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1506年 猿掛城の内情とおにぎり

 日が沈むと平時は19時くらいには眠りにつく。


 日が沈んでからはロウソクに火をつけ、その明かりで勉強をしていたが、流石に見えづらいために直ぐに就寝ということになってしまった。


 私も自室に戻るが、昨日から床にゴザを敷いて眠るのは辛いので、未来の自室の部屋のベッドから布団と掛け布団を敷いて眠りにつくのだった。





 翌朝、19時に眠ったので日の出前に目が覚めて、未来に戻り、顔を洗って準備をし、軽くラジオ体操をした後に拭き掃除を行う。


「朝からご苦労」


 若い武士の方が通路を通るたびに挨拶をして朝食を食べて正午まで掃除を続ける。


「ふぅ……猿掛城の内情がわかってきたけどお城というより砦だね」


 未来だと城と言えば世界遺産の白い壁の姫路城がパッと思いつくと思うが、そう言う立派な城が出てくるのは江戸時代からで、戦国時代中期……信長が産まれても無い頃の城と言えば山城で、砦を大きくした物という感じである。


 しかも猿掛城は小さな山城なので本丸に城主である松寿丸様が住んだり政務を行う建物があり、二の丸、三の丸は武器庫があったり使用人が住む小屋……杉殿が住んでいる離れも二の丸にある。


 やたらと○○丸という防衛陣地があり、道を下ると寺丸という猿掛城直轄の寺があり、松寿丸様のご両親のお墓も寺丸にあったりする。


 そして更に山道を下ると城下町に繋がっているが、城下町とは言え家臣達の家が数軒あるだけで栄えているとはとても言えない場所である。


 私が松寿丸様の本丸の本殿の倉庫の中とは言え部屋を与えられているのは普通に凄いことであると考えられる。


 まぁ部屋の広さは4畳程度であるが……。


 杉殿曰く


「この城だと兵を詰めても300人も詰められれば良いくらいの広さしかありませんからね……弘元様もここに比べれば広かった吉田郡山城に比べると守りも薄く、不便で気分は良くなかったのでしょう。私も最初にこの城に移住した時は不便だと思いましたがね」


 じゃあ拡張することはできないかと言うと残念ながらそんな予算が毛利家には無い。


「商人も殆ど居ませんし、米が作れる場所も限られていますからね……」


「なるほど……」


 毛利弘元は限られたお金を質の悪い安酒に費やしてしまい、更に体を悪くし……という悪循環に陥っていた。


 そんな猿掛城の内情を杉殿から聞きながら勉強をしていた私であるが、休憩の時に一度未来に行くのだった。










 未来に戻った私は近所の宝くじ売り場に母親と一緒に行くと、1等の宝くじであることが確定し、そのまま銀行に移動して私の口座が作られて12億を手に入れた。


 神様様々である。


 まぁ口座を2つ作られて私が自由に扱える口座は1000万の入った普通口座であるが……。


 あと私は母さんに聞いたら9歳なので口座を自由に扱う為には15歳まで待たないといけない……のだが、コンビニのATMを使えばお金を下ろすことができる。


 認識阻害が効いているっぽい? 


 私的には自由に1000万が使えるのでありがたいが。


 私は早速10万円を下ろして財布に突っ込み、買うべき物を考える。


 ちなみに実験で別の場所で過去に戻ると自室か最後に空間を開いた場所のどちらかに移動することができるか選べることが判明した。


 いきなり居なくなったり、現れたりするのを目の前で見ていた杉殿は


「奇妙な物ね……」


 と言われてしまった。


 ちなみに杉殿にはお土産でコンビニで買った飴を渡すと凄い喜ばれた。


「甘くてまろやかな味わね……未来ではこれが安価で買えるって凄いわね……でもこの飴を1袋私が貰ってもいいの?」


「はい、松寿丸様の分も買ってありますので……あとまた未来に戻ってある物を買ってこないと」


「ある物?」


「戻ったら見せますね」








 私は未来に戻り、電気屋に行くとソーラー電池タイプのランタンライトを購入し、戦国時代に戻った。


 1万円もしたが、必要経費として割り切り、これを杉殿に見せると


「なんですこれは?」


 そう言われて、私がスイッチを押すと強い光を放ち、ライトを触っても熱くないのに驚いていた。


 直ぐにスイッチを消して日の当たる場所に置いて充電する。


「未来では光を小さな箱に閉じ込めることができるのね……凄いわね」


「壊れたら再び購入しないといけないので私では修理することもできないんですけどね……」


 そんなことを話したが、これで夜も松寿丸様と勉強することができるのが大きい。


 夕食後、松寿丸様と一緒に勉強を始め、暗くなってくるとライトを付けた。


「わわ!? 凄い光が!?」


「これは未来ではライトと呼ばれる光源を生み出す道具で……昼間に太陽の光を蓄えて夜に光を放出することができるのですよ」


「へぇ……未来には天井が明るくなることもあれば、小さな箱の様に光を生み出す道具があったりと凄まじいのじゃ」


「これで夜でも勉強をすることができますね!」


「確かに! これだけ明るければ勉強も捗るし、近づけても熱くないから燃えることが無い! 素晴らしいのじゃ!」


「じゃあ今日もお風呂に入って……夜食を準備しましたので夜も勉強するとお腹がすくと思いますのでそれを後で食べましょう」


「気持ちよくなるのじゃな! お風呂! お風呂!」









 未来で松寿丸様とお風呂に入ってストレッチをして私がコンビニで買っていたおにぎりを持っていって戦国時代に戻り、勉強を始める。


 松寿丸様は流石ゲームで知略が100に設定される謀神なだけあり、数え年で10歳……現代だと私と同じ9歳ながらいろは歌を直ぐに覚えて、国語の教科書を今日だけで覚えてしまった。


 そして私は今日漢字ドリルを持ってきていた。


「これは?」


「漢字を覚えるための道具になります。この書には簡単な漢字が200文字載っていますのでこれを覚えていきましょう! これが覚えられると未来の簡単な物語を読むことができますので」


「おお! 未来の書物が読めるようになるのか! それは沢山覚えなければいけんのぉ!」


「この時代の漢字と同じ物も多いので覚えやすいと思いますよ」


 そう言って漢字ドリルを松寿丸様は取り組み始める。


「確かにこの漢字ドリル? という書物は覚えやすいな。例文もあるから使い方を確認しながら覚えることができるのじゃ」


 松寿丸様の凄い事は勉強に対して苦手意識が全く無く、楽しんでやれる点だろう。


 史実でも多くの書物を読んで和歌や連歌で絶賛される松寿丸様なので物語を読むが楽しくて仕方がないのだろう。


 2時間熱中し、いつもなら寝る時間になっても勉強を止めようとしなかったが、寝る時間を崩すのは体調が崩れてしまうのでここで勉強を一旦辞めてコンビニおにぎりを渡していく。


「にぎり飯か……ん? 黒いのはなんなのだ?」


「これは海苔という海藻を加工した食べ物で塩っけがあって美味しいですよ」


「ほうほう……あむ……ん!? これは梅干しか!」


「はい、馴染みある食べ物が良いと思い梅干しおにぎりにしましたが」


「なんじゃこれは! 米が滅茶苦茶美味いぞ! いつも食べている米と比べ物にならんくらいだ!」


「未来の米はここまで進化しているんですよ……将来的にはこちらでも未来の米を作れるようにしましょう」


「ああ、この米が毎日食べられるようになりたいものよ……あむ……うむ! 美味い!!」


「まだまだありますからね」


「おにぎりの表面の透明な袋はなんだ?」


「これはビニールといって食べられませんが汚れから食材を守る役割があります。美味しく保つ為の未来の工夫ですよ」


「ふむ……これはなんと書かれているのだ?」


「鮭と書かれています。松寿丸様は鮭をご存じで?」


「漢字からして魚なのだろうが食べたことが無いな」


「東北で取れる川魚で橙色の身をしているのですよ」


「ほう? ……うむむ!? 梅干しも美味かったが……これが鮭か! こんな美味い川魚がいるのか!?」


「普通の川魚は泥臭いですが、鮭は海を回游しますので泥臭い味が無いのですよ」


「ほぉぉ!? 未来の食事恐るべし……美味い料理とはこれほど気持ちが昂るのだな」


「はい、実は食事の美味さによって強い軍隊になった国が天竺よりも遥か遠く……フランスという国があったりしますよ」


「食の美味さが兵の強さに?」


「もう今日は夜遅いので明日の議題にしましょうか」


「是非とも教えてくれ!」


 今夜も松寿丸様と楽しい夜になるのだった。

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