~第八十四話~シグルンの町~リム(レイナ)の魔術攻撃~
気になること・・・
一週間前は、お気に入り登録件数が
1750人だったのに、今は・・・1800人越えてますね
この一週間になんでこんなに増えて・・・?って思いましたね。
依頼「シーキング」の討伐を引き受けて、俺達は、飯を食べてから、シーキングがいると思われる場所に行く事にした。
シグルンの町の食事所で、食事を取った後、シグルンの町を出る。
シグルンの町を出ると、リム(レイナ)が
「コウ、西に向かうのよね?」
「そう言う事になるな……ところでリム?」
「何よ?」
「シーキングってとか言う魔物って、どんな魔物なのか知っているか?」
「あのね……私、お嬢様だったのよ? ほとんど町から出る事は無かったから、そのような魔物とか、知るはず無いでしょ?」
「お前……お嬢様だったのか」
「そうよ? あのお屋敷って大きかったでしょ?」
「確かにな……まあ、シグルンの町から西の方角は教えて貰ったから、解ったし、とりあえず……西に行ってみる事にしようぜ」
「りょーかい、それにしても……」
「なんだ?」
「魔物が現れるのよね? この付近に生息している魔物って、どんなのなの?」
「そうだな……このシグルンの町の周辺に現れるのは、お、あれがそうだな」
俺が見つけたのは、前に何回も戦った事のある魔物
見た目がちょっとかっこいい、カイザーウルフだった。
リム(レイナ)も、その姿を発見したからか
「あれが、魔物?」
「ああ、あれはカイザーウルフと言う魔物でな? 結構強い魔物でもあるな」
「そう? で……コウ? どうするの?」
「そうだな……まずは、様子を伺ってみようぜ? こっちに襲い掛かってきたら、戦うって事にしようぜ」
「解ったわ」
そう決めて、カイザーウルフを観察する事にした。
観察していると、俺達の姿を見つけたからか、牙を剥き出して、こっちに走り込んで来たので、これは……俺達を獲物として襲い掛かって来たと言う事なので、俺はリム(レイナ)に
「リム、こっちに気がついたみたいだから、戦うぞ」
「え? そ、そう?」
「ああ、まずは……」
俺は、こっちに向かって来ているカイザーウルフに、指先を向けて、こう言う。
「デス・トラップ」
俺の術が発動、移動していたカイザーウルフの動きを止める。
動きを止めた後、俺はリム(レイナ)に
「リム、魔法を使ってくれないか?」
「え? わ、私にも魔法が使えるの?」
「だって、その体はリムの体だしな? 使えるんじゃないか?」
「私……魔法の仕方が解らないわよ?」
「じゃあ、教えるぞ? まずは……杖を持っているだろ?」
「ああ、これね?」
「それを敵に向けて、そうだな……まずは、火系の初歩の術「ファイヤー・ボール」をやって見てくれ、多分大丈夫だと思うぞ」
「……コウが、そう言うなら……やってみるわね」
リム(レイナ)がそう言うと、持っている杖を動きを止めているカイザーウルフに向けて、こう言った。
「ファイヤー・ボール!」
リムの杖が赤く一瞬光って、術が発動
小さめの火の玉が出現して、カイザーウルフに命中した。
けど……一発の火の玉を当てただけなので、それで倒す事は出来なかった。
「今のが、術……ウフフフフ」
「リ、リム?」
「コウ!」
「な、何だ?」
「他の術も教えて! 試してみたいわ!」
「お、おお」
なんか……凄いやる気になっているな……? これは何かのスイッチが入ったのか?
そんな事を考えていると、十秒たったので、カイザーウルフが動き出して、俺達に襲い掛かって来たので、俺は再び指先をカイザーウルフに向けて、こう言う。
「デス・トラップ」
二回目のデス・トラップが発動、再びカイザーウルフの動きが止まった。
うん……なんというか……このカイザーウルフに酷い事をしているよーな気もするが……まあ、魔物だしな? 別にいいか
俺は、リム(レイナ)に
「リムは、どんな魔法が使いたいんだよ?」
そう聞いてみると
「そうね~……なるべく派手なのを、やってみたいわ!」
「あ、そう……なら……風系の術をやってみてくれ、名前はエアー・ブライドって言う術だな」
「解ったわ、やってみるわね?」
リム(レイナ)がそう言うと、コツが解ったのか、杖をカイザーウルフに向けて
「エアー・ブライド!」れ
リム(レイナ)の術が発動、二枚の風の刃が出現して、カイザーウルフに命中
俺の術の効果で動けなくなっていたので、避ける動作が全く無く、あっさりと攻撃が当たって、カイザーウルフが真っ二つに切断されて、叫び声をあげる事無く、消滅したので、あっけなく倒してしまった。
「ほえー……今の魔法、なかなかいいわね~風の刃というのも、かっこいいわ~」
とか、うっとりしながら言うので、やはり……変なスイッチが入ってしまったのか? とかちょっと、心配になってしまった。
「リム、大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫、さ? コウ、どんどん行きましょうよ? 魔術の使い方は、よーく解ったわ、私とコウの術を合わせれば、無敵なんじゃない?」
「凄い自信だな?」
「ええ、それにしても……私、魔法をやるとか習っていなかったから、魔法……覚えていれば良かったわね……まあ、新しい体を手に入れたら、魔法……使ってみるのもありね? うん……だからコウ? 私の新しい体、見つけてよね?」
「それはいつになるか、本当に解らないぞ?」
「それまでは、このリムの体に憑依しているわよ、せっかくリムと仲良くなったし…………」
「どうしたんだ?」
「魔法を使ったからなのかしら……なんか疲れて来たわ……うん、今日はここまでにする事にするわ、コウ、私は消えるけど、またリムの体を借りて、現れるから、それまでは……お別れね」
「……解った、それじゃあな」
「ええ」
リムがそう言うと、目を瞑り……下を向いたと思ったら、すぐに顔をあげて
「…………コウ、おはよう」
「もしかして……リムか?」
「ええ、そうよ? で……レイナから少しだけ、体を貸してと言われて、貸していたけど……ここ何所よ? 町の中じゃ無いわよね?」
「記憶を共有してないんだな? それじゃあ……詳しく教えるな」
そう言って俺は、リムにこれまでの事を詳しく教える事にした。
教えた後、リムが
「そう……じゃあ、シグルンの町から西に向かっているのね?」
「そう言う事になるな」
「ねえ? 期限は特に無いのでしょう? なら……一回、ユーグレストの町に行ってみましょうよ? そこで色々と仕入れてから、そのシーキングがいると思われる「シーザリオ海岸」に行きましょう?」
リムがそう言うので、考える。
確かにそのまま西に向かい、シーザリオ海岸に行くより、先にユーグレストに行ってから、シーザリオ海岸に向かうのありか……と思った。
特に期限とか決まってはいないしな?
「そうだな、じゃあ……ユーグレストの町に行くとするか」
「ええ、じゃあ、行きましょうか?」
「ああ」
そう決めて俺達は、久しぶりにユーグレストの町に行く事にしたのであった。




