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プロローブ
私が他の子とは違う事に気付いたのは、小学校3年くらいの時だった。
クラスマッチで、バスケが行われる事になった。
皆が必死になって練習していた。
休み時間だけでは足りず、朝早くに集まったり、
学校が3時30分に終わっても放課後に日が沈むまでやっていた。
その中に私もいた。取り合えず練習には参加していた。
だが心の中では、馬鹿馬鹿しい。だの、メンドくさい。
そんな感情でいっぱいだった。
クラスマッチ当日。
あんなに練習したのにボロ負けだった。
それも、その筈だ。
だって、あっちのクラスには、10人近くもバスケを習っている奴らがいるんだもの。
それなのに、皆は号泣していた。
悔しさのこもった涙を流している。
―――――私は?
泣いていない。それどころか悲しくも、悔しくもない。
私は、泣いた事が無い。
泣けないのだ。
怒る事も無い。
鼓動がどんどん速くなる。
息が苦しくなる。
この時気付いたのだ。
―――――私には感情、心がないと言う事に。
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