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~異世界で、王道は目指しません~  作者: 零堵
~ユーグレスト編~
33/108

~第三十二話~私とユーリの活動記録その6~

はい、零堵です

今回の話は、主人公ではなく

レイン・スノウの視点でお送りします。

私とユーリは、ユーグレストの町で引き受けた依頼

「荷物搬送」を受けて、シグルンの町へと輸送する事になった。

輸送中、魔獣に遭遇するのか……? と、思ったが、魔獣に遭遇する事無く、無事にシグルンの町に辿り着く。


「無事に着きましたね? レインさん」


「そうだな、じゃあ、ギルドに向かうとするか」


「はい」

私達はこの町の冒険者ギルドへと向かう事にした。町の中を歩いて、冒険者ギルドに辿り着く。

この町の冒険者ギルドは、ユーグレストの町の換金所とは違い、建物も大きく、依頼も高額な依頼があったりするが、私に言わせると、この町の依頼は、最強クラスの魔獣討伐の依頼が多いので、今の装備だと、依頼を完了出来そうになかったので、今の所は、ユーグレストの町の換金所の依頼を引き受けるか……と、そう思っていた。冒険者ギルドの中に入り、受付に依頼品を渡す。


「承りました、これが受取書になります」

受取書を書いてくれたので、これで、荷物の搬送依頼は、無事に終了した。あとはユーグレストに戻るだけだったので、ユーリに話しかけようとすると、ユーリが、誰かと話していた。

私は、気になったので


「ユーリ、一体どうしたんだ?」


「あ、レインさん、この人が私に頼みたい事があるって、言ってきまして……」

ユーリがそう言うので、話しかけた人物を、観察してみると……

剣を装備して、荷物を背負っている男だった。


「貴方は?」

そう聞いて来たので


「私は、レインと言う、貴方は?」


「私は、ジャンと言います、よろしく……で、この子はユーリと言うのは間違いはないですか?」


「あ、はい、ユーリです」


「そうですか……では、ユーリ殿、頼みたい事があるのですが……よろしいですか?」


「私に頼みたい事ですか……?」


「ああ、私はお宝を捜し求めている、探求者なのです、ちょっと気になる塔を発見したので、それで、その塔の調査をしたのですけど……その塔の上に行けなくてですね? それで魔術師を探していたのです」


「魔術師なら、他にいると思うが……何故、ユ-リなんだ?」


「その塔にいる魔物と言うのは、シャドウナイトと言いまして、そのシャドウナイトは、光術の「ビーム・レイ」とか言う術で倒せるらしいです、その術を覚えている魔術師を探していた所、疾風の剣狼とか言う人達に教えられまして……ユーリ殿の名があがったのです」


「アインさん達が、私の事を……?」


「ああ、詳しい特徴を教えてくれたので……君が同じような格好をしていたので、声をかけたのですが……ユーリ殿、手伝ってはくれませんか?」


「……レインさん、私、どうすればいいんですか?」


「ユーリは、どうしたいんだ?」


「……この人、私の事が必要なんですよね?」


「そう見たいだぞ?」


「……じゃあ、引き受けます、レインさん、いいですか?」


「別に構わないぞ? もう依頼は完了したしな? 後は戻るだけだったし」


「ありがとうございます、ジャンさん、そう言う訳ですので、お手伝い致しますね?」


「おお、ありがとうございます、では早速、その塔に向かうとしましょう、レイン殿、ユーリ殿、よろしく頼みますね」

ジャンがそう言ったので、私達は、塔に向かう事になったのであった。シグルンの町から出て、北の方角に進んでいくと、草むらから魔獣が現れた。

現れたのは、白い蛇のような姿の魔物で、確か……ホワイト・スネークと呼ばれる魔獣だった筈、私は敵なので、剣を構える。


「レイン殿、ここは私に任せて下さい」

と言って、ジャンが剣を引き抜き、ホワイト・スネークと向き合った。

ここは……任せた方がいいのか?と、そう思ったので、様子を見る事にした。

ジャンは、ホワイト・スネークの噛み付き攻撃を避けて、回転するように切り込む、ふむ……見慣れない武術だな? その攻撃によって、ホワイト・スネークがバラバラになり、消滅していった。


「どうです、私も結構やるものでしょう」


「その剣技は、何所で覚えたんだ?」


「これは、自己流ですね、探求者は色々と危険がつき物でしてな? さ、行きましょう」

そうジャンが言ったので、道を進んでいくと、塔が見え始めた。あれが……今回調査する塔か……? 随分と古い感じがするな……


「さ、着きました、この塔の上を目指しましょう」


「はー……大きい塔ですね……」


「そうだな……さ、行くか」


「はい」

そう言って、塔の入り口の扉を押してみる。しかし……全く動かなかった。


「この塔は押したのでは開きません、こうするのです」


ジャンが、扉をゆっくりと引くと、ガラガラガラと音がして、簡単に開いてしまった。


「さ、開きましたから、中に入りましょう」

そう言って、中に入って行ったので、私達も中に入ってみる。塔の中は、薄暗くて、奥がほとんど見えない状態だった。


「レインさん、ここは私に任せて下さい、ライト・アップ」

ユーリが杖を取り出して、呪文を言うと、光の玉が出現して、辺りを照らし始めて、塔の内部が判って来た。


「ユーリ殿を連れて来て正解でした、ありがとうございます」


「い、いえ……」


「さ、道が右と左に分かれていますが、決して右の道には行ってはいけませんよ?」


「どうしてだ?」


「右の道は、落とし穴の罠が設置されているのです、暗いから気づかずに落ちる輩もいるようですしね……では、左に進みましょう」


ジャンが左の道に進んでいくので、私とユーリは、言われた通りに左の道を進む事にした。

左の道を進んでいくと、階段が見えて、上へと上がるみたいだった。階段を上がって行き、二階に辿り着くと、一本道だった。その一本道を進むと、部屋があり、その奥に階段が見える。

その階段の手前に、二体の鎧が、通行を阻止するかのように、置かれてあった。


「あれが、シャドウナイトです、さ、ユーリ殿、術をお願いします」


「えっと……大丈夫なのかな……まあ、やってみますね? ビーム・レイ!」

ユーリの術が発動して、シャドウナイト一体に命中

すると、一撃でシャドウナイトが消滅した。


「あ、倒せました!」


「あと一体です、残りもお願いします」


「わ、解りました、ビーム・レイ!」

もう一回、ユーリが術を発動して、残ったシャドウナイトに命中

こっちも同じように消滅して、これで上に行けるようになった。


「これで上へ行けますね、さ、行きましょう」

そうジャンが言うので、私達も階段を上って、上の階へと向かう事にした。三階に辿り着くと、ここも一本道で、奥に部屋があるみたいだった。一本道を歩いて、部屋の中に入ると、棺が三つあるだけで、奥に階段がないので、ここが最上階なのか……?


「何なんでしょうね? この部屋……」


「ああ、あの箱の中に何かが入っているんじゃないか?」


「そうですよね……? それしか、ないですしね?」


「早速開いて見ましょうか? 私は真ん中、ユーリ殿が右の箱を、レイン殿は左の箱をお願いします」


ジャンが言ったので、言われたとおりにして、箱を開いてみる。私が開いた箱の中に入っていたのは、一本の剣だった。この剣って何なんだ? と思い、取り出して振ってみると、剣から火が渦巻いて飛び出て、ちょっと驚いてしまった。その様子を見て、ジャンが


「レイン殿、その剣は魔法剣のようですね?」


「魔法剣?」


「ええ、効果を見る限り、火が出ましたので、魔法剣 フレイ・ブレードかと思います」


「ほう……魔法剣ね……うん、これは使えそうかもな……ところで」


「はい」


「この剣を勝手に持っていっていいのか? ここにあると言う事は、誰かがここに保存をしたと言う事だろう?」


「そうですねでも……この塔の持ち主が誰かとか、全く解らないし、それにこの塔、結構古い塔なので、作成者がもう既に亡くなっている可能性が高いと思います。私は探求者なので、お宝を発見したら、自分の持ち物として、持っていくとかしていますね、それが探求者と言う者です、または盗賊とも言うかも知れません。でも私は、この探求者を誇りに思っていますので、やめるつもりはないですよ」


「なるほど……じゃあ、せっかくだし、この剣は頂いていくとするか」

せっかく手に入れたので、私はこの剣を使う事にした。今使っている剣を、この箱の中に入れて、この剣を鞘に収納する。丁度剣を買い換えようと思ってたので、これはいい物だな……って、思ってしまった。

「レインさん、こっちの箱には何も入っていなかったです」


そうユーリが言って、ジャンが持っているのは、指輪みたいな物だった。


「それは何だ?」


「よく解りませんが……値打ち物かも知れないですね、とりあえず貰っておきます」

ジャンがそう言って、指輪を懐に仕舞う。


「さ、これでこの塔の調査は完了したので、戻りましょうか」


ジャンが言ったので、私達は塔を出る事にした。

塔を出た後、ジャンが


「レイン殿とユーリ殿は、これからどうするんです?」


そんな事を聞いて来たので


「私達はユーグレストに戻る事にしているが、ジャンは?」


「私は、シグルンの町に戻ります、じゃあ、ここでお別れですね? また何所かで会えるかもしれないですが、それまで……さようならです」


ジャンがシグルンの町の方へ、歩いて行ったので、私は


「じゃあ、ユーリ? 私達は、ユーグレストに行くか」


「はい」

そう言って、ユーグレストの町へと、向かう事にしたのであった。

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