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~異世界で、王道は目指しません~  作者: 零堵
~ユーグレスト編~
31/108

~第三十話~北の塔~シャドウナイト討伐~

俺とリムは、依頼「シャドウナイト」の討伐の為、北にあると思われる塔へと、行く事にしたのであった。ユーグレストの町から、北を目指して歩いていると、草むらから何か飛び出してきた。

飛び出して来たのは、狼型の魔物で、ロンリーウルフと呼ばれる魔物だった。

ロンリーウルフは、俺達に牙を向けて、襲い掛かって来たので、俺は慌てる様子もなく


「デス・トラップ」

俺の術でロンリーウルフの動きを止める。動かなくなった状態のロンリーウルフに、俺は別の術をかける事にした。

対象物をロンリーウルフに設定し、効果を毒にして、こう言う。


「デットリー・レイ!」

俺の術が発動して、ロンリーウルフの体が、変色していって、毒状態になったみたいだった。

それを見たからか、リムが


「コウ……やっぱり、卑怯な術よ、それ……」


「そうか?」


「ええ、でも術の効果が切れるから、動き出すんじゃないかしら?」


「それもそうだな」

そう話していると、十秒経過したので、ロンリーウルフが動き出す。毒の効果があるのか、動きがさっきより鈍くなっていた。俺は、動きが遅いロンリーウルフの噛み付き攻撃をあっさりと回避して、バッグから、マイ包丁を取り出して、ロンリーウルフを切り付ける。

結局、ノーダメージで戦闘が終わって、ロンリーウルフが消滅

その場には、何も残っていなかったので、狼玉は、どうやら無いみたいだった。

戦闘が終わると、リムが


「コウ? 今のでどのくらい魔力を使ったの?」

と、聞いて来たので、俺はバックから魔証石を取り出して、翳してみる。現れた数字はと言うと

魔力最大値140、魔力値135と、表示されていた。

と言う事は……あと、十回以上は確実に使えるって事だよな? 本当に低コストで、かなり嬉しい感じだぜ!って思う。


「今の術で、使用魔力がたった5だな」


「5!? 嘘でしょ!?」


「嘘じゃねーよ、どうだ、凄いだろ?」


「はあ……コウ……もしかして、大魔術師の素質があるのかもね……」


「そうか? と言うか……今の俺、魔術って三つしかないぞ?」


「それでも、最強じゃないかしら? ところで……」


「ん?」


「まだ他に術を覚えたりするの……?」


「そうだな……ま、レベルが上がれば、四番目の術を覚えるぞ? 今は、まだレベルが低いから、覚える事はないがな?」


「そう……まあいいわ、とりあえず、先に進みましょう?」


「おう」

そう言って、俺達は北に進んでいく。町から結構歩いて、やっと塔を発見した。

塔は、茶色い色をしていて、結構高い塔に見える。


「結構高い塔だな……」


「そうね……まあ、中に入ってみないと、解らないわよね?」


「そうだな」

そう言いながら、俺達は、塔の入り口に向かう。入り口は、扉で閉ざされていて、開く様子が全く無かった。


「コウ、これは、魔術をぶつけて、壊せばいいのかしら?」


「そうだな……とりあえず、押したりしてみて、駄目だったらそうしようぜ?」


「そうね」

そう言って、俺は扉を押してみる。しかし……全く動く様子がなかった。

押すが駄目なら引いてみようと思ったので、引いてみると、ガラガラガラと音が鳴り、あっけなく扉が開く。これ……引き戸になってたのかよ?

まあ、せっかく開いたんだし、早速中に入ってみる事にした。

塔の中は、薄暗く、明かりが全くないので、奥が暗くてほとんど見えなかった。

俺は、リムにこう言う事にした。


「リム、明かりの魔法を頼む」


「了解、ライト・アップ」

リムがそう言うと、光の玉が出現して、辺りを照らしていく。照らし出されて見えて来たのは、左右に別れた道だった。


「リム……こう言う場合、どっちに行けばいいと思う?」


「そうね……とりあえず、右から行って見ましょう? 何もなかったら、引き返すって事で」


「そうだな」

そう決めて、右の道に進む事にした。

右に進むと、いきなり地面が割れて、穴が出現。

俺が前にいたので、いきなり落ちそうになったが、リムが手を伸ばしてくれて、何とか穴に落ちずに助かった。


「落とし穴の罠かよ!」


「地面が開くって、この塔を作った者って、相当用心深い奴なのかしら?」


「だろうな、けど落ちたら、どうなってたんだ?」


「多分……死んでたんじゃないかしら? ほら」

そうリムが指差したので、穴の底を見てみると、先が尖った剣の山が垂直に立っている。

と言う事は……もし落ちてたら、串刺しになってたって事か……よく見てみると、骸骨がちらほらとあったので、誰かしら落ちて亡くなったんだと思われる。


「右は罠しかないみたいだし……戻って、左の道に進みましょうか?」


「ああ、そうするか……それより」


「ん?」


「ありがとうな? 助けてくれて」


「それは助けるわよ、いきなり落ちかけて、びっくりしたんだがら」


「そうだな……じゃあ、来た道を戻って、左の道に進むぞ」


「ええ」

二人で相談した後、来た道を戻り、今度は左の道を進む事にした。

左の道を進んでいくと、螺旋状の階段があったので、上に行けるみたいだった。

他に何も無さそうだったので、階段を上っていき、二階にたどり着く。

二階は、一本の道しかなく、真っ直ぐ進んでいくと、大きな部屋が見つかった。

部屋の奥を見てみると、同じ螺旋階段が見えるので、あれで上に行けるんだと思われるが……その部屋の中に、数十体の騎士の置物があった。

と言うか……これ、シャドウナイトじゃね?って感じがする。

ゲーム「マジカル・クエスト」で見た姿と、全く同じ姿で、置物見たいな感じに部屋の中あるので、俺は、リムに


「リム」


「何?」


「あれが、討伐対象の「シャドウナイト」だ、だがな? 使用する術は、光系の術で頼む」


「え……火系とか使っちゃ駄目なの?」


「使ってもいいが、あのシャドウナイトは、火系の術が全く効果がないんだ、効果があるのは、光系の術だけだぞ? とりあえず、一発、あのシャドウナイトに「ビーム・レイ」を試してくれないか?」


「それで倒せるの?」


「倒せるぞ、まあ、試してみてくれ」


「コウが、そう言うなら……やってみるわ、ビーム・レイ」

リムの光系の呪文が発動して、シャドウナイトに命中、シャドウナイト一体が、消滅したので、ビーム・レイで倒せる事が、これで証明された。


「あ、倒せたみたいね」


「だろ? だから、術はビーム・レイだけで、頼むぞ」


「解ったわ、コウはどうするの?」


「俺は、こうする」

そう言って、対象物をシャドウナイトに設定、効果を毒状態にして、こう言う。

「デットリー・レイ!」

俺の術が発動して、シャドウナイトの体が変色したと同時に、一瞬で消滅した。

えらく早いな……状態異常にこんなにも効果があるのか……

二体消滅したので、残っているシャドウナイトが、動き出して、持っている大剣を構えだす。

しかも、一斉に動き出したので、はっきり言うと、物凄い怖く感じてしまった。


「リム! 逃げながら、ビーム・レイを当てるんだ!」


「わ、解ったわ!」

俺はそう言って、突撃してくるシャドウナイトを避けながら、対象物をシャドウナイトに設定、効果を毒にして、術を放つ。


「デットリー・レイ!」

俺の術が効いて、一瞬で消滅、残ったシャドウナイトは、リムの「ビーム・レイ」で全部討伐する事に、成功したみたいだった。数分間の戦闘が終わり、地面には、真っ黒な石が落ちていたので、これが依頼品の「黒石」なのだと思うので、数を数えて、バックの中にしまう。


「どう……コウ」


「ああ、依頼品の黒石四個、しっかりと確かめたからな? あとは、戻るだけだな」


「そうね……で、奥に階段が見えるけど、上に行ってみる?」


「……別にいいだろ、依頼ってこの塔の調査じゃないんだしな」


「……それもそうね? じゃあ、戻りましょうか」


「ああ」


俺とリムは、ユーグレストの町へと、戻る事にしたのであった。



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