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夏の日の・・・

作者: 水田杏里


その日、私は図書館で夏休み読書感想文に使う本を選んでいました。

探してもらった結果、別の図書館から借りることになり、その後読書が好きな私は気になった本を色々と読んでいました。

「そろそろ帰ろうかな?」

数冊ほど読んだ後、帰ろうと玄関に差し掛かったときでした

(そういえば、おしっこ・・・寒かったから)

最初のうちは気持ちの良かった冷房も、薄手のワンピース一枚では少々寒く感じてしまったのかもしれません。

(でも、ここのトイレ狭いし、個室一個しかなくて良く・・やっぱり)

想像通り、個室には先客が入っていました。

ならここで無くても十分、そう思って外に出ました。

家に向かい歩く最中、私は先ほどの判断を後悔し始めていました。

図書館へ来る前、自宅で紅茶を2杯飲んだ事、更にのどが渇いたのか、図書館近くの自動販売機で缶入り紅茶を飲んだ事。

そして、感じていた尿意は寒さのせいではなかった事・・・。

(どうしよう・・・今から戻る?でも、図書館は和式便座しか無いし、同じ和式ならこの先の公衆トイレでも同じだし)

和式便座でワンピースの裾を汚したくなかった私は出来るなら家まで・・・と思っていましたが、一応保険で。と思っていましたが、

今にしてみれば甘い考えでした。

少し歩くと、大きな公園が見えてきました。

ここを横断すると、家までショートカットが出来るのですが、私は入らず淵を回っていきます。

行きもそうでしたが、サンダルを履いて来ていたので、草の生えた公園の中を歩きたくなかったのです。

回り道をしている間も、だんだんおしっこに行きたい感覚が短くなってきました。

(紅茶・・飲みすぎたかなぁ・・・)

予定を変更して、公園にある公衆トイレに行くことにしました。

(大丈夫、この前のようなことは無い・・筈)

トイレは公園の中にあり、少し戻ることになってしまった事を少し後悔。ようやくお目当てのトイレ・・のはずでしたが。

(そんなのって・・・どうたら・・・)

トイレは工事中で一切使用できませんでした。

(こうなったら・・どうするの?)

おしっこの波はどんどん強くなり、その間隔も短くなってきました。

(ここから図書館に戻る?それとも家までダッシュ、それとも・・・)

適当な草むらでおしっこ、も考えましたが、いくら公園とは言えそんなことは出来ない、と即効の却下。

帰宅か図書館かで悩んでいる最中も、じっとしていられず、大またで歩いたりかかとで地面をたたいたりしていましたが、一向に決まりません。

(やっぱり家に帰ろう、それが一番良い!)

そう決め急いで、と思った瞬間でした。

おしっこの波が、急に襲ってきたのです。

(あっ、やだっ・・・)

無意識の内にスカートの上からショーツを押さえ、それを太ももで挟み込むようにして耐えます。

(危なかった・・・でも、すこし、ちびっちゃったかな?)

流石にスカートを捲って確かめるわけにも行きませんし、そんな暇はありません。

もと来た道を戻って公園を抜け、ようやく家の近くまで来た時でした。

丁度信号が変わり、渡る事が出来なかったのです。

ここは車の往来が激しく、一度変わるとなかなか青信号に変わりません。

この信号を渡れば家までもうすぐなのに・・どんどん気持ちだけが焦っていきます。

(どうしよう、どうしよう・・・)

待っている間、私はスカートの前を押さえたままでした。

大きな道なので、私以外に何人も人がいる前で、こんな事をするのは恥かしいのですが、

今はそんな事を言っていられる状態ではありません。

(早く信号変わって)

それだけを必死に考えていました。

車道の信号が黄から赤に変わり、もうすぐ信号は変わる・・そう思った時でした

おしっこの波が引かず、どんどん襲って来たのです。

目の前の信号は青に、でも私は一歩も動けませんでした。

いくら両手に力を入れて、必死に我慢してもダメでした。

おしっこがどんどんとショーツからあふれ出し、押さえた両手の隙間から白いワンピースを濡らしていきました。

うつむいた視線の先には、両手の隙間から透けて見える青いチェック柄のショーツ。太ももに張り付いているワンピース、

そしてゆっくりと足元に広がる水溜り・・・。

(やだ、おしっこ、もらしちゃってる。)

そのまま、おしっこが止まるまで私は何も出来ずに立ち尽くしていました。



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