表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/48

第17話 結局、喧嘩の原因ってナニ?

 無事に家に辿り着いて自分の部屋に入ると、そこにはルージュが腕組みして仁王立ちしていた。


「やっと帰ってきたわね。待ちくたびれちゃったわ」

「ん? 何かあったのか?」


「おおありのありよッ! 神器セイクリッド・アームズのことをスカーレット様に話したら怒られちゃったじゃない!」


「それは気づかなかったお前が悪いんじゃあ……」

「そんなことはよろしい」


 あ、誤魔化した。


「ってお兄ちゃん、神人しんじんになっちゃったのね」

「ああ、鬼の大軍に襲われたもんでな」


 その言葉にルージュはハーーーーーーッとわざとらしい大きなため息をつく。


「お兄ちゃんの光子力ルメスじゃ、たいして力を振るえないでしょ。神人しんじんよりも魔人まじんになった方がいいって言ったじゃない……」

「ゆーても咄嗟だったからなぁ……」


 神器セイクリッド・アームズのためとは言え、護ってもらっている以上、俺が何もしないのは仁義に反する気がするのだ。


 じんぎだけにな。


「そんな違うもんなのか?」

「もうゾウとミジンコくらい違うわよ。お兄ちゃんはそれだけすごい黒子力ダルクを持ってるの」


「でもお前ら魔神デヴィルって神に叛逆した悪いヤツなんだろ?」

「そんなこと、誰が言ったのよ?」


「セピアの上司の天使だな」


 それを聞いてルージュは再び大きなため息をつくと言った。


「そりゃ、そう言うでしょうよ」


 確かに正義の反対は悪ではなくもう一方の正義だ。俺が今話したことは神や天使側の一方的な言い分である。魔神デヴィルには魔神デヴィルの言い分があるのは当然だろう。


 俺は魔神デヴィルであるルージュの話を聞く義務がある。

 俺のモットーは公明正大なのだ。


「で、魔神デヴィルはなんで神様と敵対してんだ?」

「まぁ、かつての大戦で敗北して宇宙の覇権を神に握られたんだけど、最上級魔神の方々がそれを良しとせずに抵抗しているだけだよ。要は向こうが躍起になってあたしたちを滅ぼそうとしているって訳。滅ぼされないために戦っている魔神デヴィルが多いんじゃないかな」


 それを聞いて俺は神話のことに頭を巡らせる。

 魔神デヴィルって天使が堕ちた存在なんだよな?

 所謂いわゆる堕天使だてんしってヤツだ。

 ってことは最初は魔神デヴィルなんて存在しなかったんじゃないのか?


「その大戦?ってヤツ以前はどうなんだよ。最初から魔神デヴィルが存在した訳じゃないんだろ?」

「流石に昔話過ぎて分かんない。原初の魔神デヴィル――魔神デヴィルの中の魔神デヴィルのルシファー様が神に叛逆したと言うことしか知らない。あたしなんてまだまだ弱輩者だしね」


「へぇ……。何か気に喰わないことがあったのかな? それに神様ってぇのも随分と不寛容なんだな」

「器が小さいわね。確かに最上級魔神の中には単に宇宙の覇権を握ろうと言う野望だけで動いている方もいるみたいなんだけど……」


「なんだ。徹底抗戦派もいるんだな。そういやセピアも言ってたぞ。最近、魔神デヴィルが世界の理を改変したって」

「あれは、今の世界に存在するバグを攻撃しただけよ。宇宙の脆弱性をついただけ。そしたら結果的に鬼が大量発生する事になったの。そんなことになるとは思わなかったんじゃないかな」


「なんだ。狙った訳じゃなくて、藪をつついたら蛇が出たってだけか」


 俺の印象では、魔神デヴィルの多くが神に盾突いているって感じだったんだが、そうでもないのかも知れないな。平和を望んでいる魔神デヴィルも中にはいるのかも知れない。でも神がそれを許さないのなら、もう戦う道しか残っていないように思えるが。俺が腕組みをして何やら考え始めたのを見たルージュは何やら思い出したように口を開いた。


「そんなことより、ご飯食べるでしょ? 今用意するね」


 てか魔神デヴィルがそんなこと呼ばわりしていいのか……?

 俺のめしよりどうでもいい神と魔神デヴィルの対立って一体……。


「ああ、ありがとう」


 俺は、何だか複雑な気分で頷いた。なんか主婦業が板についてきたな。ルージュ。見た感じ、部屋の掃除もしてくれているようだし、俺のいない間もしっかり家事をこなしているのか。俺はソファに座って、お昼の情報番組を見るルージュの姿を幻視した。


 もう主婦だろ。これはもう分かんねぇな。

 ルージュがテーブルに料理が並べていく。


 見た感じ、お店でお惣菜を買って並べただけとかそう言うものではなく、手料理感が満載の晩御飯であった。

 なんだかんだ、ありがたい存在である。

 世話になりっぱなしで、もう完全に情が移っちゃったな。


「さぁ、召し上がれ!」


 その言葉を合図に俺は料理に手を伸ばした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ