~第六十六話~シグルンの町~クリスが仲間に入りました~
はい、次からシグルン編ではなく
新しい編に突入します。
紅蓮の森で、ワンバンキングを討伐した後、俺達はシグルンの町へ戻る事にした。
戻る途中、魔物が現れたので、襲いかかって来たので、戦う事にした。
現れた魔物は、鳥型の魔物で、ワンバートと呼ばれる魔物だった。
俺は、リムに
「リム、火系の魔法で倒せるか?」
「……やってみるわ」
そう言って、リムが杖を構えて、術を発動する。
「フレイ・バースト!」
しかし……何もおこらなかった。
「コウ……さっき大技使っちゃったでしょ? 魔力切れっぽいかも……」
「そうか……なら、俺が戦うしかないか」
「コウなら、楽勝でしょう?」
「まあ、そうかもな?」
俺は、襲い掛かってくるワンバードに、指先を向けて
「デス・トラップ」
そう言って、ワンバードの動きを止める。
空中で滑空しながら俺の術を食らったので、地面に激突していた。
うん……この魔術の使用MP1だから、かなりの低コストなんだよな? ま、その隙にさっさと倒すか……
そう決めて、自分の装備している武器、光夢を構えて、ワンバードに向かって、斬り付けた。
あっさりと俺の攻撃が命中し、全くダメージを受ける事なく
ワンバードが消滅していき、簡単に倒せてしまった。
「リム、他に魔物の姿は無いか?」
そう言ってみると
「……大丈夫みたいよ、他に魔物の姿が見えないしね? コウ、シグルンの町へ行きましょうか」
「了解」
そう言って、光夢を仕舞って、シグルンの町へと歩き出す事にした。
時間が過ぎていき、夕方になり始めた頃に、シグルンの町に辿り着く。
町の中に入って、早速、冒険者ギルドへと向かう事にした。
町の中を歩いて数分後、冒険者ギルドに辿り着くと、リムが
「コウ、私が中で待っていても、意味が無いでしょ? 私は建物の外で待っているわね?」
と言ったので
「解った、じゃあ、行ってくる」
そう言って、一人で冒険者ギルドの中へと入る事にした。
建物の中に入って思う事は、夕方だからなのか、人の姿がほとんどいなかった。
俺はカウンターにいる男の人に
「依頼を完了したんだが」
そう言うと、男の人が
「……何の依頼でしょうか?」
と。聞いて来たので
「ワンバンキングの討伐依頼だけど」
そう言うと
「ちょっと待って下さいね…………確かに、ワンバンキングの討伐依頼を引き受けた方がいますね、もしかして貴方ですか?」
「ああ」
「では、依頼品を提示して下さいませ」
そう言って来たので、俺はバッグから依頼品「真実の眼」を取り出して、男の人に見せる。
「では、確認作業に入りますね………………確認が取れました、確かにこれは、依頼品「真実の眼」ですね、では、依頼料をお支払い致しますので、少々お待ち下さいませ」
そう言われたので、言われたとおりに待つ事、数分後
「お待たせしました、こちらが依頼料の7000ベリカになります」
そう言って、大きな袋を渡してきて、持ってみると……中に硬貨が沢山入っているので、結構重かった。
「それと、こちらは参加証明書になります」
そう言って、一枚の紙を渡してきたので、俺は気になったので、聞いてみる事にした。
「この参加証明書ってなんだ?」
「これは、この町で危険指定の魔物を退治した人に渡している参加証明書です、この参加証明書は、ベゼルバードで開かれる、魔術大会の参加証明書になります、この証明書がある人が、ベゼルバードの魔術大会に出られると言う事になっております、もし参加されるのでしたら、ベゼルバードに行って、魔術大会の受付の人にこの紙を渡して下さいませ」
「解った」
「では……他に依頼を受けますか?」
そう聞いて来たので、俺はどうするか……考えてから、こう言った。
「いや、いい、また違う日にする事にする」
「畏まりました、またのご利用をお待ちしております」
そう言われて、俺は外で待っているリムの所に行く事にした。
冒険者ギルドを出て、俺は待っていたリムに、依頼料の半分、3500ベリカをリムに渡して、残ったベリカをコイン袋の中に入れる事にした。
依頼料をリムに分け与えた後、俺はリムに
「リム、魔術大会の参加証明書とかいうのを貰ったんだが……リムは、魔術大会は知っているか?」
「えっと……確か……何所かの国でやると言うのは、聞いた事があるわね? 何所かは解らなかったけど、コウは何所で開かれるか、聞いたの?」
「ああ、ベゼルバードで開催するらしいぞ」
「そうなんだ、コウ……参加証明書を貰ったのよね? じゃあ、参加出来るって事なんじゃない、どうするの?」
「そうだな……どうするか……」
そう考えていると
「あ、や、やっと見つけました……!」
と、俺達に声をかけてきたのがいた。
声をかけて来たのは、ユーグレストの宿屋「ユーグレ」の女将さんの娘、クリスだった。
「クリスちゃんじゃない、一体どうしたの?」
「見つけたってどうしたんだ?」
「コウさんを探していたんですよ~コウさん!」
「な、何だ?」
「一体いつになったら、私の魔術禁止を解除してくれるんですか! 私、十分反省したと思うんですよ!?」
あ……そういや、前にユーグレストの町の中で、攻撃魔術をぶっ放したので、俺の術「デスト・ドリード」を使って、クリスの魔術を禁止にしたままだったな?
あれから……約、一週間以上経過してるって事か……
「で、コウさん? 魔術禁止の解除……やってくれませんか?」
「そう言われてもな……? 俺には解除出来ないぞ」
「ええ!? じゃ、じゃあ……どうすればいいんですか!?」
「そうだな……解除できる人を知っているから、そいつに頼めば、解除出来るぞ」
「その人は、一体誰なんですか?」
「コウ、私の知っている人なの?」
「ああ、知っているぞ、そうだな……リム」
「何?」
「解除できる人は、今、ベゼルバードにいるから、丁度魔術大会も、ベゼルバードで開催される事になっているし、ベゼルバードに行く事にするか?」
「私は、コウが決めた事に従うわよ? 魔術大会ね……確かに私も気になるしね」
「じゃあ、決まりだな? で……クリス」
「もちろん私も一緒に行きますよ! いいですよね? コウさん、リムさん」
「それは構わないんだが……女将さんは、何て言ってるんだ?」
「それは大丈夫です、前に私が作成したホットケーキが、かなりの売り上げを記録して、新しい人を雇う事が出来たので、その人に宿の事を任せて、私は魔術を取り戻す為、コウさん達を探す事にしたんです、結構大変だったんですよ? 色々な人に聞いたりして、コウさん達が何所にいるのかを探して、魔術が使えないから、魔物退治が、かなり苦労しましたし……」
「そうなのか……」
「ええ、やっと見つけましたし、コウさん、リムさん、私も一緒に行きますね」
「仲間は増える事は良い事よね? よろしくね? クリスちゃん」
「はい、リムさん」
「じゃ、ベゼルバードに行くか」
「今から? もうすぐ夜になるけど?」
「……それもそうだな、じゃあ今日は、シグルンの町で泊まってから、明日はベゼルバードに行く事にするか」
「了解」
「解りました」
こうして、俺達の仲間にクリスが加わった。
ちなみに宿屋「ルーンライト」に行き、従業員のオリフィアに「新しい女が増えてる……何で??」とか言われて、クリスが「こ、子供が働いてる……不思議かも?」と、オリフィアを見て、驚いていたのであった。
ちなみに部屋は分けられました。 別に一緒でもよかったんだがな……?




