~第九十一話~ユレイドの町へ到着しました~
はい、零堵です。
近況報告を言います。
マジで忙しいです。やる事沢山毎日ありますし・・・
次は、また一週間後ぐらいかも知れません・・・
宿屋「ルーンライト」に泊まる事になって、次の日
ここの従業員のオリフィアが、泊まっている部屋に起こしに来た。
「おはようございます、よく眠れましたか?」
オリフィアがそう言う。
改めて見て見ると……やっぱり背が小さいからか、幼女とはいかないまでも、小学生かって感じに見えてしまっていた。
「まあ、よく眠れたな」
俺がそう言うと
「そうですか、では、朝食は食堂にて用意していますので、私はこれで」
そう言って、オリフィアが立ち去って行き、俺は考える。
確か……今日で異世界生活、三十二日目に突入して、今日のやる事は
昨日、オリフィアの従兄弟? のアルサスと一緒に、リムの爺さんに会いに行くという事になっていた。
とりあえず……忘れ物が無いかをチェックしてから、朝食を取る為
部屋の外に出て、食堂へと向かった。
食堂に辿り着き、そこで朝食を取る。
今日の朝食は、見た目がビーフシチューにそっくりの料理だった。
一緒に泊まっていたリムも、その料理を見て、ちょっと驚いている。
「コウ、この料理って、知ってる?」
「見た目は、ビーフシチューっぽいしな……ビーフシチューなんじゃないか?」
「ビーフシチューと言うのかしら? まあ、食べて見ましょう」
リムがそう言うので、俺も一緒に頂く事にした。
味に関して一言言うと、思いっきりビーフシチューの味がした。
けど何の肉を使っているのか? さっぱりと不明なのだが……仮称ビーフシチューと言う事にして、とりあえず残す事無く完食
食堂から出て、受付に行き、受付担当のオリフィアの妹、エリーに宿代を支払って、武器を受け取った後、宿を出る事にした。
宿を出てからこう思う。
そういや……何所でアルサスと待ち合わせるのか、全く決めてないな……
「リム、アルサスって何所にいると思うか?」
「そうねえ……町の出入り口にいるのじゃないかしら?」
「……それもそうだな、まあ……行ってみるか」
「ええ」
そう決めて、シグルンの町の出入り口に向かう事にした。
数十分後、町の出入り口に辿り着く。
そこにいたのは、二刀流の剣士姿の、アルサスがいた。
「来たな? リム」
「ええ、で……お爺様がいる場所に行くのでしょう? じゃあ……ユレイドの町よね?」
「そう言う事になるな」
「なあ……リム」
「何? コウ」
「ユレイドの町って、何だ?」
「あ、そう言えば……コウには、話して無かったわね? 私の出身の町の名前よ? 私はユレイドの町で育ったのよ、で……魔術師になって、レインと一緒に活動してた訳なのよ」
「そうなのか……で……そのユレイドの町って、このシグルンの町から、どれくらい離れているんだ?」
「結構遠いわよ? 確か……馬車で一日ぐらいかかる距離だったかしら? で……アルサス? どうやってユレイドの町へ行くつもりなの?」
「ちょっといいのを入手したんだ、まあ見ていろ」
アルサスがそう言うと、懐から小さなカプセルみたいなのを取り出して、地面に投げつける。
すると、煙が立ち込めたと思ったら、巨大な漆黒の鳥が現れた。
「こ、これは?」
「ペットのブラックホークだな、これに乗って行って、ユレイドの町に行く事にするぞ」
「本当に大丈夫なの? それ……」
「大丈夫だ、よっと」
アルサスがそう言って、ブラックホークと呼ばれた鳥の背に飛び乗る。
アルサスが飛び乗っても、ブラックホークと呼ばれた鳥は、動じる事無く、その場に立ち止まっていた。
「な? 大丈夫だろ? さ、リムも乗ってけよ」
「…………解ったわ、じゃあ行きましょうか? コウ」
「あ、やっぱり俺も行く事になってるんだな?」
「ええ」
結局、俺も一緒に行く事になったので、ブラックホークの背にリムと一緒に飛び乗る。
飛び乗った感じ、羽がもこもこしていて、結構気持ちよかった。
俺達が飛び乗っても、動じる事はしなかったので、大人しい鳥だと言う事が解った。
「じゃあ、行くぞ? ユレイドの町へ!」
アルサスがそう言うと、ブラックホークが泣き声をあげて、飛び上がる。
空高く飛び上がって、地面を見てみると、遥か遠くに感じた。
風が強いので、ちょっと肌寒く感じたが、周りの景色を見てみると、結構綺麗に写りこんでいた。
これが空を飛ぶ者が見る景色なのか……なかなかいいな? とか思っていると
リムも「いい景色ね~風が気持ちいいわ」となごやかに言っている。
リムも結構好評の様だった。
アルサスは「た、高……だ、大丈夫だ……ちゃんと捕まっていれば、落とされる事は無いし……」とか震えながらぶつぶつ言っている。
おい……もしかしてこいつ……高所恐怖症なんじゃね?って思い、自分で用意したのに、震えてるなんて馬鹿じゃねーかとも、感じた。
空の旅をしてから、一時間後、ブラックホークが地面に降り立ったので、目的地に到着したみたいだった。
ブラックホークが地面に立って、俺達はブラックホークから降りる。
降りてから、アルサスが「戻れ、ブラックホーク」と言うと、ブラックホークの姿が消滅して、カプセルの中に入った。
……なんか……ゲームとかでありそうな代物だな? そのカプセル……
「懐かしいわね……コウ、目の前に見える町が、私の育った町、ユレイドの町よ?」
「ほー」
改めてユレイドの町を見てみると、今まで見て来た町とは違った所は、町を丸く囲むようにして、川が流れている事だった。
建物は全て白塗りの建物で、屋根の色も白色をしていた。
「さ、リムの爺さんの所に行こうか」
アルサスがそう言うので、俺達はアルサスについて行く事にした。
ユレイドの町の中に入ると、何と言うか……女性ばっかりに見える。
俺は、気になったので、リムに
「なあ……この町って、女性多くないか?」
「ええ、実はね? この町って、男が少ないのよ? 比率的に言うと8対2って感じかしら? 町の町長も女性だしね……だからコウ」
「な、何だ?」
「気をつけた方がいいわよ? この町は、未婚の女性が結構いるしね……ちなみにね? この町の若い男は、ほとんど結婚しているからね……? ほら見て見て」
そうリムが指差すと、十代ぐらいの若い男の隣にいるのが、年が十以上離れている風に見える女が手を繋いでいた。
「それにね? あの男が右手に青い腕輪を付けているでしょう?」
「ああ、確かに青い腕輪が見えるな?」
「あれが、この町での既婚の証よ? あの青い腕輪を装備しているのが、既婚者って事、で……腕輪を付けていないって事は、未婚者って事になるのよ」
「ちょっと待て、じゃあ……さっきからやたら粘っこい視線を感じるんだが……それってもしかして」
「ええ、コウを自分の夫として狙っている女性が沢山いるって事よ? でもね? コウ? どうして声をかけて来たりしないか解る?」
「さあ……」
「この町にはね? 一緒に行動している女性がいたら、手を出すのは禁止しているのよ、だから誰も声をかけて来ないって訳、でもね? 一人になったら……すぐに狙われるわよ? コウはこの町で結婚したい?」
「……ちょっと気になるんだが……それって離婚出来たり出来るのか?」
「この町では禁止よ? この町で結婚して、町を出るのも禁止してるわね、逃げようとしたら追っ手が来て、捕まるのよ」
「……えらい物騒だな……おい……ん? じゃあ、アルサスは……よく見てみると、青い腕輪を付けているんじゃないか?」
「あら、ほんとね? いつ結婚したのよ?」
「そ、それは……と、とりあえずお爺さんの所に行くぞ」
「え、ええ……さ、コウ? この町だと一人になるのは危ないわよ? 手を繋いで行きましょうか?」
「……解った」
そう言われて俺は、リムと手を繋ぎなら、町の中を移動する。
やっぱり俺……厄介事に巻き込まれたんじゃね?って思ってしまったのだった。




