~第二十九話~私とユーリの活動記録その5~
はい、零堵です。
今回は、主人公ではなく
レイン・スノウの視点で、お送りしております。
時物の音が鳴り響いているので、私は目が覚める。
目が覚めて、音が大きいので、時物のボタンを押して、時物の音を止める。
止めてから、洗面所に向かい、顔を洗った後、身だしなみをチェックして、それが終わったら、まだ眠り込んでいるユーリを起こす事にした。
「ユーリ、起きろ、朝だぞ?」
そう私が言うと、ユーリが起き出して
「あ、おはようございます……レインさん」
「ああ、じゃあ、今日も依頼を引き受けにするとしようか」
「はい、そうですね」
そう言って、出かける準備をして、朝食を食べた後、宿屋をチェックアウトする。
そして、換金所に向かい、換金所の中に入ると、今日は、私達の他に、女性の姿が無く、男だらけなので、ちょっと、嫌な感じがしてしまった。その様子を見たからか、ユーリが私の後ろに隠れてくる。
私はユーリを男どもの視線から隠すように、ユーリの前に立ち、マックしかいなかったので、マックに話かける事にした。
「依頼を受けたいんだが?」
「……レイン様ですね? 今日の依頼は、こちらとなっております」
マックが依頼書を提示して来たので、見てみると
ビック・グリーの討伐 1000ベリカ
荷物の搬送 500ベリカ
ブレイバードの討伐 3000ベリカとなっていた。
ブレイバード……聞いた事のない魔物だな……3000ベリカと言う事は、かなりの強敵なのだと思う。
気になったので、私はマックに問いかける。
「このブレイバードと言うのは?」
「このブレイバードは、危険指定の魔物ですね、鳥型の魔物で、大きさがかなりあります、攻撃も強く、戦いを挑んで、やられた方も多少はいます、だから、このような値段になったのです、レイン様、この依頼を引き受けますか?」
「そうだな……なあ、マック? この依頼を引き受けたとして、依頼完了出来そうに見えるか?」
「そうですね…………はっきり申しますと、やめた方がいいと私は思いますね? 勝てる見込みがなさそうですし」
「そうだよな、だから……この依頼じゃなくて、別の依頼を引き受ける事にするよ」
今の私達だと、倒せそうにないので、私は、こう言う事にした。
「じゃあ、荷物の搬送依頼を受けるよ」
私がそう言うと、マックが
「畏まりました、では、品物をお持ちしますので、少々お待ち下さいませ」
奥の部屋に行った後、大きな袋を持って、戻ってきた。
「こちらが荷物になります、この荷物を、シグルンの町まで持って行って下さい、受取人は、シグルンの町のギルドの受付の人に渡して下さい、依頼料は、受取書をあちらで記入してもらい、その証をこちらで確認が取れ次第、渡します、期限は三日までとしますので、よろしくお願いします」
私に荷物を渡してきたので、持ってみると……結構重くて、袋が閉まっているので、中に何が入っているか、全く解らなかった。何が入っているか、気になったので、私はマックに
「マック、この荷物の中身って一体何だ?」
そう言うと
「それは秘密です、中を見てはいけませんよ? 依頼品ですので」
「解った……」
まあ……運ぶとするか……と、そう思い、ユーリを連れて、換金所から出る事にした。
換金所を出て、シグルンの町へ向かおうとすると
「あ、ユーリじゃないか?」
と、私達に声をかけて来た男がいた。見た目で言うと、かなり体格がよく、結構強そうに見える。
その男を見て、ユーリが
「あ、カイさん……」
と言っている。うん……? 知り合いか?
「この町に来てたんだな、どうだ? 他の魔法は覚えたのかよ?」
「えっと……」
「どうやら……覚えてないっぽいな? ところで……」
カイと呼ばれた男が、私を見てきたので
「何だ?」
「あんたが、ユーリと一緒にいる者か?」
「まあ、そうだが……それがどうかしたか?」
「そっか……俺は、カイと言う、一応冒険者だな、魔術は使えないが、俺にはこいつがあるからな」
そう言って、武器を取り出して、私達に見せてくる。カイの持っていた武器は、剣ではなく槍だった。
「お前……槍使いか?」
「ああ、剣よりこっちの方が使いやすくてな? で……あんたの名前は?」
「私か? 私は、レインと言う」
「レインか、覚えたぜ、でな……? レイン、一つ言っておくが」
「何だ?」
「ユーリの事、頼んだぞ? ユーリ一人だと危なくてしょうがないからな?」
「……何故お前が、ユーリの事を?」
「いやな……俺達のパーティ「疾風の剣狼」にユーリは所属してたんだが……ユーリって、攻撃魔術が一つしかなくてな? だからアインが、あ、アインと言うのは、俺達のリーダーな? そのアインが「仲間から抜けて貰う」と言ったからな、一人で大丈夫か、ちょっと心配になってな……」
「……ほう、お前がリーダーじゃなかったのか?」
「俺じゃないな、四人メンバーだったけど、今はユーリが抜けて、三人になったな」
「あの……カイさん」
「どうした? ユーリ」
「私が抜けて、依頼とか大丈夫でした?」
「そうだな、すまないが……全然大丈夫だったぞ? アーシャが魔法を使いまくってな? 難しい依頼なんか簡単にクリアしてるしな? それに……」
「それに?」
「いや、何でもない、とにかく無事でよかったぜ? じゃあ、俺は仲間が待っているからな? それじゃあな」
そう言って、カイが何処かへと立ち去った。私は、ユーリに詳しく聞いてみる事にした。
「ユーリって、疾風の剣狼とか言うパーティに入っていたんだな?」
「はい……私が抜けて、今は三人のようですけど、剣士のアインさん、魔術師のアーシャさん、槍使いのカイさん、そして魔術師の私を入れて、四人で活動していたんです、けど……カイさんが言った通り、アインさんとアーシャさんに仲間から抜けてくれと言われちゃいまして……アーシャさんは、攻撃魔術をいっぱい覚えていて、私は一つだけでしたので、足を引っ張る訳には行きませんでしたので、シグルンの町でパーティを抜けたんです」
「それで、私と会ったって事か」
「はい、そうなります、でも……」
「でも?」
「私、レインさんと一緒にいられてよかったです、レインさん、これからもよろしくお願いしますね?」
「それは別に構わないんだが……だがいいのか? 戻らなくて」
「……はい、今更戻ったって、私……役に立ちそうにないですから」
「そうか……よし、とりあえず、荷物の搬送依頼を引き受けたからな? シグルンの町へと行く事にするか」
「はい」
こうして、私とユーリは、シグルンの町へと、荷物を輸送する事にしたのであった。
最近、考えている事
コウの新しい術の名前ですかね?
かっこいい名前にするか、あえてダサい名前にするかって感じです。
ダサイ名前にするのも、面白そうでありかも?とか思っていたりw




