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新撰組パラノイア☆  作者: 杏里
序章
7/10

それぞれの主張

「…え?話しかけた?藤堂さんが?」


「お前、ひょっとして物凄く記憶力悪いのか?」


(え!?


いやいや!名前を覚えるのは苦手だけども!いくらなんでも そこまで悪くないハズ!)


私は広間で皆を待っていたときを思い出すけれど…


(超美形の女の人と話した覚えしかないよなー…


聞くの忘れてたけど、あの人誰なんだろう?剣を使う風ではなかったけどなぁ…)


あ、そういえば 、と藤堂さんは何かを思い出したように言った。


次の言葉を待っていると、彼は私を見てニヤリと笑う。


「?」


「なるほどな」


「??」


「お前さ、土方さん達と合う前に美人さんと会わなかったか?」


考えていた人が会話に出てきて驚く。


「…会いましたけど?」


「その美女の目と俺の目、似てない?」


「似てなくも…ないですけど…」


(この話の流れ…まさか…


いや絶対ない)


恐ろしい予感を必死に振り払う私にとどめを刺すように、藤堂さんがしなしなっと微笑んでみせた。


「!!」


(その微笑みはっ…!!)


「へへっ、どうだ!驚いたかっ」


今度は先ほどの女性らしい微笑みから一変して、いたずらっぽく得意気に笑った。


「えぇ~!!!だってっ…おんっなっ…」


びっくりしすぎて上手くしゃべれない。


(だって、さっきの綺麗な女の人がっ!!藤堂さん!!?)


私は藤堂さんの顔をまじまじと見る。


色白で小顔、整った顔つきに線の細い身体――


確かに、女装が似合いそうだ。


(それにしても、あんなに色気のある人が男だなんて…信じられない。


というか、藤堂さんが何で女装するのさ?


服も化粧も随分と凝っていたような)


「とっ、藤堂さんは監察の仕事もするんですか?」


「いや、あれは趣味」


「趣味!?…あの、大変聞きづらいんですが、コレですか?」


「オカマじゃねーよ!!」


「え?そうなんですか?」


「なんだ?千優ちゃん、へー子と会ったのか?」


「へーこ?」


「平助の女版、だからへー子!」


「おい新八つぁん!それ屁こき娘みたいだから止めろっつってんだろ!!あ、千優も何笑ってんだよ!!」


すると原田さんが口を開いた。


「驚くのも無理ねーよなー。まさか男があんなべっぴんさんに化けてるなんて思わねーだろ。それにしても平助!何であんなにしなしなしてんだよ!男たるものはなぁ、もっと筋肉を…!」


袖を捲し上げて腕の筋肉を見せながら熱弁し始める。


(…だれも聞いてないけど…いいなのかな)


「あんな美女なんだしさ、もっと可愛い名前つけろよ!」


「いくら綺麗でも男じゃ意味ねーだろ」


「何で一くんは、すぐそっちの方に行くかな!?もっと、こー、美を感じようよ!!」



「そしてこの胸筋はぁ…」



「オカマの美なんて知るか」


「オカマじゃねーよ!!」



「んでもって ここの背筋を…」



「土方さんは独り言いってるだけじゃないスか」


「そんなことねーよ!?ちゃんと木と会話…」


「でも返事してくれないんッスよね?それ会話成立してないじゃないッスか?」



「そして木刀を振ると、全身の筋肉が喜んでいるのを感じ…」


(何か…皆バラバラ・・・。


すごく変な人たちばっかりだけど...


何だかいい人達みたい。)


自然に笑みがこぼれた。


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