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緑の夢、光の目覚め  作者: 月本星夢
最終章・光の目覚め
111/126

決戦~七神の降臨

彼等の願いを承知したリシェアオーガは、(きびす)を返し、天に目を向ける。そして、言霊を綴った。

『我、神龍王・ルシム・ラムザ・シュアエリエとして、願う。

この場に、初めの七神・オルエストム・ルシムの降臨を。

如何(どう)か、黒き髪の王の処罰を、天に()わし神々の御手(みて)で…。』

言霊を終えると、オーガと黄龍はその場に跪き、神々の降臨を待った。言霊が届いたのか、天から一筋の光が、リシェアオーガの前に下りる。

その光が辺りを照らし、眩いばかりとなり、やがて、その中から人影が現れた。

人影は七人…初めの七神と同じ人数…。

影は輪郭を顕にし、その姿をはっきりとさせた。


一人目は、輝ける金髪でやや長めの髪の、青い目の男性。

白地に月と太陽を模した装飾の長衣を着ていて、その胸と額には、同じ装飾…白い月と金色の太陽を模した物を着けている。


二人目は、左半分が闇の黒、右半分が一人目と同じ金色の短髪の、瞳も左目が紺色と、右目が青と左右で違う男性。

白い中着に袖のない黒い上着の、星と太陽を模した装飾の短衣を着ていて、その額と両耳には同じように、星と太陽を模した装飾品を着けている。


三人目は、闇色の緩やかに波打つ長髪と、菁銀の目の女性。

黒地に月と星を模した装飾の、細身のドレスを着ていて、その胸と額、腰と両耳、細い指に、同じく月と星を模した装飾品を付けている。


四人目は、青色で細かく波打つ、肩よりやや短めの髪の、男性の様にも、女性の様にも見える人物。

水色の地色に流れと滴を模した装飾の、袖のない中着と上着の、短衣を着ていて、その額と両耳、両腕に、流れと滴を模した装飾品を付けている。


五人目は、緑色の直毛の長髪で、紫の目の女性。

白地に葡萄の実と神の華を模した装飾の、細身のドレスを着ていて、その胸と額に葡萄の実と神の華を、両耳には神の華だけを模した装飾品と、左手の薬指には、何故か、太陽と月を模した指輪を付けている。


六人目は、紅色の柔らかな綿毛の様な長髪の、紅金目の女性。

紅の地色に炎を模した装飾の、細身のドレスを着ていて、その胸と額、両耳には、踊るような炎を模した装飾品を付けている。


最後の七人目は、薄紫の柔らかな綿毛の様なやや長髪の、金色の目の、これもまた、女性か男性か不明の人物。

薄い紫の地色に時を刻む砂と、初めと終わりの無い輪を模した装飾の、短衣を着ていて、肩掛けを付け、その胸と額、両耳、両腕には、同じ物を模した装飾品を付けている。そして、その背には、真っ白で大きな羽が存在している。



そう、彼等…始めの七神が、神龍王の呼び掛けに応じ、この場に降臨したのだ。

最初に言葉を発したのは、輝ける金髪の男性だった。彼は眼の前に跪く、神龍王に向かい、言葉を掛ける。

「ルシム・ラムザ・シュアエリエとは、そなたか?」

問われたリシェアオーガは、頭を下げたまま、肯定の返事をする。

「はい、そうです。我が神々よ。

我は、神龍王・ルシム・ラムザ・シュアエリエと成りし者。この者…黒き髪の王の処罰を、我等の神々に御委ねしたい一心で、御呼び致しました。」

年若い声に、輝ける金髪の神・ジェスク神は頷き、彼の後方で剣に貫かれ、蹲っている人物を見た。

彼を囲む様に封印が施されている事と、貫く剣が神龍王の剣である事を確認し、再び、眼の前にいる神龍王を見つめる。そして、彼に言葉を掛けた。

「封印を解き、あの者の体を失くせるか?さすれば、我が手で、その魂を封印し、その(のち)に他の神々と相談の上、罰を与える。」

「承知、致しました。」

ジェスクの命令に、神龍王は答え、その左手を剣に(かざ)す。手から放たれる力が、一瞬で黒き髪の王の体を無に還し、入れ替わる様に金色の石が現れる。

ジェスク神のルシム・ラザレア…ジェラムラ・クルーレアの結晶が、黒き髪の王の魂を、封じ込めたのだ。

金色の結晶は、ジェスク神の手の中に移り、その懐に仕舞われた。

それを見計らってか、神龍王の剣も主の左手に戻り、主の手で鞘に収まった。

この剣を自分の腰から外し、眼の前の地面に置く。

人間の騎士が、神々に捧げる最敬礼を、リシェアオーガは施したのだ。同じ様に黄龍(こうりゅう)も、自らの剣を目の前の地面に置いていた。

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