~第十七話~メタルウィザードとの戦い~
はい、零堵です。
二日前ですよ?
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驚きですよ?
あと、ジャンル別週間冒険ランキングに
14位に載りましたーありがとうございます。
異世界生活六日目
ルルルルと音が鳴り響いていたので、目が覚める。
やっぱりと言うか……この鳴り響いている時物
もうちょっと音を小さくなんねーのかな? とか思うのだが……まあ、愚痴を言っても仕方がないので、スイッチを入れて、鳴り響いている時物の音を止める事にした。止めた後、洗面所に向かい、鏡で自分の姿を確認してみる。鏡に映りこんでいる自分は、元の俺に似せて、このコウ・ドリムを作成したので
見た目はそっくりだった。けど、寝癖なのか、ちょこんと一本、重力を無視して髪の毛が立っている。
何だこれ……、寝癖にしては変な風になっているよな……?
そう思ったけど、洗面所に髪を直す道具、櫛とか置いてないので、水で濡らせば、何とかなるか? とそう思い、水で濡らしてみると、元通りにはならなかった。
……まあいいか、これも個性と言う事にするか、うん
そう思う事にして、部屋の外に出て、食堂へと向かった。
食堂に辿り着くと、もう既にリムが起き出していて、リムの髪型もいつもの髪型と少し違っていた。
何と言うか……左右の毛先がドリルっぽく巻いているのである。
ぶっちゃけて言うと……かなり似合っていない
「おはよう、コウ……って、何その髪型?」
「そう言うリムは何なんだ? それ……ドリル?」
「……ドリルと言う言葉の意味が解らないけど……朝起きたら、こんな髪型になっていたのよ、よく調べてみると、魔法がかかってるのよね? これ……」
「え……? そうなのか?」
「ええ、誰かが術で髪型を固定したみたいなのよ? ほら見てみて?」
そう言ったので、辺りを見渡すと、確かに変な髪形をしている人が結構いた。一番びっくりしたのが、アフロがいる事なのである。この異世界にアフロって、すっげー違和感を感じるのだが、本人は「すっげーだろ? これ、超気に入ったぜ!」とか言っている。
ま……本人が気に入ってるなら、俺がとやかく言う事じゃないよな……そんな事を考えていると、女将さんがやって来て、こう言って来た。
「すいません、娘が変な術をかけたみたいで……」
女将さんが言うには、何でも昨日の晩
女将さんの娘が「新魔術をやってみるー!」とか言って、術を発動させたらしく、その術の効果が、この宿屋「ユーグレ」を包み込むように魔術が発動。効果は、朝見たとおり、自分の髪型が変化するとか言う、かなり、しょうもない術の様だった。人体には特に影響はないみたいなので、問題はないと言う事らしい。それにしても……娘ね……女将さん、娘さんがいたんだな?
どんな娘さんなのか、この場にいないので、全く想像がつかないんだが……女将さんが言うには、時間が経てば元に戻るとか、言っているので、そのままでも大丈夫そうだった。
「本当にすみません、お詫びとして、朝食を豪華にしましたので、是非、召し上がって下さい」
そう女将さんが言うので、俺とリムは、朝食を頂く事にした。豪華と言うだけあって、特別な日に出される品の、ユーグレ汁もあって、確かに結構豪華だった。お腹いっぱいに食べた後、宿屋をチェックアウトして、外に出る。外に出て、俺はリムに
「じゃあ、メタルウィザードの討伐しに、夕闇の大地に向かうとするか」
「そうね、今からだと、大体夕方には着くと思うわよ?」
「やっぱり、結構遠いんだな?」
「ええ、転送魔法とかあったら、結構楽なのでしょうけど……まあ、仕方がないわよね? さ、行きましょう?」
「ああ」
俺とリムは、夕闇の大地に行く事にしたのであった。
ユーグレストの町の外に出て南東の方角に歩いていると、魔物が飛び出してきた。
現れたのは、一番弱い魔物のクサライムで、数が二体飛び出して来たので
「リム、一体は任せる、俺は一体倒すぞ」
そう言うと、リムが
「解ったわ、じゃあ、行くわよ? ファイヤー・ボール」
リムが杖を振って、呪文を発動。あっさりとクサライムに命中して、一体が消滅した。
残った一体が、粘着攻撃を繰り出して来たので、それを余裕で避けて、俺は術を発動させる。
「デス・トラップ」
クサライムの動きが止まったので、その間に、バッグから武器屋で買った包丁を取り出して、攻撃を与えて見る事にした。攻撃を与えると、スライム状なので、切った感触が全くなかったが、ダメージを与えたらしく、残りの一体も消滅したので、倒す事に成功
うん……この包丁、結構使えるのかもな……とか、そう思ってしまった。
「さ、他にいないみたいだし、行きましょうか?」
「ああ」
そう言って再び歩いていくと、次に現れたのが、額に角を持った、ロンリーウルフだった。
ロンリーウルフは一体だけだったので、俺は襲い掛かってくる前に、対象をロンリーウルフに設定、効果を毒にして、こう言う。
「デットリー・レイ!」
俺の呪文が発動して、ロンリーウルフが毒状態となった。
毒状態のまま、まだ動けるみたいだったので
「ほい、デス・トラップ」
俺の術で動きを止めて、再び包丁を取り出して、切り付ける。
動かないので、あっさりと命中し、簡単に倒してしまった。
うん……やっぱ、この戦法使えるよなー
かなり卑怯って、感じがするのだが、ま、簡単に倒せるし
この戦法でしばらくはやっていくかな? とか、そう思う事にした。
「やっぱり、卑怯だわ……コウの術って」
「別にいいだろ? リムも楽だろ?」
「まあ、そうなんだけどね……まあ、いいわ、さ、行きましょうか?」
「ああ」
再び歩き出して、数時間後
「見えてきたわ、あれが夕闇の大地よ?」
リムが指差すと、明らかに違う所があった。それは、暗くなっているのである。
灰色の雲が、全体に広がっていて、日の光を遮っているからか、地面が真っ暗に見えていた。
風とかで雲が普通、動くはずなのだが……全く動く様子がなく、その場所にずっと固まっていると言う風に見えていた。
「あれが夕闇の大地と言うのよ、雲で大地が暗くなっているでしょ? 雲がずーっと晴れる様子がないから、この名が名づけられたのよ」
「じゃあさ、日が落ちて、夜になったら、真っ暗闇になるって事じゃないのか?」
「ええ、そう言う事になるわね? 明りがないと、本当に何も見えなくなるから、かなり危険になるわ、あの夕闇の大地に入るには、昼間の方が、少しだけ明るいから、その間に中に入った方がいいのよ」
「そうか、じゃあ今は、どうだ? 時間的に大丈夫か?」
「そうね…………日没まで、約一時間ってとこかしら、だから一時間経過したら、あの夕闇の大地に入るのは、やめた方がいいわね?」
「そうか……じゃあ、残りは一時間って事か、よし、その前にあの夕闇の大地に入って、メタルウィザードを探すぞ」
「了解、時間がないから、すぐに見つかるといいわね……見つからなかったわ、夕闇の大地から、出ましょうね?」
「ああ」
俺とリムは、夕闇の大地の中に足を踏み入れる事にした。中に入ると、冷たい風が吹いていて、結構寒く感じる。辺りが暗く見えるので、遠く何が見えるのか、ぼやけてほとんど見えなかった。
その中を探し回っていると、大きい生物を発見
遠くに見えたので、よく目を凝らして確認してみると、ゲーム「マジカル・クエスト」で見た事のある生物、メタルウィザードの姿だった。
「リム、メタルウィザードを発見したぞ」
「え? 本当?」
「ああ、今なら、まだこっちに気がついてないから、こちらから仕掛けるぞ」
「解った、あ、コウ? 私、あれに初めて会うけど……一体何の術が効果があるの?」
「あのメタルウィザードに効果がある術は、火系と水系の最強クラスの術だ、リム、覚えているか?」
「火系なら覚えているわ」
「なら、俺が先に攻撃を与えるから、リムは、火系の術を放ってくれ」
「了解」
俺はリムにそう言った後、対象物をメタルウィザードに設定、そして、覚えたての呪文を言う。
「デスト・ドリード!」
これで、メタルウィザードの体力が半分になって、おまけに呪文が使えなくなった筈なので、近づいてみると、こちらに気がついて、口を開いて、ブルブルと震えだした。あのモーションは「リミット・デス」の発動モーションに入ったみたいなのだが、よく観察してみると、ぶるぶる震えているのが収まり、首を傾げていた。よし、どうやら成功したみたいだ!
術が使えなくなったので、俺はこの呪文を言う。
「デス・トラップ!」
これでメタル・ウィザードが十秒間、動かなくなったので、俺は、リムに
「今だ、リム!」
「解ったわ! エレメントフレア!」
リムの火系の最強クラスの術が発動、メタルウィザードにあっさりと命中し、火柱が上がる。
これでやったか……? と思い、十秒経過したので、やられてなかったら、動くはずだと思い、観察してみると、ボロボロになったメタルウィザードがいたので、俺は、対象物をメタルウィザードに設定、効果を毒にして、こう言う。
「デットリー・レイ!」
そう言うと、メタルウィザードの色が変色していって、数秒後、俺達に攻撃を加えようと、突撃しようとしたが、その前に倒れて、消滅した。消滅した後、その場に、ボールぐらいの綺麗な石が現れた。
「これが金剛石? 凄い綺麗ね?」
「ああ、それにしても、えらいあっけなく倒したよな? しかも無傷だし」
「ええ、やっぱり……コウの術のお陰じゃないかしら? すっごい卑怯だしね」
「ま、いいじゃないか、さ、これを持って、ユーグレストの町に行くか」
「あ、コウ?」
「ん?」
「どうやら、術の効果が切れたみたいよ? 髪が元に戻っているわ」
そう言われて触ってみると、アンテナみたいに立っていた髪が、元に戻っていた。
「そういうリムも、元に戻ったな」
「え、そう? よかった……」
「よし、じゃあ、行くか」
「ええ、行きましょう」
バッグの中に金剛石を入れて、ユーグレストの町へと、戻る事にしたのであった。
「……あの、レインさん」
「……ん? どうした?」
「気がつきました?」
「何がだ……?」
「洗面所に鏡があるので、見てきて下さいよ」
ユーリがそう言うので、私は洗面所に向かってみる事にした。洗面所に辿り着き、鏡を見てみると……
「な、何だこれは……!!」
私の髪型が……何というか……塔みたいに、渦巻状に建っていた。
これ……どうやったら、こんな髪型になるんだ!?
手で直そうとしたけど、固まっているのか、全く動じなく、頭がちょっと重く感じたりもして、見た目的にかなり変に見えてしまっている。
私は、ユーリに
「ユーリ、これ、魔術で直せるか!?」
「む、無理ですー! あ、でも、さっき聞いたら、体に影響ないみたいですよ? あと、数時間したら元に戻るみたいです」
「……そうなのか……って、ユーリも凄い髪型だな?」
「……はい……私も朝起きたら、こうなってました……これじゃあ、外に出たくないですよ」
「…………この髪型が直るまで、待機しておくか……」
「そうしましょう……」
私とユーリは、髪型が戻るまで、部屋の中で待機する事にしたのであった。




