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~異世界で、王道は目指しません~  作者: 零堵
~ユーグレスト編~
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~第九話~依頼書を見て、最強生物がいたので、別の依頼を受けました~

異世界生活三日目

ルルルルと電話の着信音っぽい音が鳴り始めたので目が覚める。

うん、やっぱり……この時物が鳴らせる音、ちょっと五月蠅いよな……とりあえず起きたので、壁に掛けられている、時物のスイッチを押して、時物の音を止めた。止めてから洗面所に向かい、顔を洗って、身だしなみを確認した後、俺は、魔証石を取り出して、自分の魔力を測ってみる事にした。

魔証石で、自分の魔力値を測ってみると

魔力最大値110、魔力値110となっていた。

ん……なんか……10ポイント分増えている?

と言う事は……もしかして……レベルが上がったって事なのか?

魔力が10ポイント分増えているとなると、俺の今のレベルって何レベルだ? 魔力最大値100の時は、第二の術、デットリー・レイが使える状態だったし、じゃあ、次のネクロマンサーの第三の術だが……もしかして、覚えているのか? ちなみに、ネクロマンサーの第三の術は、ネクロマンサーの術を全て、予習したので名前も効果も覚えている。

第三の術の名前は「デスト・ドリード」と呼んで、効果は、対象物一体の体力を半減させて、呪文禁止の効果と、書かれているのを思い出した。うん、何というか……これも凄い卑怯な技だよな?

しかも予習した時に呪文禁止の効果は魔術師ヒーラーの回復術「スペルクリア」以外、打ち消す事が出来ないと書かれていたので、もし俺の呪文を発動させて、スペルクリアを覚えてないと、二度と呪文を発動する事が出来ないと言う事だと思う。この術……マジシャンにとっては、かなり外道な術じゃね?

ま、この「デスト・ドリード」が、どのぐらい魔力を使うか分からないし、覚えているかも解らないしな……うん、この術はムカつく奴や魔物にぶっ放す事にするか~

と、そう決めて、俺は朝食を取る為、部屋の外に出る事にした。

部屋の外に出て、食堂に向かうと、もう既にリムが起きていて、椅子に座っていた。


「あ、おはよう、コウ」


「おはよう、あ、そうだ」


「何?」


「リムの術で調べてくれないか? 俺、魔力最大値がちょっと増えているんだ」


「あら、そうなの? じゃあ、調べてみるわね?」


リムが小さい杖を取り出して、こう言って来た。

「スペル・サーチ」


そう言った後、リムが


「あら、本当ね? 確かに魔力最大値が10増えているわね? レベルも11となっているわ」


「ん? その術って、レベルも解るのか?」


「ええ、そうよ? 前に使った時は、レベル10と表示されてたけど、今は11になっているわね。と言う事は、レベル1上がって、魔力が10増えたと言う事になるわね?」


「そう言う事か……」


それで解った事があった。リムの言葉で、俺の今のレベルは11で、確か……第三の術「デスト・ドリード」は、ネクロマンサーレベル12で覚える術なのを思い出す。じゃあ、まだ覚えてなく、1レベル上がったら、覚えるって事か……よし、討伐系の依頼とかで魔物を倒して、レベルをあげて、新しい術でも覚えるかな? そんな事を考えていると、女将さんがやって来て


「朝食の時間だよ、取りに来な?」

と言ったので、カウンターで朝食を受け取る事にした。今日の朝飯のメニューは、見た事のある品だった。思いっきり茶色のスープで肉や野菜が入っているので、これ、ビーフシチューじゃね? とか思っていると


「あ、今日はシチューなのね? 美味しそう~」

リムもそう言っているし、旨いと思うので、食べてみる。思ったとおり、美味しかった。

けど、この肉……本当に牛肉使ってるのか? かなり疑問なんだが……もしかして不気味な生物の肉とか使ってるのかもな? ま、美味しいし、気にしない事にするか……そんな事を考えながら、味付けも良かったので、あっという間に完食、このシチューは、お代わりしてもOKみたいだったので、空になった皿を女将さんに渡すと、お代わりをよそってくれた。二杯目もあっという間に完食して、お腹いっぱいになったので、宿屋をチェックアウトする事にした。

宿屋を出た後、リムが


「今日はどうする? コウ?」


そう聞いてきたので、俺は


「まだ所持金がかなり少ないからな……また換金所に行って、何か依頼を受けようと思うんだが……なあ、リム?」


「何?」


「俺の術ってさ? どっちかと言うと後方支援系だろ? 足止めとか状態異常とかな?」


「そうね……確かに、コウの術って、戦闘向きの術ではないわね」


「だから、俺が足止めして、攻撃は、リムがやってくれないか?」


「解ったわ、私が攻撃で、コウが援護ね?」


「ああ、じゃあ、換金所に行こうぜ」


「ええ」


やる事が決まったので、今日も換金所に向かう事にした。換金所に辿り着き、中に入ると、今日はカウンターに二人ともいて、依頼者も並んでいて、結構込んでいた。俺は、マックかサリューさんのどっちに並ぶか、考えてから、サリューさんの方に並ぶ事にした。

数分後、俺の番になったので、サリューさんに話しかける。


「今日も依頼を受けに来たんだが?」


「……あ、服装を変えたのですね? えっと……コウ・ドリム様ですよね?」


「ああ」


「では、依頼書を持ってきますので、少々お待ち下さいませ」


そう言って奥の部屋に行き、数分後


「お待たせしました、今日の依頼はこちらとなっております」


紙を見せてきたので、俺は中身を見てみる事にした。

紙に書かれてある内容はと言うと

「シグルンの町への荷物搬送 500ベリカ」

「コロボンの討伐 600ベリカ」

「危険指定魔物、メタルウィザードの討伐 8000ベリカ」

となっていた。それを見て、俺はリムに


「なあ、シグルンの町って知っているか?」

そう聞いてみると


「町の名前は知っているけど、一度も行った事はないわね。で、コウ? どの依頼にするの?」

そう言って来たので俺は、考える。

シグルンの町は、まだ一度も行った事ないので、遠かったら帰ってくるのに、時間がかかりそうなので、却下、一番高いメタルウィザードの討伐だが、この「メタルウィザード」は、どんな生物なのか知っていた。それは、最強系の魔物である。

ゲーム「マジカル・クエスト」に登場する魔物で、ゲーム終盤に登場する魔物でもあり、レベルが50で、HPが5000もある、化け物級の魔物でもある。

しかも厄介な事に即死系の呪文「リミット・デス」と言う術を発動する。

この術を食らうと、一撃で即死状態になってしまう恐ろしい術であった。

じゃあ、どうやって倒すか? だが、俺がマジシャンで戦った時、リミット・デスをする前に「力を溜める」と言う、メタルウィザードが、行動不能のモーションに入るので、その間に、氷系最強系呪文「フリーズ・ダイヤモンド」で氷らせてから、火系最強系呪文「エレメントフレア」で倒すしかなかったからである。まあ、他に倒し方は色々あるのだが……今の状態の俺だと、出会いました。

リミット・デスを食らいました。

死にました……はい、こうなるな……うん。

だから、俺はこう言う事にした。

「コロボンの討伐にする」

そう言うと、サリューさんが

「畏まりました、では詳細を教えますね? コロボンは、ここから南に位置する砂漠の大地に現れる魔物です、特徴は鳥の様な姿に真っ白な色をしています、このコロボンを退治した時に、「コロボンの羽」と呼ばれる品が出現しますので、このコロボンの羽を三枚採集してきて下さいませ、期限は三日までとします、期限を過ぎますと、無効になりますので、お気をつけて下さい」


「解った」


「では、依頼品をお待ちしております」


サリューさんが言ったのを聞きながら、俺達は、換金所を出る事にした。

換金所を出た後、リムが


「ねえ? コウ?」


「何だよ?」


「何で、メタルウィザードの討伐依頼にしなかったの?」


「じゃあさ? リム」


「ん?」


「メタルウィザードがどんな生物か知っているか?」


「いや……知らないわ、初めて聞く名前だったし、どんな生物なの? と言うか……コウは、知ってる感じね?」


「ああ、あのメタルウィザードはな? はっきり言って、かなりの腕前じゃないと、倒せない厄介な相手だぞ?」


「そう? でも、私の術で倒せるんじゃない?」


「いや、無理だな」


「何で?」


「リム、メタルウィザードはな? 即死系の術を覚えてるんだ」


「……え?」


「それが発動したら、魔法防御も関係なしに一撃で死ぬぞ? そんな相手に、挑む気か?」


「いや……」


「だろ?」


「じゃあ、どうやって倒すのよ? と言うか……倒せるの? それ」


「まあ……倒し方は工夫をすれば倒せるんだが、今の俺達だと、戦って死ぬな、確実に」


「……そう」


「だから選ばなかった訳、解ったか?」


「解ったわ、だから、コロボンの討伐にしたのね?」


「ああ、でな……リム、コロボンってどんな生物か知ってるか?」


「知っているわよ? なんと言うか……真っ白い結構大きな鳥っぽい生物ね? でも飛べないわよ」


「……飛べないのか?」


「ええ、羽があるのに何故か飛ばないのよ、まあ二本足があるから、それで移動しているみたいね? 南の砂漠に出没って言っていたわね? 南の砂漠なら、知っているから、早速行きましょうか?」


「ああ」


俺は、そう言って、リムと一緒に依頼「コロボンの討伐」に向かう事にした。

真っ白くて飛べない鳥っぽい生物ね……なんか、あの生物に似てないか?って思うんだが……


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