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~異世界で、王道は目指しません~  作者: 零堵
~ユーグレスト編~
32/108

~第三十一話~女将さんの娘~クリス、颯爽登場~

はい、今日は二本目です。

この回で、文字数10万文字達成しました。

うーん、長く書いたなあって感じです。

北にあった塔で、依頼「シャドウナイト」の討伐を完了した俺達は、ユーグレストの町へと、戻る事にした。戻る途中、出くわしたのが、戦っている人達と遭遇した。

戦っているのは、剣士と魔術士と槍を持っているので、槍使いだと思われる人達で、相手にしている魔物は、獣姿だったけど、ロンリーウルフとは、全く違った生物だった。

と言うかあれ……見た事あるな? 確か……ゲーム「マジカル・クエスト」にも登場した魔物で、名前が確か……「カイザーウルフ」だったと思われる。カイザーウルフは、ロンリーウルフとは違って、姿が銀色をしていて、ゲームだと、かなりカッコいい魔物でもあった。

体力も結構多めで、攻撃方法はと言うと、ロンリーウルフと同じ噛み付き攻撃と、あと……分身して、二体になって引っ掻いて来る「分身アタック」があった。

俺がゲーム「マジカル・クエスト」で、戦った時は、火系の術「フレイ・バースト」を当ててから、風系の術「ウインド・スラッシュ」を発動させて、倒していたなあ……

倒した時に入る経験値も結構多かったので、出くわしたら倒しまくっていたのを思い出した。


「コウ……なんか、戦っているけど……助ける?」


「そうだな……ちょっと、様子を見て、やばそうだったら助けようぜ?」


「そう……」

俺とリムは、戦っている人達の観察をしてみる事にした。金髪の男が、剣を持っているので、あれが剣士なのだと思う。で、魔術士姿の女をよく観察すると、えらい可愛い子だった。

魔術士の格好もかなり似合っていて、スタイルも抜群な感じだった。

聞こえてくるのが「アイン、大丈夫!? 私も加勢するわ!」とか聞こえてくる。

そう言って、女の子が杖を取り出して、術を発動するみたいだった。


「サンダー・ブロウ!」


女の子の術が発動、カイザーウルフに稲妻が命中し、カイザーウルフの動きが止まった。あの術って……ゲーム「マジカル・クエスト」でも出てきた術で光系の術だな、効果は、敵一体に200のダメージを与えると言う術なのを思い出す。カイザーウルフは、術を食らって、動かない状態の時に


「うおおおお!」


剣士の男が、カイザーウルフの首を跳ね飛ばし、カイザーウルフを倒したみたいだった。

うん……別に助ける必要無かったみたいだな? しかも「さすが、アイン! 頼もしいわー!」と言って、男に抱きついている。……何だろうな? 軽く殺意が芽生えてくるのは、気のせいか?

しかも……男が「や、やめろよ、恥ずかしいだろう?」とか言っているが、振り解いてないから、何言ってるんだ?って、思ってしまう。よく見てみると、槍使いの男がため息をついていた。

……よし、あんまり関わらない方がいいよな……? そう思ったので、俺はリムに


「リム」


「何?」


「ほっといて、ユーグレストに行くぞ」


「……そうね……あんまり関わらない方がいいかもね……」

そう言って俺達は、あいつらに見つからないように、ユーグレストへと戻る事にした。

数時間後、ユーグレストの町に辿り着く。魔物が出てこなかったので、戦闘を行う事もなく、無事にユーグレストに辿り着いた。


「さ、ユーグレストに着いたから、早速換金所へと、向かおうとしようぜ?」


「そうね」

そう決めて、換金所に向かい、換金所に辿り着いて、中に入ると、カウンターにいるのは、サリューさんだけしか、いなかった。サリューさんだけしかいなかったので、俺はサリューさんに、話しかける。


「依頼を完了したんだが?」


サリューさんにそう言うと


「あ、コウ様ですね? コウ様の依頼は…………「シャドウナイトの討伐」となっておりますが、では、依頼品を提示して下さいませ」


俺は依頼品を、バッグから取り出して、サリューさんに見せる。


「では、確認を致しますね……………………確認が取れました、では依頼料をお支払い致しますので、少々お待ち下さいませ」

そう言って、奥の部屋に行き、数分後


「お待たせしました、こちらが依頼料の700ベリカとなります、お受け取り下さい」

サリューさんから、700ベリカを受け取り、バッグの中に仕舞った。仕舞った後、サリューさんが


「コウ様? 今日は依頼を引き受けますか?」


「いや、明日にするよ」


「畏まりました、では、またのお越しをお待ちしております」


サリューさんと別れて、俺とリムは、換金所を出る事にした。換金所を出て、どうしようか……と考えていると

「貴方達が、コウさんとリムさんかな?」


俺達に話しかけて来たのがいた。話しかけて来たのは、魔術師の格好をした女の子で、栗色の髪をしている。一体、誰なんだ? と思ったので


「そうだが……誰だ?」


「そっか……なら、その腕前……ためさせて貰うわ!」


女の子がそう言うと、いきなり杖を構えだして、術を唱え始めたから、驚いてしまった。


「行くよ! ライトボール!」


そう女の子が言って、光系の術が発動、光の弾が襲って来たので、直線だったから旨く避けた。それを見たからか、女の子が


「ふうん、なかなかやるねーじゃあ、これならどう!」


そう言ってまた、術を唱え始めようとしたので、リムが


「コウ? こうなったら、あの術をこの子に使っちゃいなさい」


「あの術って、あれか?」


「ええ、いきなり攻撃魔法を使って来るのよ? 危ないじゃない」


「それもそうだな、じゃあ」


俺は、対象物を目の前にいる女の子に設定、そして、あの術を言う。


「デスト・ドリード!」


「いっけぇぇ! サンダーブロウ!」


そう言うが、術が発動しなかったので、俺の術が決まったみたいだった。それを感じたからか、女の子が


「あ、あれ!? な、なんか……体の調子が悪く……それに何で、術が発動しないの!?」


「俺の術で、呪文禁止にしたからな? で……」


「う……」


「何で俺達の事を襲ってきたんだ?」


「……母さんから聞いて……」


「母さん?」


「お、覚えてなさいよーー!」


何所かへと逃走を始めようとするが、俺から逃げられると思うなよ! 俺はすかさず

「デス・トラップ!」

そう言って、女の子の動きを止める。女の子が自分が動かなくなった事に驚いているみたいだった。


「あ、あれ、な、何で!?」


俺は後ろから、肩を掴んで、こう言ってやる。


「いきなり、町の中で魔法をぶっ放すとは、何しやがるんだ? ああ!?」


とか言ってやると、女の子が


「う……ご、ごめんなさい……」


「なあ、リム、こう言う場合、どうすればいいと思う?」


「そうね……町の中で攻撃魔法を使って来たでしょう? だから、町の役人に突き出すのもありよ? コウ」


「そ、それだけはーご勘弁をーー!!」


「じゃあ、もうしないか?」

「しませんしませんー! 許して下さいーー!」

女の子が叫ぶもんだから、物凄く目立っていた。うん……とりあえず反省はしているみたいだし、役人に突き出すのも何か、可愛そうな気もして来たので、俺は


「じゃあ、許してやる」


手を離すと、女の子が一目散に逃げていった。


「とりあえず……あの子……何がしたかったのかしらね?」


「さあ……とりあえず、宿屋に行くとしようぜ?」


「ええ、あ、コウ、依頼料の半分、頂くわね?」

そうリムが言うので、俺は依頼料の半分、350ベリカをリムに渡して、宿屋「ユーグレ」へと向かう事にした。宿屋「ユーグレ」に辿り着くと、女将さんとさっきの女の子がいた。

俺達の姿を見て、女将さんが


「どうもすいませんね? この子が、馬鹿な事をして」


俺は女将さんに


「この女の子って、女将さんの娘さん?」


そう聞いてみると


「ええ……私の娘で、クリスって言います、ほら、クリス! この二人に謝りなさい!」


「ううーーー! さっきは本当にすいませんでした……」


クリスね……女将さんと全く似てないんだが? 女将さんの若い頃って、クリスみたいだったのか……? とか、ちょっとそう思ってしまった。


「それより、今日もお泊りですよね?」

と、女将さんが言うので、はいと答えて、同じ部屋にして貰った。部屋に案内されて、今日もリムと別れて、一人で部屋の中に入って、休んでいると、コンコンとノックの音がしたので、扉を開くと

女将さんの娘のクリスがやって来た。


「一体何の用だ?」


俺が聞いてみると


「さっきはごめんなさい……いきなり術をしようとして」


「まあ……謝って貰ったから、許してやるが……でもいきなり攻撃魔法はないだろ?」


「お母さんから魔術師が泊まってるって聞いたから、私より強いのかちょっと気になって、それであの……

お願いが、あるんですが……」


「お願い?」


「ええ……コウさんって、結構強いんですよね? この宿に、ほとんど毎日泊まってるし、しかも怪我とか全くしてないよね?」


「まあな」


「だから、私から依頼……頼んでいいですか?」


「内容にもよるが、一体何だ?」

「実は……ある物が欲しいんです、その材料って、ある魔物が持っているんだけど……私だけじゃ倒せないから、誰かにお願いしようと思ってね? で、コウさんとリムさんが、強そうと思ったから、母さんに特徴を聞いて、試させて貰ったの」


「ほう……で? つまり……討伐依頼って事か?」


「うん、倒して欲しいのはね? レッドドラゴンなの、コウさん、倒せる?」

そう言われて考えてみる。レッドドラゴンね……はっきり言うと、倒せる気がする。

リムもいるしな?


「まあ、倒せるぞ? ただ……」


「ただ?」


「何所にそのレッドドラゴンがいるか、全く知らないんだが?」


「大丈夫、私が知っているよ、私が案内してあげるから、レッドドラゴン、退治してくれませんか?」

そう言われて俺は


「いいぜ?」


「本当?」


「ああ、で、報酬は?」


「レッドドラゴンのいる場所に、何故か金剛石があるの、それじゃ駄目?」


「解った、今日は遅いから、明日から出発でいいか?」

「うん! ありがとう! 攻撃魔法をしちゃってごめんね? それじゃあ」

そう言って、クリスが離れていく。クリス……馬鹿っぽい感じだけど、結構素直な子なのかもな……

俺は一人になって、リムに言うか……と、そう思っていたのであった。

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