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異世界に来たのにチートがないんだが?

『やあ、初めましての方はどうぞ宜しく、そうでなくても宜しく。』


『私はまあ、あらすじや物語の内容を少し話す案内人だ。

さて、物語の主人公、藤堂(とうどう) (すぐる)はそこそこ人にしては若い年齢で亡くなった。

だが、何やら運のいい事に記憶を引き継いだまま……。

おっと、これ以上話すと本編の意味がない。

それでは、また。』

 平凡的な家庭に生まれて、学校で少ないながらも友達ができ、イジメなどに関わらず、地元の大学に3回受験し、特に目立った成績はなく、それでも少し安月給だがそこそこホワイトな企業に就職し、ギリギリ平均的な成績で定年退職間際にまさかの病気にかかり、今の今までずっと独り身だったが幸い高校時代の友や仕事場で仲良くなった同僚が見舞いに来てくれるお陰で最後まで淋しい思いはなかった。


 強いて言うならば、若い頃に好きだった子に告白し損ねたのが唯一…ではないが心残りだった。



 さて、なぜこのような事(人生の振り返り)()()()()にできているかというと、

 まあ、一言で言うなら輪廻転生…と言うので合っているかは覚えていないが、そういうことだと思う。


 いやー、まさかね、死んだと思ったら転生してセカンドライフ〜…と言いたいけど、なんで記憶があるん?

 さらに言えば、なんで俺の両親が外国人なん?


 うわ、だっこされると顔がががが………ん?


 待てよ、俺って今赤ん坊てことは……この女性の


(しばらく読者の想像にお任せするとしよう。

 あゝ、別にRが付くからではないから悪しからず)



 ………なんて言うか、流石に自分の母に興奮しなかったことに安堵というかなんというか……。


 それよりも、どうやら俺の家族は両親と兄2人のようだ。

 あと、よく見ると農具が置いてあるのが見えたし、麦わら帽子?もあったことから多分、農家の子供に生まれたらしい。


 なんだったけなぁ、あの……あれだ、亡くなる3ヵ月くらいにおすすめされた小説の中で後輩が好きだった『異世界物』ってやつに似てるっぽい、というより多分それだろう。


 なぜならば、目の前で水を何もない空間から出しているのだから、どう考えても地球ではない、多分。


 んんん?という事は『異世界物』のテンプレである

『すみません、神様の手違いで〜』とか

『お前にチートを与えよう!』とか

『願い事言ってみ?』とか

 全然なかったんだが?


 いや、もしかしたら後から貰える系かも!そうだ、そうに違いない!全く忘れるなんてなぁ!


「クラレイ、今この子笑ったわよ!」

「ほらな?俺の子育ても板についたって事だ」

「ふふ、そうね」


 全然何言ってんのかわからんけど、多分喜んでんだろうなぁ、ふふふ、明日が楽しみだ!







 ー1週間後ー




 全くチートがもらえる気配がない。

 え?もしかして、何も貰えない?

 おかしくない?記憶だけ貰っても使い道少なくない?

 商才とか文才とか武才とかそういうの最初からないし、努力とか全然とは言わないけど、それでも才能とか特にない人間だよ?俺。


 というか、生まれた時期が冬?近いのか、それともそういう気候なのか、はたまた地球での暖房に感覚がなれているせいなのか、少し夜が寒くなってきたんだが?


 一応、火のある場所に揺かごがあるから少し温かいような気がするけど、火が消えたら寒い。


 え、なに?まじで寒い、寒すぎて泣くよ?俺赤ん坊だからすぐ泣くよ??元大人とか言われても今は赤ん坊だぞ???

 いや、まあ、少しだけなら我慢できるけど、体温調節が未発達なんだから、今のうちに文句言っとかないと朝には凍死だぞ?


 という事で、今日も今日とてよな…………いや、待てよ?

 そういえば、ここって魔法がある世界だし、俺でも使えんじゃね?


 幸い昼にぐっすり寝たし、今は目がギンギンで、目を瞑っても寝れないし、ちょっと魔法使ってみるか!


 えっとこういう時は…………あ、あれだ、無詠唱ってやつだ!子供、特に赤ん坊だと言葉が言葉じゃなくなるし。


 そうとなれば………いや待て待て、まず魔法ってどう使う?

 さらに考えれば、ここでもし仮に火が出せてもここ木造で暖炉周りくらいしかまともな防火してないぞ?


 ま、まあ、一先ずここは魔法を使えるように努力してみよう、うん、そうしよう。

 えっと……えっと……………だめだ………考え事すると………………眠……い……な……。






 ー2ヶ月後ー



 生まれて多分かなり経った。

 曜日感覚とか日付感覚とか全く覚えておくことができないことが最近、多分そこそこ前にわかった。


 まあ、赤ん坊だしね。

 ただ、幸いな事に思い出そうとすれば鮮明に…とまではいかないが思い出せる。


 と言ってもとりあえずの目標である魔法だが…まあ結論から言うと無理、今は…多分。


 まあ、これも幸いな事に平民は魔法が使えるのが稀…と言うわけでは無いと思う。

 一応、兄達が魔法を使えるところはチラッと見えたし、父は父であんな巨体でそこそこ素早い動きができているし多分そういう魔法かなんかだろう。


 ただ、まだこの世界の言葉が理解できないのが惜しい。

 おそらくだが、魔法には呪文がいるのだ。

 理由としては……なんとなく?いや、違う違う、確か母が魔法使った?時に何か言ってたっぽいし…そうに違いない!


 そうなると今できるのは精々魔法を使うためのリソースであろう魔力、もしくはそれに似た何かを見つける事だ…が、全く見つからない。


 小説ではウンタラカンタラを中心に〜とか、血液みたいな〜とかそういうのであることを信じてやってみたが、前者は知らん部位を意識なんてできないし、後者は頑張っても血液の流れが少し分かるような気がするだけだった。


 チクショー、これならそういうのが出てきた時に調べれば良かった〜……はぁ…。


 何というか…チートはないし、魔法も早々使えそうにないし……あーあ、早く大きくなりてぇよ…。

設定メモ

主人公は元63の大人だが、赤ちゃんになっているため少々情緒が不安定であり、記憶力がない。



ゆっくり次回をお楽しみに

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