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魔王と少女のヒロイック  作者: 瀬戸湊
第三部
209/227

4 終わりの始まり

「本当に申し訳ございませんでした。何とお詫びしようとも足りぬ事は承知しておりますが、せめてわたしの思いだけでも受け取って頂きたく存じます」

「えっと、わたしからも。ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」


 ロマノフ王城、謁見の間にてルフィナとアレシャの二人が並んで膝を突き、深々と頭を下げていた。それを受けるのはロマノフ王アルカディー二世。顔を上げるように二人へ告げ、姉妹は揃って王を見やる。


「アレシャ殿は私の恩人でもある。そなたの言うことを無下にするわけにもいかんな。……ルフィナ殿」

「はい」

「そなたがしたことは許されざることである。だが、そなたがミネーなる者の第一の被害者であることもまた事実だ。今回の件、不問にしよう」


 アルカディーはそして人懐っこい笑みを浮かべた。ルフィナがデカン帝国に与して行った数々の所行は、ロマノフ王国へ大きな害をなした。アルカディー自身を洗脳したのも、他ならぬルフィナである。ルフィナも懲役くらいは覚悟していたのだが、何ともあっけない判決に目を丸くしてしまう。しかし、これ以上ない朗報でもある。ルフィナは再び深々と頭を下げる。


「本当に、有り難きお言葉……」

「よいよい。顔を上げよ。だが一つだけ言っておくと、そなたがデカン帝国の元関係者であるということは秘匿されている。この謁見の間にいる者以外は、そなたが敵と呼べる存在であったことを知らない。自分の立場をしっかりと理解しておくように」

「承知いたしました」

「うむ。それでは下がって良いぞ」

「「はい」」


 王に促され、二人はそそくさと謁見の間から立ち去った。

 そして部屋を出たところで大きく息を吐く。


「あー、緊張した……。アルカディー陛下とは何度も話してるのに、こうして公的な場になると、どうにも息がつまるんだよね……。王様ってやっぱり威厳あるなぁ」

『忘れてないと思うが、私も王であるからな』

「ふふ、アレシャらしいな。だが、これで大手を振って歩けるようになった。一緒に来てくれてありがとう」

「いいって。それじゃあ、次のところへ行こっか」

「ああ」


 白と黒の髪を揺らしながら、姉妹は次の目的地へと歩き始める。この二人が並んで歩くのは、十年以上ぶりだ。しかし二人の間に緊張、わだかまり、違和感、そういった類いのモノはまるで無く、二人の距離は、ずっと一緒に生きてきたのではないかと思わせるほどに近かった。一緒に居られることが、二人はそれほどまでに嬉しかったのだ。



 二人が気持ちスキップしながら向かったのは、ロマノフ王城の談話室である。すっかり城に住み着くこととなったアルケーソーンの面々だが、さすがに城を我が物で彷徨くのは憚られるものがあるため、多くがここに集まっているのだ。ここに居なければ、大体は中庭で鍛錬を積んでいたりする。

 この時も例外は無く、ほとんどのメンバーがその場所に集まっていた。ドアを開けて入って来たアレシャとルフィナへ彼らの視線が移る。


「アレシャちゃん。今日はゆっくりね」

「ちょっとアルカディー陛下にお話があって」


 声をかけてきたヴェロニカにアレシャが言葉を返すと、ヴェロニカの視線が隣のルフィナへと移り、大方の内容を察したようだ。座っていたソファから立ち上がると二人へ歩み寄る。そして、スッと手を差し出した。


「『魔劇』のヴェロニカよ。覚えてるでしょう?私、あなたのお腹を思いっきり焼いたから」

「覚えているよ。あの炎は強烈だった。さすがAランク冒険者だよ」

「こっちは数人がかりだったのだけれどね」


 軽い言葉を交わしながら、ルフィナもその手を握る。容赦のない死闘を演じた二人だったが、二人の間にわだかまりはなさそうだ。何よりだとアレシャは満足そうに頷く。


「でも、謝らせて欲しい。この場にいるアルケーソーンの皆さんにもだ」


 手を引いたルフィナが部屋の中を見渡す。その場にいたのはペトラ、メリッサ、ブケファロス、クリームヒルデ、そしてサーラ、ヘルマン、ライラのセットである。真っ直ぐな彼女の視線を受けて、彼らも静かに耳を傾ける。


「此度の一件。皆さんの知っての通り、わたしに重大な責任がある。それに関して許してくれとは言わない。ただ、わたしはアレシャと共にありたい。共に生きていきたい。妹の仲間である皆さんに、その許しを得たいんだ。どうか」


 ルフィナが深々と頭を下げた。全員の視線がその一点へ注がれる。しかし、誰も何も言わない。仲間のルフィナへの恨みは思っていたより根深かったのか。沈黙からそのように想像したアレシャが慌てて口を開く。


「えっと、お姉ちゃんは洗脳されてて悪いことしてるって自覚はなくて、だから——」

「ああ、アレシャちゃん。そういう事じゃないのよ。……ねえ?」


 言葉を遮りヴェロニカが仲間達へ問いかけると、全員が頷いた。


「一月も眠ってたんだ。こっちの気持ちの整理はとっくについてるよ。イシュタルの気配も感じねえし、無下にする理由はねえ」

「同感ですわ。聞けばルフィナ様も紅茶がお好きとのことですし、飲み仲間が増えるのは喜ぶべきことです」

「あたしは前にも話したし、特に言うことも無いんだけど……」

「私はアレシャちゃんが更に成長したらルフィナさんのようになるのかとか色々想像が捗るので無問題です」

「アレシャお姉様のお姉様——少しややこしいですけど、何か悪いことをなさったのですか?」

「いや、悪いことをしたのは俺の方だ。そうなんだろ?サーラ。謝るから。な?」

「そうです。私も至らぬ点が多くあったと反省いたしました。ですから、機嫌を直してくださいませんか。反抗期はおやめ下さい。死んでしまいます」

「まあ、こういうことよ。皆そんなこと気に留めてないわ。……思っていたより大分」


 いつも通り自由な仲間達に頬をひくつかせながらヴェロニカが笑い、ルフィナが頭を上げる。やや呆然としているその背をアレシャが叩いた。


「よかったね」

「……ああ、そうだね。本当に」


 ルフィナも笑みを零し、アレシャとヴェロニカに連れられて談話室の輪の中へと入っていった。




 談話室の戸を叩く音がして、誰かが返事をするよりも早く入って来たのはボサボサヘアの中年男ランドルフだった。じゃあもうノックしなければいいのにとも思う。

 彼はそれなりに大事な用事があって、この談話室へとやって来た。髪型はゆるゆるだが表情は引き締まっていた。——のだが、談話室の中を見回して首を傾げる。


「クリームヒルデだけか?他の奴らはどうした」

「皆様なら、あちらに」


 閑散とした談話室の窓際に一人腰掛けていたクリームヒルデが外を指さす。ランドルフがその通りに外を見ると、そこは王城の中庭だった。アルケーソーンのメンバーが技を磨いている中庭。それは別にいつも通りなのだが、今回は少し違う。具体的には、上がっている声が違う。あと、その数。


「おら、右だ!右が空いてるぞ!」

「防いで、防ぐのよ!」

「頼むぞ!俺の晩飯がかかってるんだからな!」

「アレシャちゃん!相手の意識は左に集中していますよ!」

「次は左下段。その次は右上段です」

「おいライラ、予見の目を使ってるだろ!反則だ!」


 アルケーソーンの面々の言葉は輪の中心にいる二人の人物へ向けて投げかけられていた。いや、彼らだけではない。ロマノフ王国の兵士と思われる鎧姿の人影が多数。彼らもまた、二人へ向けて思い思いの言葉を飛ばしていた。

 そして肝心の中心にいる者だが、それは白髪と黒髪、アレシャとルフィナの二人だった。その二人が激しい格闘を繰り広げていたのだ。その光景はさながら剣闘士とそれを観戦する観客だった。


「いや、何やってるんだアレ……」

「ルフィナ様がアレシャがどれだけ強くなったのか今一度知りたいと仰りまして、あのように組み手が始まったのです。しかしいつの間にか他の皆様がその勝負の行方に夕食を賭けて勝利予想を始めてしまい、その盛り上がりに誘われて人が集まってきた、という経緯ですわ」

「いや、何やってんだ……」


 珍しく引き締まっていたランドルフの表情はすっかり呆れて緩んでしまった。ルフィナがすっかり溶け込んでいるのは喜ばしいことなのだが、自分の心と現状が大きくかけ離れていて、何とも言えぬ虚しさがランドルフの内にこみ上げてくる。真面目になるだけ損だった。

 なので余計な事は考えないことにしたランドルフは、いつもの気怠げモードへ移行して窓の外の様子を眺めることにする。


「しかし、アレシャもルフィナもいい勝負だな。格闘ならアレシャに分があると思ったが、ルフィナも相当やるな」

「デカン帝国の一級の訓練を十年近くも受けてきたのですから、それも当然かもしれませんわね」

「それもそうか。しかし、自分の娘が二人とも拳闘の道に進んだと聞いたらアレクセイは泣いちまうかもな。『なんでお父さんと同じ剣じゃないんだ』ってな」


 親友の姿を思い起こしながらランドルフが笑うが、そんな彼の言葉を聞いたクリームヒルデは一つ気にかかる。ランドルフは拳で戦うスタイルだが、クリームヒルデの得物は剣だ。だから少しだけ尋ねてみる。


「ではランドルフ様も、私が拳ではなく剣を握っていることを残念に思われますか?」

「馬鹿言え。可愛い娘に拳なんか握らせられるか」

「そうですか。失礼いたしました」


 だからと言って人の娘に拳を握らせるのもどうなのかと思ったが、クリームヒルデは細かいことは気にしないことにした。先の言葉を撤回されてもイヤだったので。薄く微笑みながら二人は再度窓の外へ視線を向ける。


「だが、さすがに二人とも疲れてきてるな。こりゃ、下手すりゃデカいケガに繋がりかねんな」

「そうですわね。魔術で治療できるとはいえ、ケガなどないに越したことはありません。では、どうなされますか?」

「今回は、ノーコンテストだ」


 ランドルフが窓から身を乗り出し、窓枠に足を掛ける。そして大きく跳躍した。談話室は都にそびえるロマノフ王城の——巨大故にもはや何階かは分からない位置にある。どう上手くやっても転落し間違いないし。その高さから彼は身一つでダイブした。


 繰り出した蹴りが、蹴りによって防がれる。身体を捻って放った裏拳もガードされる。それに対するカウンターの拳も素早く躱される。一進一退の攻防が続き、観客のボルテージも更に高まっていた。一撃一撃の度に湧き上がる歓声の中、姉妹は流れ落ちる汗を拭う。


「お、お姉ちゃん、めちゃくちゃ、強くない?アウザー渓谷で戦ったとき、より、強くない?」

「それは、こっちの台詞だよ。魔術なしでもここまで、戦える、なんて」


 拳を構えた二人が呼吸を荒げながら言葉を交わす。互いが互いを認め合う熱い展開である。しかし二人が交わしたのはその一言だけ。お互いに睨み会った状態で呼吸を整え、ピクリとも動かない。一本の糸がピンと張り詰めたような空気。観客も思わず息を止め、再び動き出す時を待つ。

 そして、その時は来た。


「たあああああああっ!!」

「はあああああああっ!!」


 自身を鼓舞するような声と共に、両者激突する。

 ——地面に。


 上空から何かの影が差したかと思ったその時、轟音と瓦礫と砂煙が上がり、姉妹は二人とも頭を押さえつけられて地面と熱いキスを交わしていた。頭から地面にめり込むような勢いである。


「あ、やべえ。ちょっと勢いつきすぎたな」

「ら、ランドルフさん!?何で上から降ってきたんですか!?」

「何でも何もねえ。ちょっと目を話したらお前らちょっと騒ぎすぎだ。おら、解散だ解散!」


 ランドルフは手をぶんぶんと振って群衆を追い払う。全くもって空気の読まない乱入者に観客の兵士たちからブーイングが飛ぶが、ランドルフがその兵士をぶん投げ始めたので彼らは逃げるように去っていった。後に残ったのはアルケーソーンの面々だけである。


「全く、セイフまで混じって……。ケガしてからじゃ遅せえんだぞ?

「面目ない……。いや、全く動かないんだが、その二人」


 セイフの指摘は耳に入っていない。というより聞かなかったことにしているようだ。なので仕方なくヴェロニカとヘルマンが魔術で傷を癒やしてやり、意識を取り戻させる。


「いたた……。あれ、ランドルフおじさん何でこんなとこに」

「妙な感覚だ。記憶がすっぽり抜けているような……。まさか、また洗脳……!」


 頭をさすりながら身を起こす二人だが、大丈夫そうだ。乱入者のことも都合良く忘れているようなので誰も余計な指摘をしようとはしなかった。その微妙な雰囲気を変えようと思い、ヘルマンがランドルフへ問いかける。


「それで、何かご用でも?」

「ああ、そうだった。まあ、ちょっと真面目な話だ。ミネーは未だ沈黙しているが、いつ動き出すかは分からん。だから、やっておくべきことは先に済ませておこうと思ってな」

「やっておくべきこと?」


 首を傾げるアレシャにランドルフは神妙に頷く。


「ずっと眠っていたルフィナがこうして目覚めた。その時になったら話すことがあるって言ってただろ?」

「う、うん。そうだったね」

『それと、私の知るミネーという人物に関しても一緒に話すということだったな』


 ダレイオスの付け足しにもアレシャは同意する。アウザー渓谷の戦いが終わった後、ランドルフとフェオドラはアレシャとルフィナの姉妹に伝えておかねばならないことがあると言っていた。ルフィナが眠っていたため先延ばしになっていたが、その話すタイミングは今意外にあるまい。アレシャもルフィナも打って変わって緊張した面持ちになる。

 そしてランドルフは次に一人の人物へと視線を向けた。


「ブケファロス、お前もだ。お前も、話しておかなきゃならないことがあるだろ?」

「俺が?」

『いや、正確には相棒ではなく、儂のことだろう』


 その低い声はブケファロスの背中から聞こえた。彼が背負っている、自立した意志を持つ英雄の宝剣リットゥ。ずっと記憶を失っていると話していたリットゥだったが、アウザー渓谷の戦いを機に、その記憶を取り戻していた。


「そうだ。記憶の話、まだ俺にも教えてくれてねえもんな」

『話すべき頃合いがあると思っておってな。それに、最初に話す相手はダレイオスだと決めていた。しかしなるほど、全て語るならこの機会が丁度よいかもしれぬな』

「話の分かる剣で助かるよ。まあ、そういうことだ」

「え、じゃあ今から?」


 いきなりの展開に戸惑うアレシャが尋ねると、ランドルフは少し考えて否定した。


「善は急げって言うが、今夜夕食後にしよう。最終的には全員に聞いて貰いたいが、まずは少数だけ。アレシャ、ルフィナ、ブケファロスの三人は談話室に集まってくれ。他の奴らは悪いが、自室にいてくれないか」


 何故人数を絞る必要があるのだろうか。名前を呼ばれなかった者たちは疑問に思う。どうせ知るなら一度に話してしまえば早いだろう、と。だが、誰も口を挟まなかった。そう話すランドルフの表情を見て、誰も口を開けなかった。

 彼は最後に「それじゃあ、頼むぞ」とだけ言い残すとゆったりとした足取りで城の中へと戻っていった。相も変わらず残されたのはアルケーソーンの面々だけ。もうそこには何のようもないのに、彼らは少しの間そこから動こうとしなかった。

 つい数分前までの騒がしい空気はどこへやら。すっかり冷え切ってしまった王城の中庭で、最後の歯車が回り始めようとしていた。





「さて、集まってくれたな」


 切り出したのはこの集まりを企画したランドルフだ。輪を作るように配置されたソファには五人の人間が座っている。アレシャ、ルフィナ、ブケファロス、そしてフェオドラとランドルフだ。既に日は落ち、魔力灯だけがぼんやりとした明かりを浮かべていた。


「今更疑問も無いわな。集まりの目的は単純だ。皆知ってる事を包み隠さず話す。全部、終わらせるためにな」

「全部?ミネーを倒すためってこと?」


 意味深なランドルフの言葉にアレシャが首を傾げる。アレシャは特にこの場で話すべき事を持ち合わせていない。彼女は言わば傍聴人だ。だからこそ疑問に思った事は何でも口にするつもりでいた。しかし、ランドルフから帰ってきた言葉は曖昧なものだった。


「一言じゃあ言い切れねえな。今回の件は結構複雑に入り組んでるんだよ。まあ、全員の話を聞けば分かるさ」

「そう、分かった。ちゃんと聞く」

『では、私と交代するか』

「ああ、そうだね」


 アレシャと違って、ダレイオスにはこの場で話すべきことがあるのだ。提案に同意したアレシャは主導権を『魔王』へと譲る。

 ダレイオスが話す準備に入ったのを見て、ブケファロスもソファに立てかけていたリットゥを自分の前へと持ってくる。


「全員準備できてるようだな。ならもう御託は抜きだ。早速始めようか」

「それで、誰から話すんだ?ランドルフおじさんから?」


 ルフィナがそう問うも、彼は首を横に振った。


「俺とフェオドラの話は後に最後に回す。その方が整理が付きやすいんでな」

「まずはダレイオスとリットゥに話をしてもらおうと思うの」


 フェオドラに指名された一人と一振り。いきなりのフリだが、両者特に不満はない。先に切り出したのはリットゥだ。


『儂の話の内容は、儂の正体と『英雄』そしてミネーとイシュタルに関することだ。言わば、千九百年前ダレイオスの国が滅んだ真実だ』

「そりゃ何とも根幹だな」

「私としては今すぐにでも聞きたいのだが……それなら先に私の話をした方が良いな」

『儂もそう考えていた』

「ん、どうしてだ?」


 ダレイオスの言葉にリットゥが同意を返すが、ブケファロスはその理由にピンと来ていない。察しの良いルフィナが代わって答える。


「ダレイオスの話というのはミネーについての事だったはずだ。その1900年前の事件が起こる前の話だろう。時系列順に語った方が内容も飲み込みやすいということじゃないかな」

「まあ、そういうことだ。では、私から話し始めてもいいか?」


 ダレイオスが改めて確認のためにその場の全員へ視線を巡らせる。そしてその誰もが静かに頷いた。それを受け止めてから、ダレイオスは腕を組んでソファに深く沈み込む。瞑目し、記憶の針をぐるぐると巻き戻した。


「そうだな。何にしても、私とミネーの最初の出会いからにするべきだな」


 そしてダレイオスの言葉は千九百年の時を遡る——

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