~第六十五話~紅蓮の森~ワンバンキング討伐~決戦~
俺とリムは再び、紅蓮の森にいる討伐対象のワンバンキングを倒す為、移動する事にした。
シグルンの町を出て、西に進んで行く事にして、草木が生える草原を歩いていると、草むらから魔物が飛び出して来たので、戦闘態勢に入った。
飛び出して来たのは、前にも倒した事のある魔物で
クサライムが合体した姿の、ネオクサライムだった。
ネオクサライムは俺達に気がついているからか、突撃して来るみたいだったので、俺はリムに
「リム、どっちが倒す?」
と聞いて見ると
「じゃあ、私が倒すわね? コウは足止めだけいいわ」
「解った」
そう決めて、俺は指先をネオクサライムに向けて、術を発動する。
「デス・トラップ」
そう言うと、ネオクサライムの動きが止まったので
その隙にリムが杖を振って、術を発動する。
「エアーブライド!」
リムの風系の術が発動、風の刃がネオクサライムに命中して、あっさりと真っ二つに切断、二つに別れたネオクサライムにリムが、再び術を発動
「フレイ・バースト!」
リムの火系の術が発動して、ネオクサライムに命中
二体になったネオクサライムに火の弾が命中して、燃え上がり
あっさりと倒す事に成功した。
「うん……やっぱり、倒した相手だと、攻略法も解ってくるわね」
「そうだな、ま、今日の目標はワンバンキングだから、紅蓮の森に行くぞ」
「ええ」
そう言って、俺達は現れた魔物を倒しながら、西へと進む事にした。
数時間後、再び紅蓮の森に辿り着く。
うん、二回目だけど……森の中の温度が高く感じるな……
「リム、じゃあまずは……ワンバンキングの捜索からだな」
「そうね、じゃあ、行きましょう」
「ああ」
そう言って、紅蓮の森の中に入る事にした。
中に入って、見かけるのは、所々に石化した木がある事に気がついた。
これって、ワンバンキングの石化光線が当たって、石化したんだよな……
そんな事を考えながら、森の中を進んで行くと、石像を発見
これって、昨日石化した、剣士の男だった。
顔を見てみると、驚愕の表情で石化しているから、よほど恐怖だったんだな……って感じだ。
石像がある位置から、辺りを見渡して見て、遠くの方に人型の生物を発見
体長が2メートルはあるので、目標のワンバンキングだと思われる。
「リム、ワンバンキングを遠くに発見したぞ」
「そう? で……コウ、どうする?」
「そうだな……近くに行くと、あの四つある目が動いて、それで石化光線を発射してくるから……まずは、遠くから専制攻撃としようぜ? リム、頼む」
「了解、じゃあ……何の術にすればいいかな?」
「そうだな……火系は、木に燃え移って、火事になりそうだし……まずは、光系のビーム・レイを当ててみて、反応を見る事にするか」
「解ったわ、じゃあ、行くわよ……ビーム・レイ!」
リムが杖を振って、光系の術を発動、光の光線が真っ直ぐ飛び
遠くにいるワンバンキングに命中、当たった後、観察してみると
こちらに気がついて、四つある目が俺達のいる方向を向いて
俺達の方に向かって来た。
見た感じ、ダメージは受けていなく、ほぼ無傷だと思われる。
「ビーム・レイは効いてないみたいだな、なら、俺の術を試して見るか!」
そう決めて、俺は指先をワンバンキングに向けて、術を発動する。
「デス・トラップ」
俺がそう言った瞬間、動いていたワンバンキングの動きが一時的に止まった。
この術は効くみたいだから、これで十秒間は動けないので
その隙に次の術を発動する事にした。
目標をワンバンキングにして、効果を麻痺にして、術を発動する。
「デットリー・レイ!」
これで痺れて動けない筈……そう思って、ワンバンキングを見てみると、十秒経過したので、効かなかったら動く筈なのだが……見た感じ、体がブルブルと震えているだけで、動く様子が無かったので、効いているみたいだった。
「リム、俺の術、効くみたいだぞ」
「ほんとだわ、ならコウ、他の術も試して見て」
「ああ!」
俺は、対象物を再びワンバンキングにして、指先をワンバンキングに向けて、術を発動する。
「デスト・ドリード!」
この術が効けば、俺の術の効果で呪文禁止と体力が半分になるのだが……
見た感じ、麻痺効果でブルブル震えているだけで、効果が現れているのか、さっぱりと解らなかった。
しばらく待ってみると、体の震えが収まったのか、ワンバンキングが動き出した。
麻痺効果が切れたみたいで、ワンバンキングの四つの目が赤く光出したので、石化光線が発射されるのか? と思い、石化光線の射線上から隠れながら、様子を伺って見ると、赤く光っただけで発射する様子が無く、ワンバンキングも驚いている風に見えた。
どうやら……俺のデスト・ドリードの効果が現れているみたいだな……と言うか……あの石化光線……呪文扱いだったのか……それは、驚いたな……
とりあえず、これで石化光線は封じたので、俺はリムに
「リム、俺の術で石化光線は撃てなくなっているから、前に言ってたよな? 光系の強い術、やってみてくれ!」
「う、うん、やってみるね?」
そう言って、リムが杖をワンバンキングに向けて、術を発動した。
「スター・シャイニング!」
リムの光系最強術が発動し、大きな星型の光が、ワンバンキングに何度も命中、その攻撃によって、ワンバンキングの姿が消滅していくのを確認する事が出来た。
うわー……何と言うか……見た目は綺麗だけど、かなり酷い術かもな? これ……
ワンバンキングが消滅した場所に向かって見て、地面を見てみると、青白く光る目玉があった。
うん、はっきり言って、かなり気色悪いぞ? これ
「ね、ねえ……コウ、もしかして……これが、依頼品の「真実の眼」なのかしら?」
「そうなんじゃないか? とりあえず……これで、ワンバンキングの討伐依頼は、完了だな」
そう言って、真実の眼をバッグの中に入れる事にして、触ってみると
柔らかくて冷たいので、かなり気持ち悪かった。
いつまでも触っていたくなかったので、バッグの中に仕舞って、俺はリムに
「じゃあ、リム、シグルンの町に戻るか」
「ええ、それにしても……」
「ん?」
「あのワンバンキングって、危険指定の魔物でしょ? なんか……えらいあっさりと倒せたわよね?」
「そうだな……ま、俺のおかげだな」
「あー……そうよね……やっぱりコウは、敵にはしたくないわ……うん」
「何か気にかかる言い方だな、おい」
まあ、これで、依頼「ワンバンキングの討伐」は完了したので
俺とリムはシグルンの町へと戻る事にしたのであった。




