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桜色のネコのおまけ 〜ハル視点〜  作者: 猫人鳥


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迷子

「わぁ~、人がこんなにたくさんの人が集まって……はぐれてしまうかもしれませんね」

「凄い人数ですね。あれ? でもハルさんは毎年来ていたんじゃないんですか?」

「いつもは鳥になって上空から見ていましたから。人として来るのは初めてですよ」

「そうなんですか」


 上から人混みを見るのと、実際にその人混みの中に入るのでは、全く感じ方が違います。

 予想以上の圧迫感! というよりは、賑やかさというべきでしょうか?

 圧倒されてしまいますね。


「とりあえずはぐれないように、手を繋いでおきましょう! 失礼しますね」

「あ、あの、ハルさん……」

「圭君はどの屋台に行きたいですか?」

「えっと、そうですね……」


 圭君と手を繋いで色んな屋台を見て回ります。

 こういったお祭りが初めてだからなのでしょうが、圭君は少し動揺しているみたいです。


 焼きそば屋さんを見ていたので食べたいのかと思ったのですが、あまり興味もなさげにチョコバナナ屋さんを見ていますね。

 たこ焼き屋さんも、お好み焼き屋さんも、並んでいる完成した料理の方ではなく、奥に置かれた材料の方を気にしているようで……?


 これは、おそらくですが圭君は、自分が作れるかどうかを気にしているんだと思います。

 料理上手だからこそ気になってしまうんでしょうね。

 となると、なかなか家では作らないような物がいいですね!

 りんご飴とか、綿菓子とか……圭君なら作れそうですけど。


「あうっうっ、えっうっ……おっ、おかぁ、さん……うっうっ……」

「子どもの泣き声……ですね?」

「どこからですかね? 探しましょう」 


 屋台を見ながら歩いていると、鳴き声が聞こえて来ました。

 声のする方へと行くと、蹲って泣いている女の子を発見しました。

 毎年恒例の迷子さんでしょうね。


「どうかしましたか? 大丈夫ですか?」

「うっうっうえぇ……うっ、あっ、のね……おっ、おかーさんっ……いなくなって……うっ……」

「大丈夫ですよ。お母さんは私が見つけて来ますから、安心して下さい」


 私もしゃがんで高さを合わせ、泣いている迷子さんを抱きしめます。

 急に知らない人に抱きつかれる事を怖がる子もいますが、この子は大丈夫そうです。

 頭や背中を撫でてあげると、少しは落ち着いたようで、泣き止んでくれました。


「お名前言えますか?」

「まっ、まな!」

「まなちゃんのお母さんの特徴とか分かりますか?」

「えっ、とっとく……ちょ?」

「今日のお母さんは、何色の服を着ていますか?」

「しろっ! あのね、おとーさんがまなのといっしょにえらんでくれたの……まなもおかーさんもきれいだねーって」

「それは素敵ですね。まなちゃんの今日の浴衣、とても可愛いくて似合ってますよ」

「えへへっ! ありがとう、おねーちゃん!」


 浴衣を褒めてあげると、嬉しそうに笑ってくれました。

 明るく人懐っこい子のようですし、ちゃんと私の質問に答えてくれます。

 これならお母さんの特徴もすぐに教えてくれるでしょう。


「まなちゃんの浴衣は、ピンク色に赤色や白色の大きなお花が入っていて、とっても可愛いですね。お母さんのは、白色に何色のお花が入っていましたか?」

「あのね、あおとかむらさきがいっぱい。でね、おはなもちっちゃいのがいっぱいなの」

「なるほど~! じゃあ、お母さんは髪は長いですか? 短いですか?」

「ながいよ! まなもおんなじくらいあるの。よくまなと、おそろいのかみにするんだよ」

「今日もおそろいですか?」

「うんっ!」


 今日のまなちゃんは、長い髪が綺麗に編み込まれている、お嬢様のような髪型です。

 私は髪型にあまり頓着がありませんので詳しい事は分かりませんが、この髪型は結構作るのが大変なのではないでしょうか?

 それがお母さんもおそろいとなると、お母さんの髪を結ったのはお父さん?

 きっと仲良し家族さんなのでしょう!


「分かりました。じゃあ私がお母さんを探してくるので、まなちゃんはこのお兄ちゃんと一緒に待っていてくれますか?」

「うんっ!」

「圭君、お願いしますね」

「あ、ハルさん。ちょっと待ってください」


 圭君にまなちゃんを託して探しに行こうとすると、圭君は慌ててメモ帳に電話番号を書いて渡してくれました。


「とりあえずお母さんを見つけたら、1回連絡して下さい。お母さんが携帯を持っているといいんですけど」

「おかーさん、けーたいもってるよっ!」

「それなら大丈夫ですね」


 これなら先に安心してもらう事が出来るんですね。

 流石は圭君です!

 私はあまり連絡手段を持ち歩かないので、そういう発想は抜け落ちていました。


「圭君、ありがとうございます。では行ってきますね」

「はい、お願いします」


 圭君とまなちゃんに手を振って、人気の少ない山の中へと移動します。

 ここまでくれば、誰にも見られる事なく鳥に化けられますからね!


 では、まなちゃんのお母さん探しを開始しましょう!

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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