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~異世界で、王道は目指しません~  作者: 零堵
~ユーグレスト編~
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~第二十五話~私とユーリの活動記録その4~

はい、今日は時間が出来たので

二本目を書き込みたいと思います。

今回は、主人公の視点ではなく

レイン・スノウの視点で、お送りしております。

部屋の中に音が鳴り響いているので、私は、目が覚めた。

鳴り響いているのは、この宿屋「ユーグレ」の壁にかけられている時物で、はっきり言うと、大音量なので、これが鳴れば、すぐに起きるんじゃないか……? と、そう思ってしまう。

まあ、いつまでも五月蠅いままなのは、嫌だったので、ボタンを押して、時物の音を、止める事にした。

止めた後、洗面所に向かい、顔を洗う。

顔を洗った後、鏡で自分の姿を見てみると、今日は、変な髪形にはなっていなかった。

前になった髪形はな……とりあえず、チェックは完了したので、部屋に戻ってみると、まだユーリが寝ているのを確認

時物が鳴り響いていたのに、起きないとは……

うん、起こす事にするか……と決めて、ユーリを起こす事にした。


「ユーリ、朝だぞ」

そう私が言うと


「ん……あ、おはようございます、レインさん」


「ああ、おはよう、今日はユーグレストのお祭りとなっているから、早速出かける事にしないか?」


「あ、そうですね、じゃあ、出かけましょうか?」


部屋の外に出ると、服を持ってきた、女将さんと遭遇した。


「あ、二人とも、今から出かけるのかい?」


「はい」


「じゃあ、この服を貸してあげるよ、サイズは合っていると思うから、着てみてくれな?」


「解りました、ありがとうございます」


女将さんから、服を受け取った後、部屋の中に戻り、着ている服を脱ぐ事にした。着ている服を脱ぐと


「レインさん……」


「ん?」


「スタイルいいですね……ちょっと、羨ましいです」


「ん? そうか?」


自分ではスタイルがいいとか、全くと言って良いほど、思っていないんだがな?


「はい、何をしたら、そんな体になったんです?」


「そう言われてもな……普通に育った感じなんだが?」


「普通にですか?」


「ああ」


そう話しながら、女将さんの用意してくれた、服装へと着替える。

私が着る事になったのは、青色の服で下がロングスカート、ユーリが、白色の服で、下がミニのスカート姿になっていた。


「う……ちょっと、短い感じがします」


「でも、似合っているぞ?」


「そ、そうですかね……レインさんも、似合ってますよ?」


「ありがとう、さ、このまま出かけるとするが……」


「何です?」


「武器はどうする? 持っていくか?」


「……お祭りですし、持って行かなくても、大丈夫じゃないですか?」


「そうだな、じゃあ、女将さんに預けるとするか」

そう決めて、私とユーリは、剣と杖を、女将さんに預ける事にした。預けた後、女将さんが


「同じ部屋に泊まるのだろう? 部屋は空けとくよ、同じ部屋でいいんだよね?」


「はい」


「じゃあ、掃除しておくから、お祭りを十分、楽しんでおいで」


「解りました、では、行って来ます」


私達は、宿屋の外に出る事にした。

宿屋の外に出てみると、昨日作っていたお店が完成していて、色々な品物が、出店されている。

人も多くいて、結構賑わっている感じだった。


「うん、結構人が多いって、感じだな」


「そうですね、盛り上がっていますね」


「さてと……お目当てのお店に行きたいが……ユーリ、いいか?」


「いいですよ? レインさん」


「解った、じゃあ、行くぞ」


私達は、前も来た事があるお店へと、向かう事にした。

町の中を歩いて、数分後、ある一軒のお店に辿り着く。

そのお店からは、甘い匂いが漂っているので、ユーグレスト祭りになったら、とにかくここに来たかった。


「レインさん、あの店ですか?」


「ああ、この店に来たかったんだ、すいません」

私がそう言うと、店員が


「はい、何でしょう?」


「この、プリンを二つお願いします」


「プリンですね? 二つで600ベリカになります」

そう、私が欲しかったのは、このお店で売っている、プリンと呼ばれる、甘いお菓子の事だった。

このプリンは、黄色い色をしていて、食べてみると、柔らかく、しかもとても甘いので、前に食べた時に、大好物になった品物でもある。しかし、毎日食べたいと思っていても、売っているお店が、ほとんどなく、少なくとも、ユーグレストの町では、見かけた事がなかった。

今日はお祭りなので、ユーグレストの町でも販売しているらしく、滅多に食べられないので、ユーグレスト祭りには、この品を購入するのが、毎回の楽しみでもあった。

しかも、箱に入っているので、中をあけてみると、容器に六個のプリンが入っていて、六個セットで一つとなっているから、嬉しかったりもした。


「はい、お待たせしました、プリン、二つになります」


店員がそう言うので、私は600ベリカを支払って、一個をユーリに、渡した。


「ユーリは、これを食べた事があるか?」


「はい、ありますよ? と言っても別の町でですけどね? それにしても……」


「ん?」


「二つで600ベリカって事は、一つ300ベリカですよね? しかも六個入りですし、一つ50ベリカと言う事になりますよね? 私が前に食べた事のあるプリンは、一つ100ベリカでしたから、これはお買い得ですね」


「だろ? お祭りだからサービスしているのかもな」


「そうですね」


「じゃあ、早速頂くか」


「はい」

そう言って、容器に入っている、プリンを頂く事にした。しかもご丁寧に、木の食器が付属しているので、結構親切な感じだった。食べてみると、甘い味が広がって、とにかく美味しい

あっという間に全ての容器に入ったプリンを食べ終わってしまった。

プリンを食べ終わった後、町の中を移動して、何があるかを、見て回っていると


「お嬢ちゃん達、暇だったら俺達と、お祭りを楽しもうぜ?」


「すっげー可愛いなー俺のタイプかも、俺、こっちの茶髪の子が、好みだな」

そう言ってきたのが、金髪の男と茶髪の男だった。

これって……ナンパか……? そう思ったので、私は、こう言う事にした。


「すまないが、間に合っているんでな? 他を当たってくれ」


「そ、そうです」


「んー? 誰か一緒に行く予定とかあるのか?」


「いや、ないだろ? 二人だけで行動してるんじゃないのか?」


「だよな? だからさ? 一緒に行こうぜ?」


こいつら、人の話を全く聞いてないな……?

男二人か……ちょっと不味いな?

一人なら、何とか倒せそうなのだが、二人ともなるとな……こっちはユーリもいるし、どうするか……そう考えていると


「ごめんなさい、貴方達に全く興味がないんです、行きましょう!」


そう言っていきなり、ユーリが私の手を取って、走り出した。


「あ、待て!」


「逃がすな!」


男達が追いかけてくるが、人が多いので、思うように進めないみたく、何とか逃げる事に成功したようだった。そのまま、走って移動して、宿屋「ユーグレ」へと戻って来た。


「ふう……何とか、大丈夫みたいですね」


「そうみたいだが……いきなり走り出して、びっくりしたぞ?」


「あ、すいません……やっぱり……この格好だからですかね? 声をかけられたのって」


「……そうなんじゃないか? 武器も持ってないし、あの二人には、か弱く見えたのかも知れないな?」


「私も魔術師姿ではないですしね……普通の女の子に見えたのかも知れません」


「と言う事は……また外を出歩くと、男に声をかけられるってことか?」


「かも知れないですね……」


「それはなんか嫌だな……まあ、とりあえず、目的の物は購入出来たし、また外に行く事はないんだが……ユーリ、何か欲しい物でもあったか?」


「いえ、ないですよ? お祭りの雰囲気は楽しめましたので、それにプリン、美味しかったですし」


「そうか、じゃあ、さっさと女将さんに服を返して、いつもの服装に戻るとするか」


「そうですね」

そう決めて、私達は、女将さんに着ている服を返却して、いつもの服装へと戻る事にした。

戻った後、女将さんに武器を返却して貰い、泊まった、同じ部屋に戻る。

部屋に戻った後、明日はどうするかを、二人で相談する事にした。


「ユーリ、明日はどうする?」


「そうですね……出来る限り、多めの依頼がいいんですけど……私、戦闘では役にあまりたたないですよね?」


「まあ、そうだな」


「だから、援護は任せて下さい、レインさんは、どんな依頼を引き受けようと思っているのですか?」


「そうだな……討伐系の依頼もいいんだがな? さすがにこの剣一本では、強敵と戦う時、ちょっと辛い感じがするしな? それに……」


「それに?」


「剣の切れ味が落ちてきた感じがするしな、新しい剣の購入も考えないといけないんだが……討伐系の依頼だと、魔獣が現れた時、剣が使えなくなったら、やばいからな……だから、採取系か、運送系の依頼を引き受けようと思っているのだが……ユーリは、それで構わないか?」


「はい、それでいいですよ? 私は、レインさんに従います」


「解った」

こうして私達は、明日は、採取系か、運送系の仕事をやろうと思ったのであった。

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