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ノ、  作者: 一二三 九十九
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プロローグ

風が少し冷たくなってきたこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

最近、近所の高校からは大量の女子たちが寒い中、これでもかというほど足を見せながら高校に出荷されていた。



私には高校生活がない。だからと言って羨ましいとは思わないが、制服を着て友達と放課後に遊びに行くという行事をしたことがない。

なので、間近でこうして見ない限り、都市伝説と同じくらいの情報としてしか見れない。



私は地元から東京に出て私立礼華らいか高校の入学式に行った当日に高校を辞め、高卒試験を受け無事合格し、私に無関心な両親に留学を告げ、両親と妹を残し母国を旅立ち、他国の大学を卒業し日本に帰ってきて社会人になり二年以上が過ぎた。




そんな私の名は、月見里最良やまなしもよ




上の紹介文だけみるといつも驚かれるが、自分の名前通り最良の手段を選び進んできただけなので、自分の経歴に特別さを微塵も感じない。



そして、そんな私は元気に起床、仕事は好調、周りからも一目置かれ上司からも同僚からも認められている一日を今日は過ごしていた。

私の仕事は基本的に在宅で済むので、今日は珍しく出勤していた。

久しぶりに会議で上司を見たが少しばかり肥えており、もう少しで出荷できそうなほどまで育っている。

そんな上司だが、見た目通り優しい人で人間嫌いの私からしても特に気に障らない位だった。


ここで五人に一人が気にかかりそうな、好きではなく気に障らない位と言う表現について言及するが、私は人間が嫌いだ。強欲で自分の愚かさや価値、そして自分が無知だと知らずにのうのうと生きている人間が嫌いだ。


私も人間として自分が好きではないし、他の人間も同じように嫌いだ。

そんな他人から見たらひねくれている人間だからこそ、好きになるということが理解できない。


平等に全員同じゴミのような肉の塊にしか見えない。



これで分かって頂けただろうか。

そんな私が気に障らないと言ったんだからその言葉が、奇跡に近いということを。




そんなこんなで会議を無事に終え、会社から家にかけての帰り道を歩いていた。




自分にとっての平和な日々に別れを告げるように。






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