。


「あいつの本体を見つけるに決まってますよ。あの人形を操っている人間がどこかに必ずいるはずです」

「そうか、そうだな。あいつを相手にしても無駄でしかないわけだ。……で、その本体はどこにいるんだ」

「そんなの知りませんよ」


 肩をすくめるメリッサにアステリオスはため息をつかずにはいられなかった。ルプスの本体の場所に関する心当たりなどまるでない。この王宮のどこかには潜んでいるのだろうが、手がかりなしに探すのは無謀だった。メリッサとアステリオスは腕を組み、今日何度目かの頭を悩ませるタイムへ突入する。

 そして、「そうだ」と呟いたのはアステリオスだ。


「さっきお前が部屋を凍りづけにしたとき、あいつは痛みを訴えるような言葉を発していた。今まで痛覚がまるでなかったあいつがだ」

「それは……いい情報ですね。本体の居場所をズバリ示しているようなものじゃないですか」


 簡単な理屈だ。人形であるルプスは痛みを感じている様子が無いにも関わらず、痛みを訴えた。それは人形の言葉ではなく、本体が反射的に口にしてしまった言葉であったのだ。ならば、氷付けにされて痛みを感じてしまったその本体は、この部屋の中にいるということに他ならない。


「メリッサ、魔力感知に何か引っかからないのか?」

「うーん……。あの人形たちみたいに動き回ってくれれば簡単なんですけど、じっとされると中々上手くいきませんね。そこら中に溢れてる魔素が邪魔をしてしまって……。でも、それにある程度近づくことができれば察知できるかもしれません」

「では、この部屋中をとにかく探し回ればその内見つかるってことか」


 メリッサは頷いた。しかし、探すとは簡単に言うがルプスの人形はまだそこら中をうろつき、二人を捜し回っている。隠れることに徹している今は安全だが、いざ行動するとなると発見されてしまう可能性も大いにある。魔力を消耗しているメリッサが襲われれば、あっという間だ。

 だからアステリオスは決断した。決断し、脱ぎ始めた。


「ちょちょちょ!何脱いでるんですか!」

「静かにしろ。これからわたしが囮になる。その内にお前は本体を探せ」

「囮になるって、そんなの無理ですよ」


 メリッサがアステリオスの身体を見ると、暗がりに溶け込むその漆黒の肉体に痛ましい傷が残っているのが確認できた。その状態で一人攻撃を受けきるなど無謀でしか無い。


「なんだ、心配してくれるのか。お前はわたしのことが嫌いだっただろう」

「そんなこと今気にする馬鹿がどこにいますか。……死んじゃいますよ」


 苦しげな声を出すメリッサの頭をアステリオスが撫でる。メリッサは心から心配してくれているようだった。

 だから、彼は努めて優しく聞こえる声音で語りかける。


「大丈夫だ。わたしには奥の手がある。それに、わたしは亜人だ。お前達よりも数段丈夫な身体だ。絶対に死にはしない。だから、お前は自分の役割を果たしてくれ。わたしを、信じてくれ」


 信じてくれ。その言葉でメリッサは、先ほどアステリオスがメリッサのことを信じて、何の説明もしていない策を実行してくれたことを思い出した。ならば、彼女もアステリオスのことを信じないわけにはいかない。

 彼女も決断した。


「分かりました。くれぐれも気をつけてください」

「ああ。お前もな」


 アステリオスが鎧を脱ぎ終え立ち上がると、それを皮切りにメリッサは駆け出した。未だ痛みの残る身体を無理矢理動かせば自然と足に力が入り、踏みしめた氷から音がなる。それは思いの外響きわたり、ルプスもそれを聞き逃さない。


「見つけた!」


 音のした方へ突進しようとルプスたちが力強く踏み込んだそのとき、側方から迫る何かの音を耳にする。

 そちらへ顔を向けた次の瞬間、ルプスの上半身と下半身が分離した。その下手人はそのまま後方へ飛び、柱の半ばまで刺さり止まる。それは、アステリオスが振り回していた大斧に違いなかった。

 他のルプスたちが斧の飛来してきた方へ視線を向けると、暗闇と同化する巨体が姿を現した。重苦しい鎧は捨て去られ、鍛え上げられた肉体が露わになっている。しかしその身体は肥大化し、先ほどの鎧姿より一回り以上大きくなっていた。人間と乖離したその姿に、ルプスたちは意図せず後ずさりする。


「どうした、怯えているように見えるが。かかってこないのか?」


 アステリオスが挑発し、ルプスたちは下半身を失い地面に横たわる自分の姿に目を向ける。なぜこの男は姿を消している自分たちを捉えられたのか。なぜ後ずさりしてしまったことまで見抜いているのか。もしかして自分たちが見えているのではないかという疑念にルプスは駆られる。しかし、冷静に考えてそれはないと判断した。姿は隠しているが、魔力感知の使える弓士の女も一緒にいて指示を出していると考えるのが自然だ。先ほどの足音は脱いだ鎧なりを使ったフェイク。あの男に自分たちの姿が認識されていると錯覚させ、自分から姿を現させるように誘導しているのだ。自分の使った策への意趣返しを狙ったのだろうが、そうは行くか。ルプスはそこまで思考を巡らせていた。完全に考えすぎである。勿論、二人もそんな風に思われるなど考えてもいなかった。

 しかし、おかげでメリッサの足音を偽物と考えているルプスの注意がメリッサへ向くことはなかった。アステリオスは幸運にも、囮役として最高の仕事をすることができたのだ。

 目の前の敵に集中すると決めたルプスたちは一斉に姿勢を低く構え跳躍する。地面を駆け抜け正面から。柱を使って側面から。アステリオスの頭上を飛び越え背後から。あらゆる方向からの同時攻撃だ。鎧を脱ぎ防御力の落ちたこの状態なら、一発でも直撃すれば戦闘不能に追い込める。そう踏んでいた。

 一人目の攻撃がアステリオスに届かんとするそのとき、その一人目の頭がパカンという小気味良い音とともに吹き飛んだ。鋭い拳がルプスの頭を貫いていた。次いで飛びかかる二人目は空いている手で掴み上げられ、他のルプスを巻き込みながら勢いよく放り投げられ、柱に叩きつけられた。その攻防を見て、飛びかかる直前だった他のルプスたちは慌てて距離をとる。その顔には、この戦いで初めて見せる恐れの表情が浮かんでいた。

 確かにアステリオスは怪力だ。しかし、拳の一振りで頭を吹き飛ばしたり、大男であるルプスを片手で振り回したりするまでのパワーはなかった。何かトリックがあるに違いない。ルプスはそう思い、抱いてしまった恐怖を悟られぬように語りかける。


「お前、折角の拳と拳の喧嘩だってのに変なトリックなんざ使いやがって。どういうつもりだ?」

「お前にそんなことを言われる筋合いは無いが、トリックなど使っていない」

「だったらなんだってんだよ!」


 恐れによって心に余裕がなくなりつつあるルプスが問うと、アステリオスは大きく深呼吸する。すると、アステリオスの身体がドクンと脈動した。筋肉がミシミシと音を立てている。

 そしてアステリオスはルプスへ問う。


「お前、わたしの種族を知っているか?」

「そんなドス黒い肌の種族は『シャッル』意外にはないだろ。人間に最も嫌われてて魔術も使えねえ、馬鹿力しか取り柄のない種族だ」

「そこまで知ってるなら十分だ。だが、なぜ『シャッル』が忌み嫌われているのか知っているか?」

「それは『魔王』と同じ肌の色を……」

「いや、違うな」


 そう言うとアステリオスが予備動作すらなしに一瞬でルプスの懐へ飛び込み、その腹を蹴り上げる。潰れてはいけないものが潰れてしまった音がすると、ルプスは弾丸のように飛び壁へ激突した。


「『シャッル』が嫌悪されているのは、『シャッル』が力を持っていたからだ。他の種族では不可能な最高の肉体増強法がわたしたちにはある」


 『シャッル』だけが持つ器官、『魔力管』。それがもたらす恩恵は、身体強化魔術によるそれを遥かに凌駕していた。圧倒的なパワーは勿論、強化は視覚、聴覚、嗅覚などあらゆるものに及ぶ。アステリオスが高い精度でルプスの居場所を見抜いていたのもそれによるものであった。

 無二の力を持ってしまった少数が力を持たない多数に疎まれ迫害されるのは当然の構図だ、とアステリオスは語る。その力の迫力に気圧されてしまったルプスにその言葉は届かなかったようだが。最も、そんな凄まじい力が制限なく使えるわけがないのだが、アステリオスがルプスにそれを教えてやる義理もなかった。

 アステリオスはルプスが潜んでいると思われる方へ視線を向けると、猛然と飛びかかる。ルプスが咄嗟に回避すると、背後の柱がアステリオスの拳で砕け、地面に打ち倒れた。

 ルプスはその一撃に恐怖を覚えながらも、再び陣形を組み四方から漆黒の巨漢へ飛びかかる。


「攻め方に芸が無いな。だが、一つにまとまってくれるのは好都合だ!」


 アステリオスが足下の柱へ手を伸ばし、それに指をめり込ませ持ち上げる。人の背丈の五倍はあろうその石柱を、アステリオスは全力で振り抜いた。

 姿を消そうが関係ない、強力な全範囲攻撃。空中にいたルプスたちはそれをよけることはできず、八方へ吹き飛び床、壁、天井へとめりこんだ。

 ルプスの“人形”も残り少なくなった。また本体に新しく生み出して貰う必要がある。そこでルプスはようやく本体のことへ意識がいく。姿を消しているので見つかることはないと思ってはいるが、彼の勘はざわついていた。そこで気づく。弓士の気配がない。姿を消しているにしても、あまりにその痕跡が無い。そんな中、これだけ動き回るアステリオスへ指示を出すのは無理だ。

 なら、弓士はどこへ行ったというのか。その答えは嫌でもすぐに分かった。ルプスの肩に、激痛が走ったからだ。


「いってええええええぇええ!」

「へへ……ようやく見つけましたよ……」


 ルプス本体の目に映ったのは、自分へ向けて弓を構える一人の女だった。ルプスは痛みにあえぎながら逃げようとするも、その足に二本目の矢が突き刺さった。更なる絶叫が部屋中に響く。

 術をかける余裕もなくなったのか、いつの間にかルプスの“人形”たちもその姿を露わにしていた。本体と同様に人形達も痛みにもがき転げ回る。


「自分の身体で戦わんから、痛みに耐性がつかんのだ。こんな男に翻弄されていたかと思うと、自分が情けなくなるな」

「あ、ああ、やめて!頼む!」


 “人形”が命乞いをする。“人形”だから痛みは無いというのに、それすらも忘れてしまっているようだ。アステリオスはため息をつくと、手にしていた柱を目の前へ振り下ろした。


 その間に、メリッサはルプスの本体を縛り上げていた。以前メリッサたちにも使われた、魔術を封じる手枷を懐から取り出しルプスにはめる。もがくと傷が痛むのか、ルプスは黙ってお縄を頂戴していた。メリッサはそのままルプスを引きずり、アステリオスの元へ向かう。

 アステリオスはその場に大の字で倒れていた。メリッサが慌てて駆けよると、アステリオスはゆっくりと身体を起こした。


「だ、大丈夫ですか?」

「ああ。もう立てんくらい疲弊してるが大丈夫だ」


 アステリオスの身体は元の大きさに戻っていた。アステリオスの奥の手は、デメリットとして身体への負荷が大きすぎることがあった。身体能力をあそこでまで無理矢理に高めているのだから当然である。

 特に大事ないと分かりメリッサはほっと胸をなで下ろす。


「それで、そいつがルプスか。ずいぶんちんけなやつだな」


 アステリオスがメリッサに縛られた男へ視線を送ると、男はビクリと身を震わせた。男はほとんど筋肉のついていないヒョロリとした体型で、戦いのたの字も知らなそうな風貌であった。


「こいつがあの大男たちを操ってたんですよね。凄い術ですけど、もはや自分のコンプレックスが現れてるようにしか見えませんね」


 メリッサがそこら中に倒れピクリとも動かない大男たちへ視線を向ける。筋肉隆々で毛深くて荒々しい口調。ステレオタイプな男性像を体現しているようにしか思えなかった。

 そんなにコンプレックスなら鍛えろよとアステリオスは思ったが、そんなことを言ってやる義理も無いので黙っていた。

 こんな男に追い詰められていたのかとアステリオスはまた考えてしまい、再びため息がこぼれてしまった。

 なので、アステリオスは実りのある話をしようと考えた。“死人”について知っていること、全て話せと脅しをかける。わざと低い声で話しかけたのがよかったのか、ルプスはすんなり吐いた。

 しかし、そのどれも知った情報、あるいは知らなかったが今後必要としないであろう情報ばかり。メリッサが深く追求しても、刺さった矢をねじねじしてみてもそれ以上の情報は出てこなかった。

 アステリオスが追加でもう一回ため息をつく。


「こいつと話していても気が滅入るだけだな。もう終わりで良いか」


 終わりという単語に、ルプスが情けない声をあげる。殺されると思ったのだろう。しかし、メリッサが首を横に振ってそれを否定した。


「うちの可愛いマスコットちゃんが人を殺したくないみたいなんですよ。だから、私たちも殺したりしませんよ」


 その言葉にルプスは安堵するが、アステリオスが容赦ない補足を加える。


「忘れてないよな。お前らの主が倒れればお前らはどの道消え去る。わたしたちが手を下さずともな。安心しろ、最期は看取ってやる」


 ルプスは絶望の表情を浮かべ、助けてくれ、死にたくないと泣き叫ぶ。しかし、その声に言葉が返ってくることは無い。アステリオスもメリッサも、その場で既に寝息をたてて始めていた。

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