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歴女JK謀神の子供を産む  作者: 星野林


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1517年 彩乃怒る ばんえい馬

 パンパン


 2回の張り手が部屋で響いた。


「おい、馬鹿息子達、なんで無断で戦に行った」


 目の前にいつもニコニコしている母親の彩乃は居らず、般若の様に怒りで顔が真っ赤になっている母がそこに居た。


「「ご、ごめんなさい……」」


「なんで私が怒っているか分かる?」


「か、勝手に出陣したから?」


「だ、誰にも言わないで城を抜け出したから?」


「それもある! だけど手柄を立てれば許されると思っている浅はかな考えに私は苛ついている!」


「「え?」」


「まず勝手に出ていった事で城中大騒ぎよ。教育係の国司元勝は切腹寸前まで行ったのよ……まず謝るべき人に謝ってない! それは凄く良くない!」


「次に勝手に合戦に参加したことで兵達も少なからず動揺したでしょう。今回は2人が無事だったから良かったけど、怪我をしたり、死んでいたら現場の責任者が腹を切らなければならなくなる多くの人に迷惑をかけるでしょ!」


「3つ目賢太郎、小次郎は長男、次男。他の子の見本とならない立場で他の子が真似してみなさい。直ぐに討死してしまうわ! あなた達は将として兵を率いる立場、未来だと悪い言い方になるけど、命の価値が他の人よりも重いの。あなた達に何かあれば領民が困ることになるのよ! 責任があなた達にはついて回るの。軽率な行動は慎みなさい!」


「「は、はい!」」


「自由に動くは元服してから! 元服したら自分が考えて幾らでも動いて良いから……それまでは子供なの! 分かったら国司元勝にまずは謝ってきなさい!」


 いつも怒らない人物が怒ると凄いショックを受けるもので、笑って許されると思っていただけにぶたれるし、泣いて叱られるとは思ってなかった。


 それだけに心に来るものがあり、2人は猛省する。


「剣術や槍術も楽しいけど……将としての勉強をもっとしよう……兄上」


「そうだな小次郎……母上に泣かれると思わなかった……考えが幼稚だったな……多くの者に迷惑をかけた……まずは国司元勝に謝りに行かねば」


 国司元勝の居る部屋に入ると、国司元勝は白装束で短刀を目の前に置いていた。


 ゴクリと生唾を2人は飲む。


 返答次第で本当に国司元勝が腹を切ってしまいそうだからだ。


「賢太郎様、小次郎様……誠に申し訳なかった……この国司元勝、本来であるならお二人が戦に出なくて済むように動くべきであった。しかし、お二人の活躍で乱は未然に防がれ、お二人の武功は内外に広く知られることになるでしょう……しかし、初陣が粛清であるというのはあまりにも体面がよろしく無い」


「そんな初陣を飾らせてしまったこの国司元勝、責任を取り、自刃させていただく」


「早まるな! 悪かった! 私達が軽率に動いてしまい本当に悪かった!」


「頼むから腹を切らないでください元勝!」


「いえ、これは守役としては失格です。私が腹を切り、別の人に守役をやってもらうが適任でしょう」


 短刀を持とうと国司元勝がし始めたので賢太郎は即座に短剣を蹴り飛ばし、再度早まるな、私の守役はそなたしか居ないのだから……悪かったと泣きながら死なないでくれと懇願する。


 終いには当主命令で自刃を認めぬと言い放ち、国司元勝は諦めたが、必死に止めるために国司元勝に抱きついて泣いていた2人は泣きつかれて国司元勝の膝の上で眠ってしまった。


「全く……初陣で渡辺殿を討ち取った若様と弟君様にはこの姿では見えませんな……」


 すると扉が開き、彩乃が入ってくる。


「(国司)元勝殿、大変な役回りをさせてしまいましたね」


「いえ奥様、私は大変嬉しく思います。若様達にこれだけ必要とされていると思えて……もし必要とされていなかったり、上辺だけの言葉であれば本当に腹を切っていました。良き武者になられた」


「そうですか……それは元勝殿が2人を大切に育ててくださったお陰ですよ」


「奥様にそう言ってもらえると私元勝も嬉しく思います。これからはもっと若様と弟君様には毛利……いや、更に大国を導く者へと成長させてみます。必ず!」


「頼みましたよ元勝殿」


「は!」








 叱る時は叱るが、褒めるべきは褒める。


 武功を立てたのは事実であるため、私は頑張っている賢太郎や小次郎、それに元就様に対してプレゼントを用意していた。


 馬である。


 20歳になった私は収入的に問題無いと判断し、ばんえい競馬の馬主登録をし、ばんえい馬を購入してきたのである。


 認識阻害の影響か、購入したばんえい馬を戦国時代に持ってきても未来ではとやかく言われることは無く、いつの間にか用途変更で食肉になった扱いになっていた。


 ばんえい馬はだいたい1頭200万くらいで、それ以下は食肉業者が買ってしまう為に安い馬は特に残らないのが現状である。


 とりあえず2千万で8頭(オス3頭、メス5頭)ほど購入をした。


 戦国時代に連れていくと、いきなり現れた巨大な馬に皆騒然となり、私が神通力で連れてきたと言うと崇められた。


 正直サラブレッドは戦国時代に適した品種とは言えないし、べらぼうに高い為、ばんえい馬にしたが、大人しく勇敢な性格、在来品種に比べて2回り以上巨大な体、物を引っ張る力も凄く、人に従順と暴れ馬を好むと言っても体を預ける武将達も自身が制御が出来て初めて愛馬となる。


 なので従順だが勇敢のばんえい馬は戦国時代にピッタリの品種であった。(ばんえい馬と言っているが、正確には日本輓系種)


「デケェ……」


「大きいのぉ……」


 元就様は身長が180センチもあり、将来的には賢太郎や小次郎もそれぐらいの背丈になるだろうし、元就様が普通の馬に乗るの1回の合戦で乗り潰してしまう為にパワーが有って頑丈な馬を欲していたのである。


「繁殖させて増やしていくしか無いけど良いかな?」


「どんどんやるのじゃ! 馬小屋のある曲輪を整備しなければならんな!」


 と元就様も大喜び、ちなみに購入した馬達はまだ2歳なので繁殖可能になるのは来年から。


 未来では品種が残っていないが、戦国時代には馬体が140センチ以上の中型馬(日本では大型馬扱い 世界基準だと中型馬)の品種も残っており、そういう馬とはばんえい馬も繁殖が可能であった。


 なので元就様は宍戸家との更なる融和策として毛利家と宍戸家の国境付近で牧場を建設してそれぞれ繁殖するという手を打った。


 最初元就様から凄い馬を手に入れたから一緒に繁殖しないかという話を聞いた当主の宍戸元源は最初はそれほど期待していなかったが、実際に巨大な馬体を見ると大興奮し、備後や幕府とも繋がる伝手を使い、良質な繁殖牝馬を集めるのであった。


 元就様も牧場に投資をして翌年から100頭以上の馬を増やしていき、将来の毛利騎馬隊の原点となるのだった。

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