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魔女の子、異端審問官になる。  作者: 朔月理音(サツキコトネ)
第3章:禁じられた魔女たち
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58:謎の行方不明事件

 事の発端はリリーとディアナのツインハイトのレースから一週間が経過した頃だった。


 テカーノヴァ街で一件の行方不明事件が発生した。


 いなくなったのは街に住んでいる五十代のパン屋の女将。


 二年前に夫に先立たれて、彼が遺した店を必死に切り盛りする、()()()()()()という言葉が似あう逞しい女性だった。


 事件が発覚したのは、中央王都エンデの郊外に結婚と同時に移り住んだ息子が店の手伝いに来たのがきっかけだった。


 店は仕込みの途中だったらしく、作りかけのパン生地にはカビが生えており、その他の生鮮食品にはハエがたかっていた。


 このことから、少なくとも彼が家を訪れる十日ほど前に失踪したことが捜査によって判明した。


 店内に争った形跡がなかったことから、警察は女性が()()()()()で家を出て行ったのだと推測したが、彼女の息子は反論した。


「父が遺した店を自分から出て行って、何日も帰ってこないなんてあり得ない。」と。


 息子夫婦が捜索願いを出したことで警察は捜査を開始したが、彼女の行方は未だに分かっていない。


 それを皮切りに、街で行方不明事件が続出した。


 失踪した人物たちに、特に共通点などなかった。


 教師、靴屋、神父、主婦・・・中には家族ごと失踪した者もいる。


 しかし捜査を進める内に、警察は失踪者たちに()()()()()()があることに気付いた。


 ()()()()()()()()()()()()()()()ということ。


 だが家族が亡くなることなど、何らおかしいことでもなかったため捜査当局は一旦は留意したものの、すぐに共通点から除外した。


 事件が難航する中でテカーノヴァ街の住人の間にこんなウワサが出回るようになった。


「会いたい家族に会える久遠の館が街のどこかにある。」と。


 魔女によって営まれ、どうしても会いたいと焦がれる家族に会い、その家族と永遠に過ごせる館があり、行方不明者たちはその館に誘われてしまったのだと住民たちは自分たちだけで結論づけた。


 聖天教会庁の直轄都市に指定されているテカーノヴァ街で魔女が暗躍しているなど前代未聞。あってはならないことであるが、警察がどれだけ探しても手がかり一つ見つけられないとしたらそれ以外に考えられないと、住民たちは考えるようになった。


 そのようなウワサが出回る内に、最初の失踪事件から二ヶ月が経過した。


 失踪者はすでに51人にまで及んだ。


 彼らの行方は、未だ判明していない・・・。

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