パープリン大将 北の国から編 塩をくれ
パープリン大将に届いたメールは、幸運か?
国民栄誉賞の授賞式は赤坂プリンホテルで行われた。
受賞者は、パープリン大将である。受賞にあたる功績は、国家を差し置いて、北の国に拉致された一本国民を救い出し、一本国に無事に連れ戻した功績に対してのものである。
受賞の知らせは、大井競馬場で知った。いつものように、パープリン大将は三吉と競馬をしていた。第3レースが終わりゴール前の写真判定のシーンがオーロラビジョンに映し出された直後、突然オーロラビジョンにパープリン大将の顔が大写しに映った、そして、おめでとう パープリン大将 国民栄誉賞受賞決定。の特大の文字がスクリーンに踊った。指定席で観戦していた、パープリン大将と三吉は驚いて目を丸くした。次の瞬間スタンドから、大きな拍手が巻き起こった、観客は全員起立してパープリン大将の方を見て祝福の拍手をしている。パープリン大将はてれながら片手をあげて観客に答えた。
実は北の国から新潟港にクルーズ船で帰国した直後は、マスコミは静かだった、帰国の立役者がパープリン大将だとは、誰も知らなかった。弥彦競輪で一勝負して金沢競馬に向かったあたりで、週刊誌のシュンシュンがスクープした訳で、それからと言うものマスコミに追い掛けられっ放しで、一時ラスベガスのカジノに避難していたのだが、あまりにパープリン大将が勝ちすぎて、カジノから泣きが入り十億の金を握らせられて出入り禁止になり、一本国に戻ってきていた。
やっとマスコミがおとなしくなって来たのに、この賞でまたうるさくなるのは、必至だ。スタンドの拍手に答るパープリン大将に三吉は「やめましょう、辞退した方がいい」と勧めたが、金持ちの血筋からか、パープリン大将はもらえるものはもらう、ドライなところがある。
そう言う訳で、赤坂プリンホテルにいるのである。首相からパープリン大将にちなんだ記念品として、マンゴープリンを貰い、ご機嫌のパープリン大将は、記者会見で、数々の質問に、「パープリン」の一言のみを話。イントネーションの強弱バァリエーションだけで、色々な意味を込めて話した。不思議なことに新聞には、その意味も訳されており、「こんな賞をもらつて本当に光栄です。」とかになっていて、それが面白かった。
そういう意味でパープリン大将は何カ国語も話せる超人である。
その日の事だった、パープリン大将宛に一通のメールが届いた。
北の国の四人の大将(王様)からのものだった。内容は、至急魔法の塩を送って欲しいという事だった。北の国の政情不安は噂では聞いていた。しかし自国の事は自国での原則は四人の王様、指導者達はよく判っているはずである、パープリン大将は首を捻った。