~第十四話~私とユーリの活動記録~
はい、今回は主人公視点じゃなく
レイン・スノウの視点で、お送りしております。
私達は、シグルンの町から、ユーグレストの町まで、戻る事にした。
戻る途中、魔獣がでたので、戦闘態勢に入る。
現れたのは、獣形をしていて、額に角がある、確か……ロンリーウルフと呼ばれる敵であった。
数は、五体もいて、明らかに私達を見て、襲いかかる雰囲気だった。
「レ、レインさん……囲まれてますね……」
「どうやら、そのようだ……ユーリ、魔術師だろ? 何か攻撃呪文使えないか?」
「う……実は、私……戦闘系の呪文って、一つしか覚えてないんです……だから、前の仲間から使えないなって、言われちゃいまして……」
「そうか……じゃあ、私が倒すしかないか……ユーリ」
「は、はい!」
「私が攻撃するから、ユーリは、援護してくれ」
「わ、分かりました! 頑張ります!」
五体もいて、ちょっと厳しかったが、ここでやられる訳には、いかないので、私は、剣を構えて、襲いかかってくる、ロンリーウルフと、戦うことになった。ああ……私は思う。ここにリムがいてくれたら、どんなにいいかと……考えていても仕方がないので、ロンリーウルフの動きを予測して剣を振るう。
数が多いので、剣で凪払いながら、ロンリーウルフに攻撃を与えて、倒していくが、ロンリーウルフの引っ掻き攻撃を食らってしまい、怪我をしてしまった。
っく……痛みを感じながら、何とか剣を構えて振り払い、ロンリーウルフを斬りつけて倒していく。
残りが一体になり、倒そうとしたが、ユーリが杖を構えて
「レインさん! 私、やってみます! ビーム・レイ!」
ユーリが呪文を発動して、光の光線みたいなのが、ロンリーウルフに命中
一撃で消滅したので、どうやら……全て倒したみたいだった。
「これでいなくなったな……痛……」
「あ、ちょっと待って下さい、私、治しますね?」
そう言って怪我した所に、杖を構えて、呪文を言うみたいだった。
「ヒーリング」
傷口が塞がり、痛みも消えて、治ったみたいだった。
「ユーリ、もしかして……今の回復魔法か?」
「はい、私……攻撃魔法より、回復魔法の方が得意なんです、前に一緒になっていた仲間には、攻撃魔法覚えろよとか、言われてましたけど……」
「そうか、いや、助かったよ、ありがとう、ユーリ」
「そんな、私がもっと攻撃魔法を覚えていれば……レインさんが怪我をする事なんて、なかった筈なんです、私……攻撃魔法って、さっきのビーム・レイしか、覚えてないんです」
「そうなのか?」
「はい……あと魔力も低いので……」
「そうか……でも、私の会った男なんか、魔力最大値が100しかなかったぞ?」
「え……それって、私より低いですよ? その人……魔術師なんですか?」
「ああ、魔術師だったな、魔術を使っていたし」
「ちょっと気になります、その人……今はどこに?」
「ユーグレストの町で会ったからなあ……今もユーグレストの町にいると思うが……」
「じゃあ、ユーグレストの町に行けば、会えるんですね?」
「ああ、もうちょっとで、ユーグレストの町へ着くから、行こうか?」
「はい!」
私とユーリは、ユーグレストの町へと向かう事にした。
数時間後、ユーグレストの町へ辿り着く。
「ユーリ、ここがユーグレストの町だ」
「ここが……結構、綺麗な町なんですね?」
「ああ、そうだな、それより私は、換金所に行くが……ユーリは、どうする?」
「あ、私もついて行っていいですか? レインさん」
「ああ、構わないぞ、じゃあ、行くか」
そう言って、ユーグレストの町の換金所に向かう事にした。換金所に辿り着き、中に入ると、カウンターにいるのは、マック一人で、サリューの姿が見えなかったので、私はマックに話しかける事にした。
「依頼品の輸送を完了したから、これが証明書だ」
マックに、シグルンの町で受け取った証明書を見せる。
「あ、レイン様ですね? では、この証明書を預からせて頂きます、少々お待ちください」
奥の部屋に行き、数分後
「お待たせしました、今回の依頼の賃金、500ベリカになります」
マックから銀貨を受け取る。受け取った後、私は気になったので、マックに話しかける事にした。
「マック、確か……コウが依頼を受けている筈なんだが……どんな依頼を受けているんだ?」
「えっと……コウと言うと、コウ・ドリム様の事ですか?」
「ああ、そうだが」
「そうですね、今、コウ様の受けている依頼は、魔術師限定依頼のスペルゴンの殲滅ですね、今、現在、別の町に行っている筈です」
「別の町?」
「ええ、シリルの町にスぺルゴンが、大量発生しましたので、それの討伐しに行っております」
別の町……じゃあ、このユーグレストの町にはいないって事か……と言う事は、一緒に行動している筈のリムも一緒になって、シリルの町へ行っているって事か……
「そうか、じゃあ、邪魔したな」
「はい、またのご利用、お待ちしております」
用が終わったので、換金所を出る事にした。換金所を出た後、私はユーリに話しかける。
「ユーリ、ユーグレストの町に来て、一体何をする気なんだ?」
「そうですね……さっきの換金所で、依頼を受ける事が出来るんですよね?」
「ああ、そうだが」
「でも私……一人だと、討伐系の依頼とか成功しそうにないんです、採取の依頼なら、何とかなりそうな感じはするんですけど……レインさん? 一緒に行動してもいいですか?」
そう言われて、考えてみる。ユーリは確かに、戦闘向きじゃなく、攻撃魔法もひとつしかないって言っていたので、討伐系の依頼は無理そうだった。でも回復術を覚えているので、私のサポートとしてはいいんじゃないか? と、思ったので
「別に構わないぞ? ユーリ、ユーリは援護として、私と一緒に行動するか?」
「は、はい! よろしくお願いします! レインさん」
「じゃあ、決まりだな、そうだな……とりあえず……宿屋に行こうか? ちょっと休憩したいしな? 場所を案内するよ」
「解りました、ここの宿屋がどんなのか、ちょっと楽しみです」
私は、ユーリと一緒に、宿屋「ユーグレ」に行く事にしたのであった。




