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暗中模索

誰かが動いている、何のために?いったい誰が?

なにもわからないまま時間は過ぎて行くが・・・

その性格からなのか・・・

聡は判らない事をそのままにしておくのは苦手である。岩堀の口から出た『木之元興産』という会社の事が気になっていた。次の日、すぐに智雄の携帯に連絡を入れてみるも・・・・

繋がる気配はない。転職したばかりで忙しそうだとは思ったが、何度も電話をかけてみた。



結局繋がらず、智雄からもかかっては来ない。



仕方なく(あくまでも仕方なく)エリカに連絡を入れてみる。


「なーに?あたしが人のものになったら惜しくなっちゃった?うふふふ。」


相変わらずである。


「ばーか!そんなんじゃない!智雄と連絡取りたいんだけど・・・繋がらなくてさぁ」


エリカには必要な事以外は伝えない方が良いのではないか?と思いながら尋ねる。


「ああ、そりゃそうよ!だって智君、今富山の工場視察にいってるもん。」


「へ〜・・・・でも夜はホテルとかなんだろ?あいつかけ直してもこないぞ?」


「・・・ちょっと待ってて!」


そういって保留にされた。3分程待たされた後


「忘れてったみたい・・・・携帯、ここにあるもん。おまけにバイブ」


万事窮す・・・・・


「お前、今気がついたの?昨日の夜とか連絡は?」


「あたし智君信じてるから。こっちからはあんまり電話しないの。」


何となく惚気られている気がするが、あえて気がつかないふりをする。


「あ、そう・・・・・で?いつ戻るの?」


「ええっと、一週間だから・・・・4日後の予定。」


ますます困った・・・・それでも他に手がかりはない。聡は粘ってみる。


「悪いんだけど・・・お前から向こうに連絡取れない?同じ会社だし・・・」


(数か月前、智雄はエリカの勤める医療機器メーカーに転職している※【誰が為に】参照)


「え〜・・・部署違うし、あんまり結婚するって事公にしてないんだけどなぁ・・・」


「たのむ!どうにかして明日中に連絡とりたいんだ!」


「そんなに急ぐの?事と次第によっては一肌脱いでもいいけど・・・うふふ」


茶化すエリカに伝えられるかどうか・・・判断はまだつかない。


「それは、あいつが帰ってきたら一緒に話すから!なんとかしてくれよ。」


「・・・・・わかった。聡がいうならつまんない用事じゃないんだろうから、今日連絡取ってみる。」


「ありがとう!」


「そのかわり次にいったら奢ってよね!」


ちゃっかりしているエリカに返事をして電話を切った。














次の日、オープン前にまたも岩堀の店に顔をだす聡である。


「おっ!どうだい会長就任の決心ついたかい?」


「・・・・だから、やらないって言ってるじゃないですか・・・」


「例の件・・・判ったか?」


「その事なんですけど・・・・先方(管理会社)にあと2〜3にち待つように返事してもらえませんか?」


「いいけど・・・待てっていうからには、受けるって思われるぞ?先方からは。」


「そこは、岩堀さんには申し訳ないけど、まだ判りません。いざとなったら直接・・・」


「そりゃ困る!まああとで断るのは仕方ないにしても、お前さんに直接いかれると困る。」


「そうでしょうね・・・じゃ、管理会社にはいきませんから。」


そういって聡はにやりと笑う。それに気がついた岩堀は苦笑いして言葉を発する。


「・・・・・お前・・・やっぱり極道になった方が良かったんじゃないか?腹黒い奴。」


「・・・嫌だなぁ・・・岩堀さんに『それ』言われると何故か納得いきませんね。」














しかし、智雄が帰ってくる前に謎は大半解ける事となる。














その夜、優香がやってきた。


「こんばんわぁ♪」


「いらっしゃいませ。どう?住むところ決まった?」


たしかこの辺りのマンションにすると言っていたのを思い出して聡は聞いた。


「うん!・・・でも結局家賃が合わなくて・・・お母さんに相談したらめんどくさい事になっちゃたし・・・」


優香の顔が少し曇る。


「・・・・めんどくさいって?どうしたの?賃貸保証人とかなら、俺やってもいいよ?」


「ありがとう!・・・でも必要無くなっちゃた・・・部屋は国体道路の脇のマンションに決まったんだけど・・・」


少し考えて、聡はピンときた。


「国体の脇?・・・・ああ、となりの筋の最後のビルの?」


「そう・・・2LDKの部屋・・・」


「2LDK?!あそこあたりだったら、それこそ家賃高いんじゃない?・・・ていうかあそこ賃貸だっけ?」


「・・・・・笑わないでね・・・・」


「?何を?」


「お母さんにだけ相談してたんだけど・・・お父さんに話がいっちゃってて・・・気がついたらマンション買ってたの・・・・で、あたしに毎月家賃納めなさいって事に・・・」


「うわー・・・・お金ってある処にはあるんだねぇ・・・買うって・・・」


驚きながらも、優香の実家はかなりの資産家だと、智雄から聞かされたこともあるので、聡もそれ以上は突っ込まなかった。


「・・・で?引っ越しは、いつ?」


「ああ、今日!」


「ええ?いったら手伝いに行ったのに・・・」


そう答えると、優香は落ち着きをなくしてしまう。


「・・・ああ、うん・・・でも・・・お父さんが・・・」


「え?・・・なに?どうしたの?」


「今日はお父さんと会社の人たちが手伝ってくれたから・・・・」


なるほど・・・そういう事情ならわざわざ自分が行くまでもないか・・・そう納得する聡。


「・・・で、ね!今日、お父さんがここに来たいって言ってるから・・・」


「ああ、そうなんだ!で?いつ来るの?歓迎しないとね。」


「あたしは・・・来なくていいっていってるんだけど・・・」


心底嫌そうな顔をする優香だが・・・


「優香ちゃん!そんな事いうもんじゃないよ。」


そういうと慌てて姿勢を正す優香


「・・・ごめんなさい。」


なにか優香が煮え切らないきがする・・・・が、判らない。


「なんかね、用事があるからって、さっきでかけちゃって・・・後でここに来るって。」


「そう。1回だけお会いした事があるからね・・・いや結婚式を合わせると2回か・・・」


あまり触れてほしくない話題であったろう・・・返事は期待しなかった。(※前作参照)








その時ドアが開いた。


「いらっしゃいませ!」「おとうさん」


聡と優香は同時に声を発した。























この人がなにか鍵を持っているのか?

優香の父親ってどんな人だったっけ・・・・

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