5、ミラクルハイスペックボディとシステムさん
「やっべえ。すごすぎるよ、この体。向かうところ敵なしなんじゃない?」
爺さんは確かに、そう簡単に死なんしオプションもつけるから安心しろって言ってたけど具体的な内容は何も聞かされてなかったからな。まさかこんな機能までついているとは。
「やっぱり、まずは異世界ど定番の冒険者になるか?街の場所すらまだわからんけど。」
これだけの戦闘力があるのだ。なれないなんてことは無いだろう。
「そうだ、定番といえば…ステータス!」
両手を掲げ、声高らかに宣言する私。
異世界ものといえば、やっぱりこれでしょ。
…?あれ?あれれ?出ないぞ。
そうか、なら。
「ステータス、オープン!!」
…しかしなにも起こらない。
「ま、まじ?出ないの?ステータスが出ないとどれくらい強いのかわかんないじゃん。」
呆然としつつ、私はリス…トッテンリンの前で打ちひしがれるのであった。
危険ノ排除ヲ確認。準警戒状態ヘ移行。
流れるシステムメッセージ。
そうだ、システムさんがあるじゃないか。
「システムさん、ステータスってわかる?」
まずは聞いてみる。
…返事はない。
「おーい、システムさんやーい。」
…返事は、ない。
「くそう…。」
システムさんは対話式ではないというのか。
さしものシステムさんも万能ではないのか、などと考えていたときにそのメッセージは流れてきた。
緊急事態発生。
警戒レベルヲ最大ニ固定。
空間ニ歪ミガ見ラレマス。
注意シテクダサイ。
トッテンリンの名前を早速忘れそうになる主人公。
ままならない異世界。
そして、次回が気になるようなラストにできたでしょうか?