~第二十七話~新しい品を購入~桃色吐息~
俺とリムは、シリルの町からユーグレストの町まで、戻る事にした。
戻る途中、現れた魔物がいて、その魔物は、一番最弱のクサライムだった。
クサライムが現れたけど、俺達に襲い掛かってくる感じが、全くしなくて、様子を見ている風に見えた。
「なあ、リム?」
「何?」
「このクサライムだけどな……襲い掛かってこないな?」
「そう見たいね? 何か様子を伺っている風に見えるわ」
「だろ、じゃあ……無理に戦う必要なくないか? 襲い掛かって来ないなら、ほっといて先に進もうぜ?」
「そうね、クサライム一匹だけみたいだし、そうしましょうか?」
そう決めて、俺達はユーグレストの町に、戻る事にした。歩いていると……何故かは知らないけど、クサライムがついて来ている。何でついて来るんだ……? とか思いながら、ほっといていると……
別のクサライムが現れて、合計四匹になった。
お、もしかして……合体するのか? クサライムは、四匹現れると、合体して、ネオクサライムになるので、その姿が見られるのかも知れないな?
よし、観察してみるか……と思い、立ち止まって、観察してみる事にした。
クサライムが、四匹集まり、くっついていき、そして体が混ざりあって、一瞬光り輝くと色が変色して、青色になったネオクサライムが、出現した。
変身シーン、一瞬かよ!? もっと時間をかけて、変化すると思ったのだがな……?
「クサライムが合体して、ネオクサライムになったわね?」
「そう見たいだな? どうする? リム」
「そうね……襲い掛かってきたら、戦いましょう?」
「解った」
ネオクサライムが、攻撃モーションに入ったのか、俺達に突進してきたので、俺とリムはそれを避けて、リムが、杖を取り出して、こう言う。
「ファイヤー・ボール」
リムの火系の術が発動
一番弱い火系のファイヤー・ボールが、ネオクサライムに命中したのだが……ダメージを受けた風には、全く見えなかった。
「このファイヤー・ボールでは、倒せないみたいね?」
「どうやらそのようだな、じゃ、俺はアシストするぜ? デス・トラップ」
俺がそう言うと、ネオクサライムの動きが止まる。
「リム、他の術を試してみてくれ」
「解ったわ、じゃあ、これならどうかしら? アイスドリル」
リムの水系の術が発動、氷の槍がネオクサライムに命中すると、体が凍って行き、氷状態になったみたいだった。
「状態異常の氷状態になったみたいだな」
「そう見たいね? でも……この術でも、倒せないみたいね……まあ、凍ったから動けはしないだろーけど……どうする? コウ」
「うん、そうだな……ほっとくか、どうせな……このままにしても、問題はないだろ?」
「ま、そうよね、じゃあ、行きましょうか」
氷の置物一体を、その場に残して、ユーグレストの町へと、向かう事にした。
数十分後、ユーグレストの町に辿りつく。町に辿り着いたので、俺達は、換金所へと向かう事にした。
換金所に辿り着き、中に入ると、今日は、カウンターには、二人ともいて、依頼者も数名並んでいたので、今日はどっちに並ぶか迷って、マックの方が、並ぶ人数が、少なかったので、マックの方に並ぶ事にした。数分後、俺の番になたので、俺はマックに話しかける。
「依頼を完了したぞ」
「あ……コウ様ですね? コウ様の依頼は……「荷物の搬送」となっておりましたが?」
「ああ、だから受取書を持ってきた」
俺はそう言って、バッグの中からシリルの町で貰った、受取書をマックに見せる。
「…………はい、確認が取れました、では、依頼料をお支払いするので、少々お待ちくださいませ」
奥の部屋に行き、数分後
「お待たせしました、こちらが依頼料の500ベリカとなっております」
俺は、500ベリカを受け取った後、バッグの中にしまった。
うん……結構溜まった感じがするかも? 少なくとも今のコイン袋の中に、2000ベリカ以上は入っている気がする。まあ、魔法のお陰なのか、重さが全く感じないけどな……
「コウ様、今日は他の依頼を受けますか?」
と、マックが聞いて来たが、別に明日でもいいか……と、そう思ったので
「いや、今日はやめにして、明日にするよ」
俺がそう言うと
「解りました、では、また明日、お越し下さいませ」
俺とリムは、換金所から出る事にした。
換金所を出た後、俺はリムに
「リム」
「何?」
「今もらったお金だけど、いるか?」
「そうね……500ベリカでしょ、そのお金でさ? 雑貨屋で何か買いましょうよ?」
「リムがそう言うんだったら、そうするか」
「ええ、じゃあ行きましょう」
「ああ」
俺とリムは、町の中を歩いて、ある一軒のお店へと向かう事にした。
数分後、お店に着いたので、店の中に入る。
店に入ると、野太い声で
「いらっしゃーい~あら~コウちゃん~来てくれてありがと~」
と、出迎えて来たのは、ここの雑貨屋「ロマンス」の店長、ロマスであった。うん……相変わらず、見た目が凄い……しかも何か、俺に好意?っぽいのを持っていそうな感じがして、ちょっと、恐怖なんだが……とりあえず俺は、用件だけ言って、さっさと出ようと思う事にした。
「店長さん、魔力を回復させる薬ってあるか?」
俺がそう言うと、ロマスが
「そうねー……ちょっと待ってね?」
投げキッスをした後、移動して、数分後……瓶に入った薬品を持って来た。
「これが魔力を回復させる薬、桃色吐息よー?」
「桃色吐息……?」
「そー、ほんとはマジック・ポーションとか言うらしいけどねー? それじゃ可愛くないじゃない、見た目も果実の桃の色にそっくりだしね~この店では、桃色吐息と命名しているのよー?」
「そ、そうですか……で……いくらですか?」
「そうねーせっかく来てくれたんだし、サービスで100ベリカにしとくわよ、本当は150ベリカだけどね?」
そうロマスが言うので、リムと相談して
「じゃあ、三本下さい」
と言うと
「ありがとうございましたー、大事に使ってねー?」
俺は受けとった品物を、バッグの中に入れて、300ベリカをロマスに支払った。
支払った後、ロマスが
「他に何かいるかしらー?」
とか言って来たが
「いえ、では、これで」
そう言って、雑貨屋から出る事にする事にした。雑貨屋から出た後、俺はバッグから一本、桃色吐息を取り出す。
「どうしたの、コウ?」
「これってさ……桃色吐息とか言っていただろ? ちょっと気になってな……だから飲んでみようと思うんだが、いいか?」
「別にいいんじゃない? でもコウ……そんなに魔力減ってないでしょ?」
「まあな、でも味が気になるし、飲んでみるよ」
そう言ってから、桃色吐息を飲んでみる。見た目がピンク色なので、すげー色合いなのだが、味に関しては、何故かフルーティーで、ちょっと美味しかった。薬だから、苦いと思ってたんだが……これは、飲み物としてもありだな? 一本全て飲み干して、空き瓶をどうしようか……と考えて、捨てるのも勿体無いので、そのままバッグの中に入れる事にした。
桃色吐息を飲み終わった後、俺達は、宿屋「ユーグレ」へと、向かう事にした。
宿屋「ユーグレ」に辿り着き、女将さんに宿泊代を払って、いつも宿泊している同じ部屋へと辿り着く。
結局……今日も一緒の部屋にはならなかった。
ま、いいか……と思う事にして、ベットにダイブして、明日の事を考える。
今現在、ネクロマンサーレベルは14だと思うし、レベル20で、第四の術を覚えるのだと思うので、やっぱり……討伐系の依頼を受けるべきか? とか、そう思いながら、眠くなってきたので、そのまま眠る事にして、今日の一日が、終了したのであった。




