第四話 以外な才能
「そういえばさ、どうしてダンジョンなのに魔物がいないの?」
「ここは、生成途中のダンジョンのため、3日後
. .
まで普通の魔物は、生成されません。」
何か含みのある言い方だが、気にしない。
「それまでに、スキル【魔力操作】を獲得しましょう。まず、腹部の辺りにある塊を探してください。」
探すこと二時間
「あった!」
腹部の辺りに、七色に光る塊のような物があるのに気づいた。
「その塊が何色かわかりますか?」
「虹色だよ。」
「全属性ですか…」
大賢者様が呆れているような気がする。
そっそんなことないよね?!
「はぁ、それではそれを、ぐるぐる回すイメージで動かしてください。」
動かすこと四時間ほど。
「一週できたぁー」
「スキル【魔力操作】を獲得しました。」
最初は、一ミリ位しか動かなかったから、気合いで「おりゃー!」ってやってたら少しずつ動いていた。
「はぁ、もう終わりましたか。
それでは、次に、その塊を高速で回せるようにしてください。」
回し続けること三時間
「スキル【魔力操作】がレベルアップしました。」
「スキル【魔力操作】がレベルアップしました。」
「スキル【身体強化】を獲得しました。」
「できたぁー!」
「えぇー」
大賢者様が若干…いや完全に引いている!
な、なぜだ!
「マスター、すみませんが、この作業本当だったら、3日位かかるものなんですよ?」
大賢者から言われて、俺は、引かれている理由が分かった。
誰でも、3日かかるはずの物を九時間で終わらせたらそりゃ誰でも引くだろ。
「おそらくマスターは、魔法に対して相当な才能があるのでしょう。
じゃなければ、こんなに早く終わりません。」
俺は、大賢者に魔法に対して相当な才能がある。と言われた時とても嬉しかった。
毎日周りから「無能、無能」言われていたので、
才能があるといわれて嬉しかったのである。
今まで魔法に対して才能があることに気づかなかったのは、小さい頃からずっと剣術練習をしていたからだろう。
「グオオオォォォオ」
何かの叫び声が聞こえる。
叫び声が聞こえた方を見ると、昨日と同じくらいの体格のゴブリンがいた。