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~異世界で、王道は目指しません~  作者: 零堵
~シグルン編~豪邸模索とお家騒動~
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~第九十二話~ユレイドの町~ミラー家での出来事~

はい、まだまだ忙しいです

また一週間後かもしれないですね。

俺達の今いる場所と言うのは、ユレイドと呼ばれる町の中だった。

町の中は、まあ……見た目は結構綺麗なのだが、特に感じるのは

人の視線みたいなのを、凄く感じる。

リムが言うには、この町には、未婚の女性が沢山いて、若い男を狙っているとか言っていたので、俺……無事にこの町から出られるのか……?

そんな事を考えてしまった。

町の中をリムと手を繋いで歩いて行き、大きなお屋敷に辿り着いた。

「コウ、ここが私が育った家よ?」

「ここがそうなのか……何と言うか……凄いでかい家だな? もしかしてリムって……結構良い所のお嬢様だったのか?」

「そうかしらね? まあ……ミラー家と言うのかしらね? 家がでかいのは認めるわね? さ、中に入りましょう」

「あ、俺はここで退散するな? あの爺さんにはちょっと会いたくないしな……それじゃあな」

そう言って、リムの従兄弟のアルサスが、何所かへと立ち去ってしまった。

「アルサス……お爺様に会いたくないって、一体何をしたのかしら?」

「さあ? 俺が知るわけないだろ? ま……早く用件を終わらして、この町からとっとと離れたいから、中に入ろうぜ?」

「そうね……じゃあ、行きましょうか」

リムがそう言って、お屋敷の中に入っていく。

中に入ると、紫色の髪をしていて、見た目が可愛い感じの女の子が、俺達の姿を見て

「あ……お、お嬢様ですよね!? 戻られたんですか!?」

「え、ええ……アルサスに言われてね……久しぶりね? サリー」

「はい、お久しぶりですお嬢様、あの……一つ訪ねたい事があるのですけど……」

「何かしら?」

「お嬢様が手を繋いでいるそちらの若い男は、一体誰なのでしょうか?」

「えっと……」

「もしかしてあれですか? お嬢様が妊娠してしまったから、責任を取る為、お嬢様との結婚を認めて貰う為に主様の許可を頂きに来たのですね? お嬢様、おめでとうございます! そうですね? 見た目……なかなかいい顔つきをしているので、主様もきっと認めて下さると思いますよ? ああ……ついにお嬢様にもいい相手に巡り合ったんですね? 良かったです……そこのお嬢様の旦那様?」

「え……俺の事か?」

「お嬢様の事を幸せにするのですよ? 決して離婚はしてはいけないですので、あとお嬢様を悲しませる事があれば……私が許しませんので」

「ちょ、ちょっとサリー!? 何言ってるのよ!? 私、別に妊娠なんかしていないわよ!?」

「あら……そうなのですか? 残念です……近いうちにお嬢様のお子さんを抱っこ出来る日が来ると思いましたのに」

「あのね……私はお爺様が呼んだから来たのよ? お爺様は何所にいるの?」

「主様ですか? 多分……いつものお部屋にいると思いますので、私、呼んできますね?」

そう言って、サリーと呼ばれた女性が奥の部屋へと行ってしまった。

「おい……何なんだよ? あのサリーって奴は」

「この家の使用人よ……ちょっとね……見て解ったでしょ? 思い込みが昔から激しいのよ……あの子」

「そうなのか……すげーな……おい」

「はあ……何か……余計にお爺様に会いたく無くなってきたわ」

そんな会話をしていると、サリーが戻ってきて

「お待たせしました、主様を連れてきました」

サリーがそう言い、サリーの隣にいるのが、白髪の厳つい爺さんだった。

爺さんだから、こいつがリムの祖父だと思う。

「よく戻ったな……リム」

「お久しぶりです、お爺様、で……一体私に何の用なのでしょうか?」

「実はな……と言いたいが……そこのお前!」

いきなり、この爺が俺を指差した。

「俺か?」

「お前は何なのだ? 何故、リムと一緒にいる?」

「何なのだと言われてもな? そうだな……リムのパートナーだな」

「何だと? それは本当か? リム」

「え、ええ……」

「そうか……お前、名は何と言う」

「コウだが?」

「コウ、貴様に問う、リムを幸せに出来るか?」

「出来ねえよ」

「何だと!」

「そんな事急に言われたってな? 未来の事は全然わかんねーしな? リムもそう思うだろ?」

「まあそうよね? いきなり幸せに出来るかと言われてもね? そう出来る確証が無いとね……コウ、いい事言うわね?」

「だろ?」

「で……お爺様? 一体私に何の用があったんですか?」

「う、うむ……実はな? お前に紹介したい男がいるのでな? その者と結婚して欲しかったのだ、ワシもそれほど長くなさそうだしな? それでリムを呼びつけたのだ」

「そんな理由ですか……お断りします」

「ちょっと待て、会うだけでも構わないだろ? おい」

爺さんがそう言うと、奥の部屋から一人の男が出てきた。

「お呼びでしょうか?」

「ああ、この者がリムの結婚相手なのだが……リム、どう思うか?」

「貴方がリムさんですね? この家の主様が良いと言うので、Okしましたが……うむ、いいですね? 気に入りました、是非私の嫁になって欲しいです」

そんな風に男が言うが、俺はこの男が誰なのか、思い出した。

「ん? お前……ゴンオウじゃね?」

「……き、貴様は!? な、何故リムお嬢様と一緒にいるのだ!」

「何故って、一緒に行動しているからだが?」

そう、爺に呼ばれて現れたのは、前にベゼルバード王国の魔術大会で戦った、派手な衣装を着込んで俺の術であっさりと敗北したゴンオウだった。

「ゴンオウ……この者を知っているのか?」

「知ってるも何も、あの時の恨み! 晴らさせて貰うぞ!」

そう言って殴りかかってきたので、俺は焦る事無く、指先をゴンオウに向けて

「デス・トラップ」

俺の術が発動、ゴンオウの動きが止まった。

「っく……動けん」

術が切れると再び殴りかかってきそうなので、俺は設定を眠り状態にして、指先をゴンオウに向けて

「デットリー・レイ」

そう言って俺の術が発動

「ぐ……くっそおおおお!」

そんな事を叫びながら、倒れこんだ。

「な、何をしたのだ!」

「眠らせたんだ、うざかったからな? で……リム? ゴンオウと結婚したいか?」

「嫌」

「だろうな? 交渉決裂だな? この町にいる必要ねえだろ? 帰ろうぜ?」

「そうね……お爺様、私はコウと一緒に行動しますので、こんな下らない理由で呼びつけたりしないでください」

「く、下らなくはないぞ? リムの事を思ってだな?」

「いらないお世話です、さ、いきましょう? コウ」

「ああ」

「ま、待て!」

「爺、ゴンオウに食らわせた奴、あんたにもお見舞いするぜ?」

「く……」

「じゃあな」

そう言って、俺達は屋敷の外に出て行く事にした。

屋敷の中からサリーの声で「お嬢様、いい人を見つけたみたいだと思います、うんうん、良かったです。 でも……お嬢様の子供、見たかったですが……そんな感じには見えませんでしたので、無理そうですかねえ~」とか聞こえてきやがった。

うん……そう言われて、どう反応していいか少し困るんだが?

「コウ……サリーの言う事は、聞き流したほうが良いわ……」

「……ああ、で……リム」

「何?」

「この町から出たいと言うか、シグルンの町に戻りたいんだが……どうやって戻る?」

「そうね……コウ、この町からちょっと西に行った所にね? 草原があって、そこに「銀の羽」を持っているホーンラビットがいるのよ? それを倒して銀の羽を手に入れて、シグルンの町に戻りましょう?」

「そうか、その手があったな……じゃあ、そうするか……で……」

「で?」

「西はどっちだ?」

「……えっと……あははは……どっちだっけ?」

「おい」

「まあ、何とかなるわよ? うん、町の人に聞いてみましょうよ?」

「はあ……そうするか……」

そう決めて、まずは銀の羽を手に入れる事を目標にするのであった。

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