~第百話~シグルンの町~三人娘の活動~
コウと人形のレイナ?が、ベゼルバードに旅立ったので、私達はこの家、過去オリオンハート家、現コウの家の修繕を行う事に決めた。
コウが出て行ったので、その場に残ったのは、私こと、レイン・スノウとコウと一緒に旅をしていた、リム・ミラー、それと私と一緒に旅をしていたユーリ・クロウネルの三人だけになった。
さて……これからどうするかだが……私は、二人にこう切り出してみる。
「この家の修繕を行う事になった訳だが……どうしたら良いと思う?」
「そうですね……まずは壊れている家財道具を一箇所に集めませんか?」
「あ、そうした方がいいかもね? それで何が壊れてるか、解るしね?」
「なら決まったな、じゃあ……振り分けだが……」
まずは壊れている家財道具を一箇所に集める事にして、早速、この家の中を探索する事にした。
オリオンハート家だと言う事だけあって、結構な大きさの家なので、家の中も結構大きい。部屋数も何部屋もあるので、一つ一つ調べていくのに、結構時間がかかりそうだな……と思いながら、壊れている家財道具を見つけては、大広間の方に運んでいく。
重くて運べない物は、壊せるなら壊してから、運ぶ事にして、そんな作業をするだけで、結構な時間が経過してしまった。
一箇所に集められた家財道具は、机、テーブル、椅子、小型のベットと言った物だった。二人に確認してみると、これ以上壊れた物はないと言う事が解り、とりあえず……壊れた家財道具はこれで、何とかなった。
けど……家財道具だけで、結構なスペースを取ってしまっているので、どうするか……と思っていると、リムが
「この壊れた物だけど、私の魔法で燃やした方が良いわよね?」
そう言って来たので、私は
「その方法だと助かるのだが、この家の中で燃やすなよ? この家が燃える事になってしまうからな?」
「解っているわよ? まずは……燃やしてもいい場所に運んでから、燃やす事にするわ、じゃあ私は、早速その作業にするわね? 二人はどうする?」
「そうですね……レインさん、どうします?」
「そうだな……じゃあ、私達は食材の買出しに行かないか?」
「解りました、確かに何も食材がないと、この家で生活して行く事は難しくなりますもんね」
「ああ」
そう決めて、リムは家財道具を処理。私とユーリは、食材の買出しを行う事にした。
ユーリとシグルンの町に出て、ユーリにこう聞いてみる。
「ユーリ、食材の候補として、良い品って何だと思う?」
「そうですね……やはり……長持ちする品だといいのではないですか?」
「そうだな……じゃあ、それを基準にして、品を決めていく事にしようか」
「はい」
そう決めた私達は、シグルンの町の中を移動して、食材を探す事にした。
町の中を歩き周り、見つけたのは、肉と魚、それと野菜だった。
どれが一番長持ちするのだろうか……と考えていると、ユーリが「ある程度の物でしたら、凍らせたら、長持ちすると思いますよ?」と言っていたので、とりあえず……持てる物だけ、購入する事にした。
あんまり買い過ぎると、重くて持ち運べなくなりそうになってしまうので、ある程度の分量を決めて、食材を買い込んでいく。
食材を買い込んだ後、一度、コウの家に戻る事にした。
家に戻ると、リムが「壊れた家財道具、全部焼き払って置いたわよ?」と言っていたので、リムの作業は終わったみたいだった。
私は、リムに
「食材を買い込んでみたんだが、リム、これって冷凍保存とか出来るか?」
そう言ってリムに、買い込んだ食材を見せてみると
「そうねえ……この程度の食材だったら、私の魔術で凍らせて置けば大丈夫だと思うわよ? けど……」
「けど?」
「この買い込んだ食材を何所に置くかよね? 保存庫みたいな場所と言うのかしら? その様な場所があれば、その場所に置く事が出来るのだけど……この家に保存庫ってあるのかしらね?って感じよ」
「あ、それなら私、見つけましたよ? あそこなら多分……食材を保存するのに最適な場所だと思うんです」
「そう? じゃあ、案内してくれる?」
「はい、リムさん、レインさん、こっちです」
ユーリがそう言うので、ユーリについて行く事にした。
家の中の奥の方に進むと、ある一部屋に辿り着く。
その場所に辿り着き、ユーリが
「この扉の奥に食材を置くといいですよ? 私、この部屋の奥に入って、何があるか確認しましたから、食材の置き場所には問題無いと思います」
「ユーリがそう言うなら、そうしましょうか? レイン」
「そうだな」
そう決めて、私達は、その部屋を「食料保存部屋」とする事にした。
部屋の扉を開けてみると、中は涼しく、部屋だけの空間で、家財道具が何も無い部屋だった。
その部屋に食材を運んでいき、全ての食材を運び終えた頃、リムが
「ねえ……ちょっと良いかしら」
「何だ?」
「何ですか?」
「食材を買い込んだのはいいけどね? その食材を誰が調理するかって事なのよ……二人とも、出来る?」
「……私はあまり……レインさんは?」
「実は……私も料理は少し苦手でな……リムは?」
「私もあんまり料理は作った事ないのよね……でさ……作業したから、結構お腹すいてるんだけど……今日はさ……外食にしない?」
「さ、賛成です、今日はそうしましょうよ? レインさん」
「そ、そうだな……大丈夫だよな、うん、それにコウが料理出来るかも知れないしな?」
「そうよ、さ、今からやっている店、探しましょうか?」
「ああ」
「はい」
結局私達は、食材だけ買ったまま、外食する事にした。
まあ、いずれ……この買った食材を使って、料理を作る事もあるかも知れないが……まあ、何とかなるだろう……うん。
そう思う事にして、三人で、シグルンの町でやっている飯屋に向かう事にしたのであった。




