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新撰組パラノイア☆  作者: 杏里
序章
6/10

独り言女で悪いかっ。

「千優さん、腕試し見事だった!まさか本当に平助を負かすとはなぁ!」


と近藤さん。


「そーそー!スゲーよ、お前!」


「わっ…」


土方さんがそう言って頭をポンポンと撫でてくれる。


(な…何か照れるなぁ…//


変に緊張して、、、まともに土方さんの顔が見れない)


「すごかったなぁ!!俺は感動したぞっ!!」


「あはは…」


(ええ、原田さんが感動してたのはよーく分かりましたよ、さっきので!!)


「え~、そんなに強かったんスか~?オレ寝ててよく見てなかったッスー」


(お前は一生寝てろ)


「そうだな、久しぶりに感動した」


「ぃぇ、そんな」


「俺も正直驚いた」


「ほ、ホントですか?」


「謙遜することないですよ。立派でした」


「ありがとうございますっ!!」


永倉さん、斎藤さん、沖田さんも誉めてくれる。


(皆が私を認めてくれた!!


幸せ!!わたし今幸せですっ!)


「いや~、まさか木に向かって独り言言ってた奴がこんなに強いなんてな~。ビックリだぜ。つか凄いなっ」


「どうもどうm…」


(……ん?


嬉しくてポーっとしてたせいで、つい頷きかけたけど……え?)


「あの~、藤堂さん。今なんと?」


「ん?凄いなって言ったけど…それがどうかしたか?」


「ぃぇ、その前です」


「その前?ビックリだぜ、ってやつ?」


「の前!」


「木に向かって独り言言ってたっつーの?」


「そう!!それ!!どういうことですか!?!?」


「は?どうって……え?いや、その質問がどういうことなんだ?」


藤堂さんは眉間に皺をよせて怪訝そうに私を見る。


(ぃゃぃゃぃゃ!!


怪訝なのは私の方だから!!


その視線そのまま木刀で跳ね返しますよ!!


だって…


木に向かって独り言って……


それって……


思い当たる節があるけど、見られてたって事!?)


「独り言女か、」


「う゛…」


斎藤さんが蔑んだように言う。


(悔しいけど何も言い返せないっ。


それよりも、恥ずかしい!)


恥ずかしさで顔がかーっと赤くなっていく。


「木と話せるのか?それは…変わった嬢ちゃんだなぁ」


(永倉さーん!それ違う!!


木と話せる違う!)


「ま…まぁまぁ。木と話したくなる時ってあるだろ?なっ?」


(……土方さん…それフォローになってないです)


「それはないッスよ~」


「ないな」


山崎さんと斎藤さんにそう断言されて狼狽える土方さん。


「そ…そうかぁ?俺はあるけどなぁ!!」


「例えばどんな時ッスか?」


「そ…それはだなぁ!……あ、朝起きたとき、とか?」


「…一体何を言うんスか?」


「それはもう色々だよ?うん。でもそうだな…大抵は『おはよう、今日の調子はどう?』的な感じかな?うん」


「それで、木はなんと言ってくれるんですか?」


「そ、それが何にも言わねーんだよ!挨拶ぐらいしろっていつも言ってんのにアイツ学習しなくてよぉ、俺も参ってんの!」


どんどん深みに填まっていく土方さんをニヤニヤと楽しそうに見る山崎さんと斎藤さん。


(あの二人、ドSだっ…!


というか、巻き込んですみません土方さん…


私より恥ずかしい目に合ってるよね…。


そういえば!こうなったのも元凶は藤堂さんだよね!?)


自分の事は棚に上げて そう決めつける私。


恥ずかしさを隠すように藤堂さんを咎めた。


「もう!藤堂さん!みんなの前でそんなこと言わないで下さいよ!というか、見てたなら話しかけてくれれば良かったのに!!」


「……?」


私を見たまま沈黙する藤堂さん。


(何でそこで黙り込むのよ!?)


そして彼は遠慮がちに口を開いた。


「いや…話しかけたじゃん」


「……?」


今度は私が黙り込む番だった。


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