~第三十三話~ホワイトエリア~レッドドラゴン討伐~
はい、零堵です
今回はちょっと長めですね
なんか少し・・・疲れました・・・って感じです。
ルルルルと時物の音が鳴り響いているので、その音で目が覚める。
目が覚めて、今日で異世界生活十二日目と突入した。五月蝿いから、時物の音を止めた後、俺は早速、魔証石を取り出して、自分の魔力値を調べる事にした。
魔証石で見てみると
魔力最大値160、魔力値160と表示されている。
と言う事は……レベルが2上がって、今はレベル16って事じゃないか?
1レベルで魔力が10上がるみたいなので、レベル20だと200だと思われる。
ま、これで確認が取れたし、今日は大物を倒す依頼を引き受けたので、早速リムに話す事にする事にした。洗面所で顔を洗った後、部屋の外に出て、食堂に向かう。
食堂に辿り着くと、既にリムの姿があって、俺はリムに話しかける。
「おはよう、リム」
「おはよう、コウ」
「リム、実はな……ある依頼を引き受けたんだが、いいよな?」
「依頼って何なのよ?」
「それはだな……レッドドラゴンの討伐だ」
「レッドドラゴン……コウ……本気なの?」
「ああ……俺達なら倒せると思うからな? だから引き受けたんだよ」
「ハア……確かにコウの術があれば、倒せそうよね……ま、いいわ、コウが言うなら大丈夫なんでしょ?」
「ああ」
「なら……私は問題はないわ、で、どうするの? 私……レッドドラゴンが何所にいるか、全く知らないわよ?」
「それは大丈夫だ、案内人がいるからな」
そう話していると、女将さんが
「朝食が出来たよ、取りに来なよ?」
と言ったので、朝食を受け取る事にした。受け取る時に、女将さんに話しかける事にした。
「女将さん」
「ん? 何だい?」
「実は……娘さんの事でして」
「クリスの? クリスがどうしたんだい?」
「実はですね、そのクリスに、俺の術を使ったんです、で……今のクリスの状態だと、魔法、全然使えなくなっていると思いますが、このままでいいですかね?」
「そうだねえ……ちなみにそれは、元に戻せるのかい?」
「はい、ある術を使えば、元通りになります、俺は覚えてませんけど」
「そうか……なら別に構わないよ、あの子、家の手伝いをしないで、魔術の研究とか色んな事をやっていたからね、罰としては丁度いいじゃないか、そのままで結構だよ」
「解りました」
そう言って、女将さんから朝食を受け取って、朝食を食べる事にした。朝食はパンとスープで、パンが固かったけど、スープは結構美味しかった。あっという間に食べ終わった後、リムを連れて、宿屋を出ると、魔術師姿の女将さんの娘、クリスがいた。
「コウさん、リムさん、依頼を引き受けてくれて、ありがとうーじゃあ、早速、レッドドラゴンの居場所に案内するね?」
「ああ、よろしく頼むよ、あ、それと」
「何?」
「クリス、今のお前は、全く術が使えないからな? 戦闘は俺達に任せてくれな?」
「え……!? う、嘘!?」
「嘘じゃないわよ? コウがこう言ってるのだし、クリスちゃん、貴方、本当に魔術が今、使えない状態となっているからね?」
「そ、そんなあ! 何とかならないんですか!?」
「女将さんが言うには、しばらくはそのままでもOKと許可を貰ったからな? しばらくはそのままだな」
「ううーー……魔術を使うの、結構楽しかったのに~……」
「諦めろ、さ、レッドドラゴンの居場所に案内してくれ」
「解りました……じゃあ、こっちです」
こうして、俺達の仲間に一時的に、クリスが加わる事になった。はっきり言うと、戦闘ではかなり役に立たないから、今の状態だと、ただの案内人って感じだな……? ま、そうしたのは俺だけどな……
三人で移動する事になり、クリスに案内されて、ユーグレストの町から出て行く。
町から出て、クリスが「こっちですよ」と言った方向に歩く事にした。
歩いていると、前から走ってくる魔物が見えた。魔物は、獣姿のロンリーウルフで、俺達に気が付いたからなのか、額の角を向けて、突進して来る感じがした。
「コウ? どうする?」
そうリムが言って来たので、俺は
「じゃあ、俺が足止めするから、リムが倒してくれ」
「了解」
そう決めて、俺は指をロンリーウルフに向けて、こう言う。
「デス・トラップ」
俺の術が発動して、ロンリーウルフの動きが止まったので、その隙にリムが、杖を取り出して
「アイスドリル!」
リムが術を発動して、ロンリーウルフに命中。
一撃で倒す事に成功した。地面にアイテムの狼玉が落ちていたので、とりあえず拾って、バックの中に仕舞う事にした。他に魔物もいないみたいなので、先を進もうとすると
「い、今の何なんです!?」
なんか……クリスが驚いていた。
「今のって、俺の術か?」
「はい、杖を使ってませんでしたよね?」
「ああ、俺は杖はいらないんだ、杖なしでも呪文が発動するって感じだな」
「杖無しで術を発動って、聞いた事ないですよ!?」
「そうか? ま、今の所……俺しか使えないんじゃないか?」
「そうかも知れないわね……」
「これが俺の戦い方だしな」
「はあ……あの! その術、私にも覚えられますかね?」
「……そう言えば、試してなかったな? リム」
「何よ?」
「俺の術を真似して、使ってみないか? もしかしたら……出来るかも知れないぞ?」
「……試してみる価値はあるわね……じゃあ、行くわよ……デ、デス・トラップ!」
リムが杖を使って、俺の術を発動してみたが、何も起こらなかった。
と言うか……今の……ちょっと可愛かったな?
「……やっぱり駄目みたいね……クリスちゃん、多分……コウしか使えない術なんだと思うわ」
「そうなんですか……羨ましいです……」
「そうか? でもな……今の俺って、術が三つしか覚えてないんだぞ? しかも魔力が低いしな?」
「そうなんですか?」
「ああ、今は魔力が160だな」
「あら、前より上がったのね?」
「ああ、今のレベルだと……レベル16だと思うぞ」
「レベル16で、160!? 私……今のレベルが30で、魔力が2000ですよ!?」
「それでも術が強いのよね……コウは」
「はあ……だから、レッドドラゴン退治、引き受けてくれたんですね?」
「まあな」
そんな事を話しながら、進んで行って、数時間後。
地面の色が変わって、草花が全く生えてなく、真っ白な大地と変化していた。
「この地面は……」
「ここは、ホワイトエリアと呼ばれる大地です、この先にレッドドラゴンがいます」
「それは、本当か?」
「はい、私、ここのホワイトエリアによく来ていたので」
「何をしに来てたの?」
「ここのホワイトエリアって、スノーフラワーが咲いているんですよ、それを採取する為、訪れていたんです」
「スノーフラワー?」
「聞いた事ないですか? あれがスノーフラワーです」
そう言って、クリスが指差すと、地面に真っ白い花が咲いていた。クリスが言うには、あれがスノーフラワーなのだと思う。
「へー結構綺麗な花ね?」
「はい、でもこの花って、魔法薬の材料になるんですよ、だから採取に来たりした時に、見つけたんです、レッドドラゴンがこの付近に現れる事を」
「そうなのか?」
「はい、見てください……いました」
そう言って、クリスが指差すと、岩壁の上に大きな赤色の生物がいた。少なくとも3メートル以上があって、羽があり、凶悪な顔をしている。
あれが、レッドドラゴン……
生で見ると、凄い迫力だなあ、あれがドラゴン系で二番目に強い相手か……
確か……ゲーム「マジカル・クエスト」でレッドドラゴンと戦った時、奴の体力が、約4000だと言う事を思い出す。攻撃方法は、口から火を吐く「ファイヤー・ブレス」と、飛びながら爪で引っかいて来る「滑空アタック」羽で風を起こして、攻撃する「羽ばたき」だと言う事を思い出す。
「コウ……どうする?」
「そうだな……まずは、こっちから攻撃しようぜ? 攻撃して来る前にな?」
「了解」
俺はそう言って、対象物をレッドドラゴンに設定
そして、この術を言う。
「デスト・ドリード!」
術の効果が発動して、これでレッドドラゴンの体力が半分になった。それに気がついたからか、レッドドラゴンが叫び声をあげて、俺達に向かって、口からファイヤーブレスを吐いて来たので
その火炎攻撃が来る前に、リムが
「アクア・シャワー!」
リムの水系の術が発動して、レッドドラゴンの火炎攻撃を相殺する事に成功した。
その隙に俺は、この術を言う。
「デス・トラップ!」
そう言うと、レッドドラゴンの吐いている災が止まり、動かなくなったので、俺はバッグから包丁を取り出して、レッドドラゴンに向かって、投げつけた。包丁は、レッドドラゴンに刺さる事なく、弾かれてしまい、地面に落ちる。うーむ……やっぱり……この包丁じゃ、傷ひとつつけられないようだな……
十秒経過したので、レッドドラゴンが動き始めたので、俺は再び
「デス・トラップ!」
再び俺の術が発動。レッドドラゴンの動きを止めて、他の術を言う事にした。
対象物をレッドドラゴンに設定、効果を毒にして、こう言う。
「デットリー・レイ!」
すると、レッドドラゴンの色が変色していって、毒状態になったみたいだった。その様子を見て、俺はリムに
「リム! あとは水系の術をぶっ放せ」
「水系の術?」
「ああ、なるべく強いの術をな?」
「……解ったわ! フリーズ・ダイヤモンド!」
リムの水系の最強クラスの術が発動して、レッドドラゴンに命中。
俺の術の効果で弱っていたので、一撃で倒す事に成功した。レッドドラゴンが消滅していき、地面に何か光り輝く物が落ちている。その様子を見たからか、クリスが
「うそ……レッドドラゴン相手に無傷で……強すぎじゃないですか……?」
とか、驚いていやがった。
「ま、こんなもんだな……で……本当に金剛石が、あるのか?」
俺はそう言いながら、さっき投げた包丁を拾い上げて、自分のバッグに仕舞う事にした。
「あ、はい、あそこにあるのが、そうですよね? 前に来た時に見つけたんです、何であそこにあるのか、本当に不明だったんですが」
そうクリスが指差すと、確かに金剛石っぽい石が、一個落ちている。しかし岩壁の上にあったので、とりあえず……岩壁を登って、その金剛石を採取する事に、成功した。
金剛石を取った後、岩壁を降りて、クリスに話しかける。
「で……結局、それはなんだ?」
「これは、レッドドラゴンを倒した時に出現する、龍の涙と呼ばれる宝玉です、これが欲しかったんです、倒してくれてありがとうございました」
「そうか……ま、目的の物も手に入ったし、ユーグレストの町まで戻る事にするか」
「そうね、そうしましょうか」
「はい! あ、あの……!」
「ん、何だ?」
「わ、私が魔術が使えるようになるのって……いつですか?」
「……さあ?」
「えーーーー!? 何とかならないんですか!?」
「無理、諦めろ」
「そんなあ……!」
そう話しながら俺達は、ユーグレストの町へと戻る事にしたのだった。




