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爆縮と体温の機知(7)

お盆の中の日常

提灯の中にある蝋燭の光

揺らめき立つ

ぼやりと浮かぶ影に

線香の匂いが入っていく

やって来た人間と

やって来たと認識されない人間

無くなった蝋燭を立てて

マッチで火を着けた

消し炭の糸が

蝋にくるまわれている


墓の掃除をする

苔の緑を

棒付きのスポンジで

擦り落としていく

水を上からかけろと言われたから

墓の上に乗って

天辺からかけた

肩車は亡くなっても

やって貰えるのだろう

苔の匂いが付いた服を

鼻で感じながら

線香に火を着けた


机の上に精進料理が並び

いつもは食べない物に

箸が伸びる

昆布出汁と干し椎茸出汁を

合わせて作った物だったり

野菜の天ぷらを塩で食べては

ビールを飲んだ

意外と美味しく食べれるのは

いつもとは違うからで

食欲に絡まる事柄は

その逆もあるものだ

どうせ食べるならと

酒で口を潤す

食欲のスイッチをつける為に


精霊流しをやりに

海辺と行く

一つづついただき

それを食べている

自然に還らない物は

流せなくなった

好きだったお菓子は

封を開けてから乗せた

蝋燭に火を着けても

風で直ぐに消える

線香は綺麗に流れていく

岸から指先でそっと押して

送り出す側を

あと何回やるのだろうと思う



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