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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

闇バイト『迷惑系撮り鉄』

作者: 騎士ランチ

異世界恋愛ものに出てくる、魔女の一人称視点が凄いカッコいいなと思ったので参考にしました。

あ、どーも。こんにちわ。ウーバー館で牛丼頼んでるのがありましたので、食べます?


あ、はい。三日前のやつです。僕が半分食べたけど、だからまだ半分残ってるから。いらない?


じゃ、じゃー僕が食べます。

いただきます。

えー、えーとクッチャ、今日は僕に取材でクッチャきたんですよね。僕が迷惑系撮り鉄してた時クッチャの。


今から二十年ぐらい前クッチャ、闇バイトの人から迷惑系撮り鉄のクッチャ仕事を受けたんですよ。あ、はい。闇バイトの人だとしか知りません。向こうは僕の個人情報持ってますけどクッチャ。


それでですね、電車を撮りに行った訳です。クッチャ、え?何ですか?電車を撮影してお金になるのかですか?


クッチャ、クッチャ、クッチャ。ゴクン。げぇ〜ぷ。


なるんですよ。これが。実は、迷惑系撮り鉄の中には、僕みたいに鉄道好きじゃないけどビジネスで撮り鉄してた奴が結構いたんです。


ほら、迷惑系撮り鉄って、電車の写真を撮るために、人の家の畑に踏み込んだりしてたじゃないですか。あれ、実は逆なんですよ。私有地に乗り込む理由として、撮り鉄の真似事をしてたんです。


僕がやっていたのは、一種の地上げ屋なんです。線路近くに粘り強く住み続けるジジババに嫌がらせをして出ていって貰う為に撮り鉄のフリをしてたんです。


実際、有効な手段だったでしょ?当時誰もこれが地上げの為にしていたなんて思わなかった。頭のおかしい撮り鉄が迷惑行為をしていたとしか考えず、正しい対処が出来なかった。警察に捕まったり、ネットに晒されたりしたのは、僕達に釣られて一緒に撮影しに来た本当に頭が残念な人ばかりです。


…まあ、実は僕も三回ぐらい警察や私人逮捕系の奴に捕まりましたけど、闇バイトの人から貰ったマニュアル通り、『電車が撮りたかった』と大声で叫び続けてたら闇バイトの事はバレず親の所へ帰して貰えました。


それに、電車って決まった時間に来るじゃないですか。決まった時間に特定のアングルでの撮影写真を送る事で、闇バイトの人達も僕達の仕事、私有地をきちんと踏み荒らしてるかが確認できたんですよ。


罪の意識?あるに決まってるじゃないですか。コンビニ店員が廃棄弁当を見てる時、セールスマンが割高な商品をお買い得と言ってる時、そして貴方が今こうして僕の昔の罪を暴いてるのと同じぐらいには悪い事をしたなと感じてます。


でも、良い事をしたとも思ってます。僕が迷惑系撮り鉄をした結果、駅沿いの開発が進んであんなマンションが立ったんですよ。ほら、あそこにあるでしょ?あそこ元々は老夫婦の家と大根畑しか無かったんです。元から住んでた老夫婦のその後?さあ、知りません。多分もう死んでるんじゃないですか?寿命で。気にするだけ無駄ですよ。貴方だって、僕がこの先どう生きて行くのか、同情したりしないでしょ?


やめて下さいよ?僕を今ここで殴るとか、警察に突き出すとか本名晒すとか。そういう約束だったでしょ?僕は報酬を受け取らない。君は僕に手出ししない。そういう条件で取材に応じたんです。僕、生活保護受けてるから、何かあったら直ぐに役場が動いてくれますよ?


それで、他に聞きたい事はあります?もう十分?じゃあ、本日はそういう事で。


あ、あの。来てくれてありがとうございます。人と沢山話して仲良くなったの、とても久しぶりなんです。あー、そうだ。牛丼!まだちょっと残ってるから…、あ、いらないですか。す、すみません。






お腹痛い。



この物語はフィクションです。

実際の撮り鉄、闇バイトとは関係ありません。

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― 新着の感想 ―
うわ、胸クソ…………。 これで「魔女を参考にキャラを作ってみた(感想返信)」って、魔女に対する風評被害以外の何者でもないよ…………。いや、そういうキャラクターもいるだろうけどさ。 この会話で「仲良く…
ただの電車好きが行き過ぎて‥‥‥‥と見せかけて、実は地上げの手伝い。 フィクションと受け取るには、本当にありそうな闇バイトだと感じました。 この取材対象の男からは、不愉快な要素の塊が服着て歩いている…
人並みの罪悪感を持ちつつも、悪い仕事に手を染め、荒んだ生活を送る…。 語っている彼そのものが“闇”といえるな、という感想を抱きました。
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