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⑼『残像の行く先』ー通常ー
⑼『残像の行く先』ー通常ー
㈠
残響は、残像となって、脳内で拡散される訳だが、しかしそれが、確かな何かを、自己に与えるなら、残像を拾ってみようという気になるものだ。それこそ、残像の行く先であろう。しかし、我々の前には、無差別に壊れた、残骸が横たわって、行く先を阻むのである。
㈡
光を渇望するのは、決まって夜の闇の中である。全てが消えてしまうのかと、思わされる程、世界はカオスである。ただ、自分には、自分があるじゃないか、と思わされ、気付かされるのだ。自分は、自分の分身の様に、文章を書いている、執筆衝動の原罪であろうか。
㈢
そうすると、やはり、現在の自分は、残像を意識していると、言わざるを得ない。確かな、確証として、空位を舞う世界に、自己を投げ出して、箱の中のロマンティストを、鏡が演じているじゃないか、すると、やはり、残像も通常に、範疇化されるのである。