大蛇の救い
大蛇の腹の中のような電車
適度の温もりと、柔らかさ
睡眠不足も相まって、強烈な眠気が暴力的に襲ってくる
このまま寝たら、ドロドロに溶かされて、こいつの養分になるのだろう
でも、それもいいと思った。
最近はすごく疲れているんだ。
このまま溶けて、この蛇と一つになれたら解放されると思ったんだ
生活や人間関係に疲れているのではない。
常に感じる焦燥感。人質にされたまま生かされている感覚
この大蛇は僕のような人間ばかりを溶かしてくれる
救いをくれる大蛇だ。それは白く輝く神の使いだ。
気が付くと、そこは終点。
大蛇が与えたのは一時の救いとこれから始まる試練だった。