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桜色のネコのおまけ 〜ハル視点〜  作者: 猫人鳥


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20/32

相違

 起きてから、軽くパトロールをして圭君のお家に向かいます。

 圭君はベランダの戸を開けて、網戸だけがしてある状態にしてくれているので、鳥に化けている私はくちばしを使って室内に入る事ができます。


「おはようございます、圭君」

「おはようございます、ハルさん。今日のお昼はキャベツチャーハンです」

「ありがとうございます」


 いい香りがするとは思っていましたが、当たり前のように私のお昼ご飯も作ってくれていました。

 シャキっと感じるキャベツと、ふわっとした卵が使われている、彩りも鮮やかでとても美味しいチャーハンです。

 一緒に出してくれたスープは、色んな食材を何時間も煮込んで作ったかのような濃厚な味でしたが、即席との事でした。

 圭君は本当に料理上手ですね!


 お昼ご飯を食べ終えると、圭君はこれまた当たり前のように食器を片付けようとしたので、そこは私が浄化の力を使わせてもらいました。

 お世話になりすぎるのも申し訳ないですし、これくらいの事はやらないとです!

 でも圭君は、そういう事は気にしなくていいとばかり言うんですよね……


 しかもクッキーの作り方を教えてもらう予定だったのもあって、自分の勉強はそっちのけで教えてくれようとまでしました。

 流石に勉強の邪魔まではしたくないので、作り方だけ教えてもらって、圭君には勉強に戻ってもらいましたが、事前に準備していたと思われる作り方のメモまでくれて……至れり尽くせり過ぎますね。


 えーっと、まずはオーブンの予熱ですね!

 使い方は……『解析』っと! なんかいけそうです!

 機械系は知らないものでも解析すれば使えますからね。

 久しぶりにこの力を使いましたが、特に何の問題もなく使えて良かったです。


 次はバターとグラニュー糖を混ぜるんですね!

 バターはポマード状に、ですか……

 圭君が冷蔵庫から出して室温にしておいてくれたみたいですが、まだ少し固いです。

『温度調節』……うん! いい感じだと思います。


「ハルさん? 大丈夫そうですか? バターとか、もしかしたらまだ少し固いかもしれないので、少しだけレンジで温めたりとか……」

「いえ、大丈夫ですよ! ちゃんとポマード状だと思います!」

「それなら良かったです。何かあればいつでも呼んで下さいね」

「はーい」


 なるほど、レンジで温めれば良かったんですね。

 ちょっと力に頼り過ぎていたかもしれません。

 本来はそんな力を使わずに作るものなんですし、私もそうしましょう!

 目指せ圭君です!


 卵とふるった薄力粉も加えて、絞り袋に入れます。

 口金で円を描くように回しながら絞って……そこそこ綺麗に出来たのではないでしょうか?

 後は焼くだけですね。


 焼いている間に、使わせてもらったキッチンを浄化で綺麗にしておきましょう。

 今回は使っていませんが、コンロや換気扇も浄化しておきます。

 一応圭君に、片付けはやるからそのままにしておいていいとは言われていましたが、そういう訳にもいきませんからね。

 ついでにあそこに積んである洗濯物も浄化しておきましょう!


ピーッ! ピーッ!


「圭君、出来ました。どうぞ」

「ありがとうございます、いただきます。凄く美味しいです。これで勉強も捗ります」

「それは良かったです」


 遂に自作のクッキーが完成しました。

 焼き上がりをお皿に移して圭君のところへ持っていくと、圭君は優しく笑って食べてくれました。

 それに美味しいと言ってくれて……自分が作ったものが人に喜んでもらえるのって、こういう気持ちになれるんですね。


「この絞りクッキーは特に何のアレンジもしていませんが、明日は少しアレンジしてみますか?」

「アレンジですか?」

「ジャムを入れて焼けばジャムクッキーになりますし、生地にココアやチョコを混ぜればチョコ味にできますよ。ただチョコ味は生地が分離しやすくなりますし、絞る時も少し固くなって難しいですけどね」

「なるほど~、クッキーは奥が深いんですね」


 確かにこの間買ったクッキーも、色んなものがありましたからね。

 ジャムやチョコの味があるというのはいいですね。

 皆それぞれ好みも違いますし。


「絞りクッキー以外にも、型抜きのクッキーや、冷蔵庫で固めながら作るアイスボックスクッキーとかもありますよ」

「いろんな種類があるんですね」

「そうですね。ハルさんは覚えるのも早いですし、沢山作ってみて下さいね」

「ありがとうございます。早く覚えて、皆を喜ばせたいです」

「あの、皆って?」

「私の大切な友人達です。勿論、圭君も」


 私がそう言うと、圭君は何故か急に目を逸して、胸を押さえていました。

 どうしたのでしょうか?


「圭君?」

「あ、ありがとうございます。楽しみにしていますね」

「はい。でも教えてくれているのは圭君ですよ?」

「僕は基本的な作り方を教えているだけなので、慣れてきたらハルさん流のアレンジ加えて、ハルさんのオリジナルクッキーを作って下さいね」

「なるほど~、考えておきますね。ではそろそろお暇します」

「クッキー美味しかったです。ありがとうございました。また明日も来てくださいね」

「はいっ!」


 圭君がベランダの戸を開けてくれるので、私は再び鳥に化けて飛び立ちました。

 クッキー作りもなかなか上々だと思いますし、この調子で皆に喜んでもらえるものを作りたいと思います。

 何より圭君は"また明日"と言ってくれたんですからね。

 お言葉に甘えて、明日もお邪魔させてもらいましょう。

 

読んでいただきありがとうございます(*^^*)

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