~第八十一話~ベゼルバード王国~シグルンの町へ戻って来ました~
はい、今回でベゼルバード王国~魔術大会編~」終了です。
次から、何編をするか?
まだ、決めてないんですよね~
ま、前に書いた6つの中から、どれかしらやるかな・・・とは、思いますけど
ベゼルバード王国の魔術大会が終わったので、俺は……
この国には、もう用は無いので、リム達と合流する事にした。
試合会場を出て、リム達が何所にいるのか?って考えていると
別の入り口から、リム達が出て来たので、声をかける事にした。
「試合、終わったぞ」
「見てたわよ? お疲れ様、コウ」
「ちょっと気になったんだが……」
「何?」
「試合会場に、観客の姿が全く見えなかったぞ? どうやって試合を観戦していたんだ?」
「ああ、それはね……魔水晶で見ていたのよ」
「魔水晶……? 何だそれ」
「コウさん、知らないんですか? 魔水晶と言うのはですね? 魔力で景色を映し出す水晶体の結晶なんですよ、私……あんな巨大な魔水晶、初めて見ましたよ?」
「……クリスは、魔水晶を見た事があるのか?」
「はい、小さいのですけど、私が母さんの手伝いをしていた時に、お客様が持ち歩いていたのを、見せて貰った事があるんです。 ちなみにですね? 前に私が手に入れた、龍の涙が原材料に含まれて作り出す魔水晶も存在していますよ?」
「そうなのか」
「はい、で、あの……コウさん? 優勝商品って一体なんだったんですか?」
クリスが、そう聞いて来たので、俺は
「秘密だ、まあ……一言で言うと、かなり便利な品だな」
「そうなんですか……何か凄い気になるんですけど……」
「ところで、コウ? この国にはまだやる事ってあるのか?」
「魔術大会には参加したし、この国に用事って、全く無いんだよな……だから、シグルンの町に戻ろうと思っているぞ、リム、それでいいよな?」
「私はOKよ? コウの仲間だしね? レインとユーリは、どうするの?」
「そうだな……一応この国の依頼は終わったしな……ユーリは、どうしたい?」
「そうですね……この国には、私の元の仲間のアインさん達が、まだいるかも知れないですし……出来れば離れたいと思いますので、別の場所に行きたいですね」
「なら、決まりだな……コウ、私達も一緒に行く事にするが……それでいいか?」
「構わないぞ、な? リム」
「ええ」
「あ、私も行きますよ、私の目的はもう終わってますしね」
「なら、決まりだな? 早速、シグルンの町へ行くとするか」
「ええ」
結局、全員でこの国から離れる事に決定した。
ベゼルバード王国の国の中を歩いて、転送陣が書かれている場所に辿りつく。
そこにいる女をよく見てみると……
「あれ、ルコじゃねーか?」
「あ、コウさん」
そこにいたのは、さっき別れたルコだった。
「こんなところで何してんだ?」
「私ですか? この転送陣を使って、相手を転送する係を行っているんですよ? 今は私の当番なんです、それにしてもコウさん……」
「なんだ?」
「何か……女の人ばっかりですね? 何なんですか? その状態」
あ、確かにそう言われると、俺一人に女四人だしな?
今、ハーレム状態に見えるのかも知れないな?
「コウ? この人って……魔術大会で、コウを試合会場に連れていた人よね?」
「ああ、ルコと言ってな? ルコに試合会場に連れて行ってもらっていたんだ」
「ふーん」
「なんだ?」
「何でも無いわよ?」
凄く気になるのだが……まあ、リムがそう言っているので、気にしない事にした。
「で……コウさん? この転送陣、使うのですか?」
「ああ、シグルンの町へ行こうと思ってるからな? 転送出来るのか?」
「はい、出来ますよ? もしかして……全員で、転送するつもりですか?」
「ああ、そう言う事になるな?」
「そうですか、解りました、では、皆さん、転送陣の上にお乗り下さい」
ルコがそう言うので、俺達は、転送陣の上に乗る。
俺達が乗った後、ルコが
「では、シグルンの町へ転送を行いますね? 本当は代金を取るのですが、コウ様は魔術大会で優勝しましたし、優勝特典として、特別に無料にて行います、またこの国に寄る事があれば、また来て下さいね?」
「解った」
「では、行きます」
ルコがそう言って、杖を取り出して
「サークル・リレイン!」
ルコの術が発動、前に使っていた「スピードリレイン」とは、別の術を使ったみたいだった。
魔方陣が光り輝いたと思ったら、一瞬で転送されて、気がつくと……
町の景色が変わっていて、目の前に魔術師の格好をした男がいて、こう言って来た。
「ようこそ、シグルンの町へ」
男がそう言うので、シグルンの町へ戻って来た事が、これで解った。
「戻って来たみたいね? コウ」
「ああ、で……クリス?」
「はい、何ですか?」
「クリスは、どうするんだ? 今からユーグレストに戻るのか?」
「そうですね……まだ、夜にはならないみたいですし、ここからなら夜になる前に、ユーグレストに到着すると思いますので、私は戻ろうと思います、あの……コウさん?」
「ん?」
「もし、ユーグレストに来るのでしたら、宿屋「ユーグレ」に立ち寄って下さいね?」
「解った、女将さんによろしくな?」
「はい、今まで色々な事がありましたけど、ちょっと楽しかったです、では、私はこれで」
クリスがそう言って、俺達から離れて行った。
クリスが離れて行ったので、俺は
「で……これからどうするかだが……レインとユーリは、どうするんだ?」
俺がそう聞くと
「そうだな……とりあえず……冒険者ギルドに行って見る事にする、ユーリ、それでいいよな?」
「はい、私はレインさんに従いますね」
「なら、決まりだな? 私達は冒険者ギルドに向かうが、コウはどうする?」
「……先に宿屋に戻ろうと考えてるぞ」
「そうか、ならここでお別れだな? それではな? じゃあ、行くか? ユーリ」
「はい」
そう言って、レインとユーリが冒険者ギルド行く事になったので、この場に残ったのは、俺とリムの二人だけになった。
「さ、コウ? 私も何だか疲れたし……この町の宿屋「ルーンライト」に行きましょうよ? これからの事は、宿屋で考えましょう?」
「そうだな、そうするか」
「ええ」
そう決めて、俺達は、宿屋「ルーンライト」に行く事にした。
シグルンの町の中を歩いて、宿屋「ルーンライト」に辿り着く。
うん、何と言うか……建物は、全く変わっていないな?
それも当然か、数日間離れていただけだしな?
そんな事を考えながら、ルーンライトの中に入ると、受付にいたのは
何故かオリフィアだった。
「あ、いらっしゃいませ~」
と、言って来たので、俺はオリフィアに
「何で、エリーが受付じゃないんだ?」
そう聞いてみると
「実は……エリーが、ちょっと病気になってしまったので、休養中なんですよ、だからエリーの代わりに私が、ここの受付をやっているんです」
「そうなの? 大丈夫なの?」
「あ、はい、ちょっと休むだけで治るので、大丈夫ですよ? それより……今日は、宿泊ですよね? 一般部屋とスイート部屋、どちらに宿泊しますか?」
オリフィアがそう言って来たので、俺は
「じゃあ、スイートで」
「畏まりました、えっと……二人は同じ部屋で宜しいんですよね?」
「ああ、いいよな? リム」
「はいはい……それでいいわよ、もう」
「では、武器を預からせて貰いますね?」
「解った」
俺達は、オリフィアに武器を預けた後、スイートルームに案内して貰う事にした。
スイートルームの部屋の中に入り、俺はリムに
「リム、これからの事だけど」
「これからの事?」
「俺の目標は、一応豪邸だからな? それを手に入れようと思っているんだ……で、リムは俺について来てくれるか?」
俺がそう言うと、リムが
「…………そうね、豪邸って、このシグルンの町にあるお屋敷でしょ? お金は溜まったの?」
「まだだな? でも、すぐに溜まると思うぞ、俺の術を旨く使えばな?」
「まあ、そうよね……コウの術を使っていけば、お金、溜まりそうよね」
「で……リムは俺と一緒にいるんだろ?」
「…………はいはい、一緒にいるわよ? コウといると命の危険とかなさそうだしね? これからもよろしくね? コウ」
「ああ!」
これってもしかして……リムの好感度が上がっている状態なのか?って思うのだが、ここで手を出して、嫌われるのは嫌だしな?
リムから「好きにして」って言ってくるまで、無理矢理手を出さない事に決めるか……と、そう決める事にしたのであった。




