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気ままな嵐

『それにとっては全てが善であり、正しい事をしていると思い込んでいる』

『そして、それの周りは常に嵐の中に居るかのように振り回される』

『止める手立ては数少なく、効果があるのか……』

『それではまたどこかで…』

「大精霊様!お待ちしておりました」

「もー、レーちゃんったらいつもの口調でいいっていっつも言っているじゃないの〜

 まあ、そんなレーちゃんも可愛いけれど…ああごめんなさいね〜」

「ああ、いえ別に…と言うより僕はこの畑の管理者?じゃなくて僕の父上が「あらそうだったのね?早とちりしちゃったわ」」


 言い切る前に返答が来る。

 大精霊はキョロキョロと辺りを観ながら答えていると言う事はそこまで管理者については詳しく聞かなくていい事なんだろうか?


「あ、居たわ!貴方と似た魔力見つけたわよ!挨拶してくるわね着いてきて!」

「え、ちょっとま


 腕を掴まれて少しすると身体が重力から解放されて次の瞬間には空を結構な速度で飛んでいた…。

 一瞬の出来事で気を失う瞬間、中精霊さんとシャードが追いかけて来るのが見えた様な気がし


















「…ス………、起き…マス……マスター!」

「うう……ここどこ…さっき空にいた気がする……ぅう」

「おお良か…いや良くわねぇが気がついて良かった」

「いやぁ、すまねぇ坊、大精霊様が無理させたみたいで」


 少し起き上がるのが辛いから顔を動かすとどうやら家では無いが建物の中の様で感じ取った魔力からして村のどこかにいるようだ。


「はは、いきなり空に飛んで感じたことがない速度だったから気絶しちゃったよ……て言うかよく身体とか壊れなかったよねぇ…」

「まあ、咄嗟だったが俺が魔力で守って少しの間だったがマスターの中に入って自己防衛しておいたが中精霊が居なかったら風で下手したら凍えていたかもな」

「ええ……情報が多いよ……」

「ヴェス起きたか」

「あ、父上…」


 ドアが開き、少し気疲れしている父と先程と変わらない雰囲気でニコニコしている大精霊が入ってきた。


「あら、良かったわ〜気絶しちゃってて驚いたけどやっぱり人って丈夫なのね!」

「大精霊様!そうじゃありませんよ!大精霊様はもう少し力を抑えることを覚えてください!」

「もーレーちゃんってば怒っちゃって〜」

「精霊王様に聞かれても知りませんよ」

「はい、ごめんなさいするからその時は助けてちょうだいよ〜」

「ならば、早く坊に謝って許してもらってください」

「はーい♪ごめんなさいね、私ってば思いついたら即実行しちゃう精霊だからつい力の制御怠っちゃうのよね〜」

「はあ…まあ、次からはもう少し抑えてもらえると助かります?」

「坊、こう言っちゃなんだけどもう少しキツく言っても良いし何なら少しくらい何か要求してもバチは当たらないってもんだ」

「そう言われてもなぁ…」

「とりあえず今日は家に帰ってゆっくり休むといい、立てそうか?」


 父にそう言われたが、未だに腰が抜けたのか全く立てそうにもましてや歩く事もできそうに無い。

 結構鍛錬してきたが、まだまだ未熟か……。


「そうか、じゃあ少し待っていてくれ、組合の仕事を終わらせてくるから」

「うん、分かった、お仕事頑張ってね」

「父上殿、俺がおぶって帰りますよ」

「…そうか、なら頼む」

「かしこまりました!」

「ならあたしも少し手伝うかね」

「なら私も!「「ダメです」」はーい」


 中精霊さんが風で少し浮かせてシャードが背負ってくれた。

 あまり意識していなかったがシャードは少しひんやりしている。

 悪魔だからなのか、それとも影を使うから日陰ということで涼しいのだろうか……。


「よしっと、それじゃあ行くか」

「シャード、中精霊さんありがとう」

「俺はマスターの従者だからな、これくらい当たり前だ」

「これくらい礼を言われるまでも無いことさ」

「それじゃあ行きましょうか」




 村にはこの前子守で来たが何も変わったことがない様で……まあ、今の俺たちが一番変わった事か。

 すれ違うたびに心配されたり、何があったのか聴きに来て驚いたりと反応は色々だが何故か引かれたりはしなかった。

 まあ、これも日頃の行いが良いからか…。


「そういやシャード、昨日助けた人たちって大丈夫なの?」

「さあなぁ、話に聞いた限りじゃあ教会でどうにかできるって聞いたができたとしても精神的な問題まで解決できるかは本人次第だろうなぁ」

「そっか…」

「……あ!悪魔様!!」

「ん?その声は…」


 後ろの方から声が聞こえてシャードが振り向くので俺も観る事になったがそこにはエルフ…こっちでは森人と呼ばれる種族の女性がいた……確かシャードが助けた中に居たような。


「森人の姉さんじゃねえか…まあ、元気になって何よりだ、妹さんの方がみえねぇが」

「はい、お陰様で…妹はまだ精神的に疲れていたようでまだ…」

「そうかそうか」

「それよりもそちらの方…と中精霊様大精霊様が居るようですけど何かあったのですか?」

「ああ、こっちが俺のマスターで、色々あって疲れているから家までおぶって帰っているところだ」

「こんな格好ですがシャードのマスターのカティース=ヴェス=メデラ=ナディリスです、呼び名はどれか一つ選んでもらうなり渾名なり好きに呼んでください」

「あ、え?えっとじゃあナディリス君で…私は見ての通り森人のレミュリス=ミレーネよ、ミレーネって呼んでね」

「はい、ミレーネさんよろしくお願いします」

「それで中精霊と大精霊についてだが……説明するとややこしいから色々あって中精霊がマスターの父上殿がやっている畑で仕事をしてもらっていて大精霊がそれを見に来たって事だ」

「そ、そうなのね、中精霊なら精霊使いの狩人を何度か見た事があったけれど大精霊「そうだわ!それにしましょう!」!?」


 急に何か変なことを思いついたのか声を上げる。

 何となく考えつきそうだが、まさか…


「えっと…まさか僕に精霊を契約させようとしてます?」

「ええ!?何で分かったの!でも良い案でしょ?」

「大精霊様、確かに良い案ですが聞かなかったらすぐにでも契約させようと小精霊辺りを呼ぼうとしましたよね?」

「………ナンノコトカナーチャントツタエテタヨー」

「こっちを見て話してください!もーすぐそうやって勝手に行動しないで下さい!大精霊としての威厳はないんですか!」

「もー何よー私は風の精霊よ!仕方ないじゃない!」

「それは小精霊だけです!」


 怒られて罰が悪そうだが、正直なところ精霊と契約できても今はまだ手一杯で今まで会ってきた小精霊の事を思い出すと幼稚園児のような行動をする小精霊は手に余りそうだ。


「でも良いでしょ?ね!ね!」

「え、えっと…」

「大精霊様、坊が困ってますから無理強いはやめて下さい」

「え〜でもでも良いじゃないこれくらいの事しないと大精霊の沽券に関わることよ?」

「……全く…すまねぇ坊、あたしもしっかりとした小精霊…いや、最悪あたしが契約するから受け入れてくれ」

「そ、そう言う事なら……と言っても中精霊さんと契約と言うのは…その仕事とか…」

「なーに、その辺は誰かに頼むか、それこそ小精霊辺りをいくつか呼んでやらせれば良いさ、何事も経験させなきゃ大きくなれないしね」

「良かったわ〜貴方も良い案ありがとね」

「え?いやいやお礼言われるほどの事は…」

「あーとりあえずマスターと家に帰りたいんだがもう良いか?マスターをこれ以上気疲れさせたくねぇ」

「あら、そうね、なら私は帰って早速観てくるわね〜」

「あ、ちょっと、あーもー!すまねぇ坊、あたしも追いかけねぇとなんねぇから少しの間畑を空けるが許してくれ!待って下さい大精霊様ー!」


 あっという間に大精霊と中精霊の姿が見えなくなった。

 俺もあんな風に飛んでいったのか……本当に無事で良かった…。

 高い所は苦手ではないがそれでも速すぎるし安全性皆無だろ…。


「そんじゃあこれで…妹さんにもよろしく言っておいてくれ」

「え、ええ、助けてくれてありがとうね」

「あの時も言ったがついでだよ、それにマスターならそうするだろうからな、じゃ」

「今度は妹と一緒にお礼に行くわね」


 ミレーネさんと別れて、家まで帰る。

 …それにしても美人さんだったなぁ…こっちでもエルフじゃなかった森人って美人が多いのかな?

 後から聞いた話だが、ミレーネさんの狩人のランクは俺の父の一つ上の6で、今回はこの村に居る狩人と交代の為に来たのだが、その途中でゴブリンに夜襲を掛けられたようだが、その様子も普通ではなかったとだけで詳しくは聞けなかった。

次回もゆっくりお待ちください

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