神の視点
『やぁ神様だよ』
『歴史にあんまり詳しくない傍観者の神々にもわかりやすく毛利元就が10歳までの流れを私なりに解説しようか』
『まずはなぜ私が毛利彩乃を毛利元就の妻にすべく送り出したかについて話すと……大雑把に言えば日本を救うためだ』
『傍観者の神々で人気のある織田信長……革新性を持ち、天下統一あと一歩まで到達した傑物であるが、それでは遅い』
『諸外国の脅威を身近に知っていて海外とのパイプがあるという点では傍観者の神々の間ではマイナーな部類の大内家と呼ばれる北九州から中国地方西部に覇を唱えた巨大勢力があったのだが、かの大名が天下統一を果たしたところで室町幕府の二の舞となり、諸外国からの侵攻を防ぎ切ることが難しい』
『となると大内に関係のある大友氏、龍造寺氏、幕府を内部から変えられる力を秘めている管領細川氏、戦国時代で幕府に変わって中央政権を実現した三好氏の4勢力でも歴史を変えうる力を秘めているが……それぞれ大きな欠点を有している』
『まず大友氏は北九州の大名であるが、嫡男の大友宗麟が日本の土着宗教が嫌いなのと酷いNTR癖があり、家臣の奥さんを平気でレイプするヤベーやつである』
『能力はピカ一なのだが制御出来るような女傑もしくは大友宗麟に変わって大友家を制御できるような魂が見つからなかったので今回は見送った』
『次に龍造寺であるが、少弐氏という北九州の大名の家臣という立場なのと少弐氏の家臣団抗争で龍造寺氏の男系は一度ほぼ断絶する事があり、良さそうな魂があったが男子を送り出しても幼子で粛清されるか、龍造寺が膨張を始めた頃では島津が強すぎて家としての成長限界が見えているのでボツ』
『細川氏は細川晴元という人物を制御するか成り代われば日本は50年近く早く天下統一出来る勢力が現れると思うのだが、そんな傑物の魂が見つからなかったので断念』
『で、成長力と大内の基盤を引き継ぐことが出来る毛利と近畿最大勢力になる三好が選択肢に残り、毛利元就に良き理解者を与えることができれば日本が良き未来に導けるのでは無いか……ということと、毛利元就の子出しの値が戦国時代でも類を見ないくらい優秀であるというのに私は掛けた』
『ちなみに毛利元就の子出し……優秀な子供が産まれる確率であるが、織田信長が3、豊臣秀吉1、徳川家康が6、少しマイナーだが島津貴久(島津四兄弟の父親)が9……これと同等の9という値を毛利元就は持っている。これ神視点でのマスクデータね』
『で、毛利彩乃は元々子出しの値が9だったので将来凄い子供が産まれるから見守ってよと思った矢先に交通事故で亡くなってしまったため、私が上級神に土下座をしてなんとか毛利彩乃の魂を過去に送る権利を手に入れてきた』
『これに私の権能の範囲内でチートを付与して送り出したってわけ……傍観者の神々に長々と説明しているのはなんとか私の奮闘をみてもらって少しでも上級神に支払った賄賂の分の信仰心を取り戻したいって感じだ』
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『わ、わぁ……傍観者の神々の皆さんスパ信仰ありがとう!』
『毛利彩乃を送り出した理由は分かったと思うので、10歳までの毛利元就について少し話させてください』
『毛利元就は安芸国毛利家当主毛利弘元の次男として誕生します』
『毛利弘元の時代は応仁の乱の混乱がようやく収まり始めたが、幕府勢力と大内勢力の二大勢力に挟まれている状態で、大内にとって安芸国は厳島といった軍事的重要地点や畿内に抜けるためには通らなければならない土地であった』
『一方幕府側からは膨張し続け、幕府の管理をしている日野富子(8代将軍の正室かつ9代将軍の実母、10代将軍の後見人かつ応仁の乱の元凶)と細川政元(天狗に成りたいとほざき、独身を貫いた狂人 別名半将軍 それだけ権力を持っていた)の2人がキングメーカーとして幕政をコントロールしており、大内と敵対していた』
『そしてこの幕府側に出雲守護の京極家という家があり、その家の後見人として謀聖尼子経久が控えていたが、京極家の守護家が断絶すると武力と謀略を持って出雲を実行支配していた』
『巨大勢力大内と下剋上により自身の才覚で急成長中かつ尼子からしたら安芸国は瀬戸内海への脱出口として見られており、毛利家家臣団は大内に付くか幕府に付くかで真っ二つに割れていた』
『更に毛利弘元は毛利家の政務を担当していた分家の力を削ぐ為に井上一族という国人勢力を取り込んだのだが、この一族が曲者であり、井上一族が大内と癒着していた事で内部から毛利家を牛耳ろうと暗躍』
『それに対抗するために尼子と接触する家臣が続出するという始末でかえって家臣のパワーバランスが崩壊していた』
『そして毛利弘元の心が壊れる決定的な事件が1500年におこる。10代将軍足利義尹が幕臣達のクーデターにより京から追放される事件が起こり、一度畿内で合戦が発生したがクーデター側が勝利し、足利義尹が大内に逃げ込んだのだ。大内氏は再度足利義尹を将軍にするために、幕府は自身の権力を守るために大きな戦が西日本で起ころうとしており、両陣営からの毛利弘元は出陣要請を受けることになる』
『どっちかに立場を表明しなければもう片方の勢力に潰されるという状態が起こり、毛利弘元は毛利元就の兄である毛利興元に家督を譲って若年で隠居することにしたのだ』
『家を割ることで毛利家を存続させる賭けに出たのだが、大内氏は北九州の少弐氏攻めが忙しくなり、畿内に進出する余力が無くなった大内氏を警戒する理由が薄れた幕府は動員を解除。結果毛利弘元は毛利家の中枢から外れてしまい、政治的地位を喪失してしまう。そして毛利元就の実母で正室にも病気で先立たれてしまい毛利弘元は酒に逃げる日々を送る』
『毛利弘元は酒に溺れることで現実逃避をしていたが、気性が荒くなり、酔が酷くなると周りの者が全て敵に見え、遂には息子の毛利元就を認識できない状態が度々見られるようになり、1506年酒毒により毛利弘元は失意の中で亡くなることになる。享年39歳』
『毛利家はこの時14歳の当主毛利興元と10歳の毛利元就、庶子でも男子は幼子が2人居るだけで毛利家の主導権を握れる人物が不在となってしまう』
『毛利元就の立場は多治比の猿掛城城主であるが主流から外れてしまっており、支えてくれるような家臣も皆無という散々な状況下に毛利彩乃を送り込んだ』
『ちなみに毛利彩乃の年齢も毛利元就と同じ10歳にしている』
『毛利元就と毛利彩乃……2人がどの様な化学反応を起こすかは我々神々は見守ることにしよう。きっと面白くなるよ!』